第22話 少し説明回のわんちゃん

 俺とごぶ助は今日も今日とて焼肉パーティーをしていた。


「ごぶごぶ、お肉は最高ごぶ!」


「(だなぁ、オークの脂がたっぷりのった豚肉っぽいのも美味いし、コカピヨスやビッグスネークのさっぱりした感じのも最高だ・・・。肉に飽きたらフルーツタートルが落とす果物を食べたり、グリーンマンが落とす野菜食べたりして口をリフレッシュ。そしてまた肉を食べる。最高だっ!)」


「ごぶごぶ、本当にここに住んでよかったごぶ」


「(ほんとだわ。ダンジョンに住むってサイコー!・・・って住んでねぇわっ!)」


「ごぶっ!?」


 あんまりにも毎日狩りして食って寝てを繰り返してたら住んでた気になってたわ!まぁあながち間違いとも言えない状況だったんだが・・・。ダガシカシ!


「(ごぶ助よ、俺たちは別にここに住むためにやってきたのではないのだよ?あくまで転移罠にかかって帰れなくなっているだけだ!忘れるんじゃない!)」


「ごぶ、すっかり忘れてたごぶ」


「(ズゴォォォーーー)」


 さすがのごぶ助クオリティーに昭和的ズッコケしてしまったわ!じゃなくて、俺たちは帰らなきゃ行けないんだよ。ごぶ助一家に再開しなくては!


「(ごぶ助よ・・・。そろそろ帰らなきゃ!ここに来て体感で季節が変わるくらい経った気がするし、家族が心配してるかもしれないんだぞ!まぁあの家族だと心配半分、楽観半分、ワンチャン忘れてるかもだが・・・!)」


「ごぶ、そういえばそうごぶ。我も半分忘れてたけど、帰らなきゃごぶ」


「(ごぶ助ェ・・・)」


 これだから呑気種族のゴブリンは・・・!まぁ焦ってもどうしようもないんだけどな。

 それに俺たちは長い事狩りを繰り返していたのでレベルも大分上がって強くなり、帰還のための探索もやりやすくなった。なのでのんびり狩りを繰り返していたが、それは無駄ではないはずだ。

 だからと言って延々と狩りを繰り返すのはいったん止めて、帰還の為に動くことにしようと思う。


「(うっし、ごぶ助!)」


「ごぶ?」


「(明日からは帰るために動こう。具体的に言うならば、今行っている通路を一番奥まで進む!)」


「ごぶごぶ、わかったごぶ」


「(じゃあいつもならもう一回狩りへ行くところだが、今日はそれをやめて明日の準備をして過ごそう。食べ物なら少し備蓄があるしな)」


「ごぶごぶ、何を準備するごぶ?」


「(そうだな、じゃあ・・・)」


 俺はごぶ助に明日使いそうな物を準備させる。俺の方も準備をしながら色々と確認していくことにする。

 まずは俺たちのステータスについて再確認してみよう。



 名前:

 種族:狛犬

 年齢:0

 レベル:12(10↑)

 str:216(81↑)

 vit:293(128↑)

 agi:237(122↑)

 dex:171(67↑)

 int:201(87↑)

 luk:108(50↑)

 スキル:雄たけび 咬みつき ひっかき 鑑定 氷魔法 念話 守護の壁

     火魔法 集中 魔力操作

 ユニークスキル:ワンチャン 

 称号:元最弱犬 転生者 ダンジョン1階層突破 特殊進化体



 名前:

 種族:ホブゴブリン・覇種

 年齢:3

 レベル:6(4↑)

 str:269(86↑)

 vit:243(67↑)

 agi:254(74↑)

 dex:201(48↑)

 int:123(38↑)

 luk:255(50↑)

 スキル:パワーアタック 剣術 アイテムボックス 一点集中 調合

 ユニークスキル:覇王

 称号:ダンジョン1階層突破 特殊進化体



 このように俺たちはかなり強くなった。俺の方が大分レベルが上がっているのだが、おそらく称号特典の経験値補正が聞いているのだろう。後は種族としての強さもあるのかもしれない。

 正直言ってごぶ助の1レベルあたりによる強化率がすさまじいのだ。このままごぶ助のレベルが上がり続けたら、まさに覇王と呼べる存在になるかも・・・。

 そんな恐ろしい妄想は置いておき・・・、置いておくしかないんだ!スキルも少し習得できた。

 俺は集中と魔力操作。これはおそらく肉を焼くときに集中して火魔法を操作していたからだと思われる。美味しい肉食べたいパワーのなせる技だな!

 それはさておき、効果はどちらも魔法技能系だ。集中を使うと魔法の威力が強くできるし、魔力操作は魔法を使うときのイメージの補助って感じだ。

 ごぶ助の方はアイテムボックス、一転集中、調合だ。

 アイテムボックスはドロップアイテムの運搬が楽になるといいなって思っていたら取得したらしい。わけがわからないよ。効果は制限があるものの物がしまえるらしい。実際にはそこまで検証していないのでわからないが・・・。

 一転集中は肉をぶっ刺していたら生えたとか。これは肉食べたいパワーだな。効果は字のごとく、一転集中できる。使って突きを放つとすさまじかった。

 最後に調合だな。これは取ってきたドロップアイテムで薬になりそうなものを、俺が支持して適当にやらせていたら取得していた。効果は成功率に補正が掛かるらしい。

 以上がステータスについてだ。次は何を確認するべきか・・・。


「ごぶごぶ、木箱は背負っていった方がいいごぶ?」


「(ん?あー、邪魔になるから置いて行こう。基本はアイテムボックスにドロップを回収して、入らなくなったら最悪捨てていこう)」


「ごぶ、わかったごぶ」


 丁度ごぶ助が道具の事について聞いてきたので、次は道具についての確認をしようか。

 今さっきごぶ助が聞いてきた木箱とは、ドロップアイテム回収用に作った入れ物である。オークの落とした木の盾を、イワコケグモという大きな蜘蛛が落とす蜘蛛の糸で無理矢理つなぎ合わせてある箱である。結構早い段階で作って、これでドロップアイテムを回収・運搬していたのだが、ごぶ助がアイテムボックスを覚えてからは使う頻度が低くなっていて、今回も荷物になりそうだから置いて行くことにした

 確認すべき道具としては後2種類ほど、ごぶ助の服と薬類かな。

 ごぶ助の服はリザードマンが落とした革と、アイアンビートルという硬い外殻を持ったカブトムシみたいなやつの落とす硬い外殻を組み合わせて作ってある。これはリザードマンの牙で適当に穴を開けたり、牙で革を切って蜘蛛の糸でつなぎ合わせてある。それをごぶ助に言って作らせてみたやつなので作りが雑である。無いよりかはましって感じで装備させている。

 薬類は傷や状態以上に効く薬と、状態以上を敵に与えられる毒薬を、ごぶ助に作ってもらった。知識を特に持っていない俺が指示役になり、薬など作ったことがないごぶ助が製作したやつなので効果は微妙だ。入れ物も木箱みたいに適当に作った奴なので、軟膏タイプの物を作った。まぁないよりかはいいと思っている。

 後確認すべきは・・・。


「(あ、ごぶ助!溜めてある食料も適当に持って行ってくれ!肉と野菜と果物を均等にたのむ!)」


「ごぶ、わかったごぶ。肉はいっぱい持っていくごぶ」


「(ちゃんと野菜と果物も持って行ってくれればそれでもいいよ!)」


「ごぶごぶ」


 食料は大事だよな。肉はおなじみの芋虫肉やオーク肉、後はビッグスネークの肉とコカピヨスの肉かな。野菜と果物は適当に数種類持って行ってもらおう。

 ちなみに、ビッグスネークは転移罠にかかる前に倒して、ミノタウロスに襲われた時に落とした奴だな。さっぱりとした感じで美味かった。

 コカピヨスは・・・デカいニワトリ?そんなやつだ。デカい割りに素早い奴で、足で蹴ってくるのだがその力も強くそこそこ強かった敵だ。こいつも肉を落とすんだが、まさに鶏肉で美味かった。

 野菜はグリーンマンという植物系の魔物が落とした。こいつは生命力が強い以外はそこまで強くない奴だった。毎回種類をランダムで落とすので飽きずに助かっている。

 果物はフルーツタートルという背中に果物を付けたデカい亀が落とす。こいつも種類をランダムで果物を落としてくれる。そしてこいつの戦闘に関して何だが・・・こいつはとにかく硬い。硬いのだが、ごぶ助に掛かれば雑魚同然だった。

 なんかごぶ助の攻撃って防御力でも無視するのか、硬い敵には有効なんだよね。なんだあのチートゴブリン。

 っと、まぁ確認するのはこんなものかな。


「(ごぶ助、準備ができたら明日に備えて飯食って寝よう)」


「ごぶごぶ、わかったごぶ」


 俺たちはそれからも準備を進め、明日の探索に備える。

 ほどなくして準備を終え、食事を済まして就寝した。

 そして翌朝、俺たちは通路の最奥まで進むことになる。



 そこで待ち受けていたのは見たことのないものだった。



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 作者より:読んでいただきありがとうございます。皆様のおかげでPV数も上がってきております。これからもよろしくお願いします。

「面白かった」「続きが読みたい」「コカピヨス・・・」等思ったら☆で高評価や♡で応援してください。

 ☆や♡をもらえると、作者の適当な魔物製作がましになるかもしれないのでよろしくお願いします。


 赤いキツネと緑のたぬきのコンテストがあったので書いてみました。

 よろしければ↓になります。どうぞお読みください。 

 https://kakuyomu.jp/works/16816700429090484182

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