メルヴィルとアンジェ(C→B)
会話C
〜王宮 玄関〜
アンジェがペガサスを撫でている。
「良い子にしているのよ?キャロリン、ここで待っていてね?」
キャロリンが目を閉じて地面に座った。
「良い子ね」
アンジェがキャロリンの額にキスをする。
「あら、メル!」
メルヴィルに走って近づくアンジェ。
「アンジェ。何だ。何か用か」
「ベノワットが探していたわよ。剣の手入れが終わったらしいわ」
「分かった。剣が手元にないとどうも落ち着かんからな。すぐに取りに行こう」
「メル……」
遠くなる背中を見て、ため息をつく。
「もう、あの頃みたいに呼んでくれないのかしら。それとも忘れてる?」
「私は『メル』って呼んでるのに」
会話B(29話以降解放)
〜移動中〜
ルイスとアンジェが並んで歩いている。その後ろをメルヴィルとベノワット、アレストが歩いていた。
「……それで、次はこの街に行くとリヒターさんが」
「そこには面白い宿はないかねェ」
「面白い宿?」
「回転するベッドがある宿とかどうだ?寝る時にも楽しい気分になれる」
「酔いそうだな……」
他愛のない会話をする幼なじみ2人の声を聞き流す。いつものことだ。ふと、前方を見ると、あることに気づいた。
「……!」
アンジェは気づいていないだろうが、道に小さな窪みがある。このままでは転んでしまうかもしれない。
「おい、『アン』!……あっ」
思わず口を手で覆う。
「アン?……アンジェのこと?」
不思議そうに首を傾げるルイス。
「メルヴィル、久々にアンジェのことを『アン』と呼んだな。そういえば昔はよく愛称で呼び合っていたよな。思い出した!」
ベノワットが明るく笑う。
「そうなんだ。アンジェとメルヴィルは昔から仲良しだったんだね」
「そうだぜ、軍師サン。こいつら2人はよく手を繋いでい……いた゛っ!?!?メルヴィル!あ、足を踏むなっ……!痛い!普通に結構痛い!!!!」
「黙れボンクラ!」
「……『アン』か」
「お父さんのことがあったから記憶に蓋をしてたけど、案外嫌な事ばかりじゃなかった子ども時代だったわね。メル」
ズボンに引っ付くアレストを叩いたり蹴ったりしているメルヴィルには聞こえないだろうが、アンジェは昔を思い出して頬を緩めた。
ちなみにこの後、メルヴィルがアレストを引き剥がしている横でルイスがさらっと「アンジェ、気をつけて」と道の窪みを教えた。
砂時計の王子 【会話集】 まこちー @makoz0210
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。砂時計の王子 【会話集】の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます