砂時計の王子 【会話集】

まこちー

アレストとメルヴィル(C→B)

このエピソードは『砂時計の王子』本編を読んでからお読みください。


C→B→A の順に親愛度が上がっていくと解放されていく会話集です。



アレストとメルヴィル

会話C


〜王宮 食堂〜


メルヴィルがキッチンに立っている。

「次に砂糖を入れるのか」

本を見ながら砂糖を手に取る。

「おい、ボンクラ」

「あ。バレてた?ギャハハ!!」

破顔したアレストが奥の棚の影から飛び出す。

「いつからそこにいた」

「うーん、あんたが来る前から」

「チッ……」

「いやぁ、最近メ……がこの時間いなくなるから……あんたはすぐどこかに行くが、時間を気にして動くようなタイプじゃないだろう?だからさ、何をしているのか気になっていたのさ。それで忍び込んで監視して見たわけ」

メルヴィルが本日2度目の舌打ちをする。

「で、何をしているんだ?料理か?」

「……菓子を作っている」

「ふぅん?」

アレストがメルヴィルの持っている砂糖を見つめる。

「甘いものか?俺はあまり甘いものは好みじゃないが、そうだな……その袋全てを使う菓子ならば食べようか」

「病気になるぞ。大さじ3だと書いてある」

「えぇ〜……とびきり甘い方がいいぜ、絶対に」

「黙っていろ」

「いやいや、俺に作るんだろう?メ……」

「メルヴィルだ」

「メルヴィルクン?」

アレストの口角が上がる。

「違う。お前になど作るか。寄るな!クソが!暑い!!!邪魔だ!!!」

「ギャハハ!!悪いね!!体がでかくて!」

メルヴィルがアレストを肘でどつく。

「本当に違うのか?じゃあ誰に?」

「ティッキーだ。これはティッキーの分だ」

「そんなに大きなアップルパイをあのガキに食わせるのか?」

「俺と半分にするつもりだ」

「そうなのか。ふふふ」

「いいから出ていけ。料理の邪魔だ」

「冷たいねェ……。だが、ここはあんたの『特別な』弟子に譲ろうか。くくく……」




アレストとメルヴィル

会話B(16話以降解放)


〜夜 宿の一室〜


「……」

メルヴィルが剣を見つめている。と、扉をノックする音。

「起きているか?メ……」

「メルヴィルだ」

「あぁ。メルヴィル」

ドアを開けると、アレストが立っていた。

「入ってもいいか?」

「入りながら言うな」

「くくく」

「笑って誤魔化すんじゃない!……お前、それ」

「さっき、出店で売っていたんだ。つい、思い出しちまってな」

苦笑するアレストが持っていたのは、大きなアップルパイだった。

「俺は……器用な料理はできないんだ。リンゴを焼くだけならできるが、あんたのように器用にパイ生地を広げることはできない」

「だから手作りじゃないが、そこは許して欲しい」

「メルヴィル、少しだけ振り返らないか?俺はいつも振り返ってばかりだから、珍しいことでもないんだが。あんたが前しか見れないのもどうかと思ってな」

メルヴィルは黙ってそれを受け取り、小さく頷いた。

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