第161話 リンネア・フォーサイス
リンネア・フォーサイス。
神の僕指導者、
ちなみに他の者は彼女の主人を、
「リンネア・フォーサイス?」
カメリアから彼女の師匠が決まったことを聞いた
「
「はい、とても落ち着いていて綺麗な方でしたよ」
「そりゃあ美人だろうな。なにしろこの『楽園』で最も美しいと言われているお方だ。
そう言い、デルマーは目を伏せる。
「……まあ、つまり、なにが言いたいかというと、そんな大切な人が君の師匠となったのだ。
「……はい、わかりました」
「大地というのはすべての源でもあると思うの」
リンネアはカメリアと並んでゆったりとした足取りで歩く。ここは楽園から少し離れた少し大きい岩。二人はここで訓練しに来たのだ。
「だからこそ範囲を広く使う技こそ、その真の価値を表すものではないかと……私は考えるのよ。このようにね」
深呼吸をし、リンネアは手を空に向かって一気に上げる。すると地面が揺れ、海の中から次々と岩の柱が、水を流しながら現れた。自分たちがいたちっぽけな石の塊を、島にまで成長させたのだ。なんとか立っていたカメリアはその圧倒的な力に呆然と目を見張る。
さすがはリーダーの妻といったところか。12神官の一人だったとしてもぜんぜんおかしくない。
「最終的にはあなたもここまでできるようにしてほしい。今は難しくとも、訓練をすることでいずれ……」
「そんな……」
無理だ、無理に決まっている。カメリアは絶望するが、リンネアは微笑んだだけだった。
「大丈夫よ。私よりも
「そんなこと言われましても……」
そう呟くも、リンネアはただ薄く笑うだけだ。
海の風に髪をなびかせるその姿は、真莉に誰かを思い出させた。彼女によく似ている人が、かつて自分の近くにいた気がした。
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