第45話 救いを求めて
「数日後……なんじゃないか?いろいろあると思うし……。そもそもあの爆発はペストが起こしたものなのだ。だから……いろいろ調査しなきゃあいけないんだ」
希望はあるな……と少女は思った。葬式の日程がまともに言えないということは、まだシャリーは殺されていないということだ。死体解剖とかはないだろう。なぜなら脈は大丈夫だったからだ。医療もちゃんと学んでよかった……と
次に
(ケイの能力は炎、大地、そして水。だからランクは結構上だろうな……)
とりあえず、2番目に危険なランクのAを開き、ひとつずつ見ていくと、ペストにさまざまなニックネームがつけられていることを知る。
「
「2020年登録。身長は約5.5フィート(165cm)。能力を多種多様に使う。グループで行動することもあり。目は鮮やかな緑色で、目線のみで植物を操ることができる。性別は女性だと思われる……」
別の人だ……と
「これだ」
「ケイは日本人だし、和食が好きなのは間違いないはず。だからすしとかラーメン屋いって探すしかない」
ひどくあいまいな捜索だった。でもあまり騒ぎ立てると、彼がペストだということが世間に明かされてしまい、とんでもないことになるかもしれない。
「もしかしてペストだから店行かないのかな……」
そもそものステップを間違えていたか。
「はあ……どうしよう……」
シャリーは今頃、安保隊の地下何メートルも下にあるペスト用の狭い暗い部屋で、殺されているのを待っているのだろうか。あと数日しかない。なんとかしないといけない、ことはわかっているが、なんの打開策もないのだ。ケイがダメであれば、自分が特攻するしかない。しかし、ただの訓練兵が、他の安保隊員に勝てるのだろうか。いいや、無理だ。
月が東に見えた。風が吹き、それが歩いてきた少女の長い髪の毛をなびかせた。栗色の髪だ。手には淡い色の花をもち、目は丸い輝くような薄い青色。
そして、ふと思い出した。
この女の子、ケイと一緒にいた子だ。病室に来て、ケイを連れて行った子だ。間違いない。この子なら、ケイがどこにいるか知っているはず!!
「あの……!」
「お願い……! 助けて!!!」
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