第26話 正体
ケイが青目の少女と行ったあと、
「っ!」
「動くな! 撃つぞ!」
きらっと光ったのは彼女が手に持っているピストル。いつも持ち歩いているものだ。三人の見知らぬ男を睨みつけ、少女は問う。
「誰だ、お前ら。なんのつもりでここにいる?」
「偉そうに言ってんじゃねーよ、クソガキ」
男の一人が吐き捨てた。
「てめえら安保隊が。いままで何人殺してきやがったんだ、ああん?!」
「は?」
安保隊に恨みをもつ者。つまりこいつらは……
「ペストか」
「ああ、そうだ。社会の害虫さ。そして俺たちは今からお前を殺す」
そのとき、急に個室の扉が開いたかと思ったら、ケイが入ってきたのだ。
(苦しい……)
怜は宙にぶら下がりながら、なんとか手で自分の首を締めている植物を引きちぎろうとした。が、うまく行かない。自分の能力を発動すれば、すぐにこんなものを「打ち消す」ことができるが、安保隊の前でそんなことをするわけにはいかない。
「離せ!」
少女は激怒し、他の二人が彼女を抑え込もうとするが、すぐさま2発の弾が彼らを襲った。頭に命中させようとしたそれは逸れ、それぞれの肩と腕に当たった。
「痛ってぇ!」
怜を縛っていた男は、今度は銃を自分の方に向けられたのを見、慌てて兵士を脅した。
「撃つなぁ!じゃないとこいつを殺すぞ!」
「っ!」
男は動きの止まった少女を見て、にやっと笑った。
「こいつがどうなってもいいのか?」
「卑怯者! なぜペストはそのようなクソ野郎ばかりなんだ!」
「……殺したいのは私だけでいいのか?」
少女は低い声で言った。
「その人は一般人だ。お願いだから離してくれ。私のことは好きにしていい」
「そうしてやってもいいだろう。俺たちは関係ないペストも殺す安保隊とは違うからなあ」
「じゃあさっさと離すんだ!」
男は植物を緩め、怜は床に落ちた。
「ふん、安保隊にしてはいい子じゃないか。さっさとこっちへ来い」
「くそっ!」
怜はすぐに立ち上がった。赤い炎が目と髪からあがった。
「力のあるお前らがただの訓練兵を襲うとか……クソみたいな安保隊と一緒だ!!!来い!! 俺が今からお前らを倒す!!!」
三人の男たちは怜を口をあんぐり開けながら見つめ、
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