《連載番》神速の先駆者〜ただの帰宅部の俺が英雄になるまでの話~

第5話 覚醒

【感情値が、一定に達していることを、確認しました。】

「どうせ死ぬなら……せめて一矢報いてやる。」

　短剣を再び強く握る。

【これより深度の上昇開始……レベルが一定に達していません。失敗……ユニークスキル[神速]を保有していることを確認。

死の危機によって精神の変異を確認スキル[逃走]が、スキル[先駆]に変化しました。】

　しかし、抗う覚悟を決めるのが、遅すぎた。

　大剣は、目の前にあった。

【再び深度の上昇を開始します……成功。

　再び、才能、本質、魂を感知、適応した武器を作成します。……28％……46％……83％……作成完了しました。】

　その声を聞いた瞬間こう叫んでいた。

「騎士槍（ランス）召喚」

ガキンッ！

　その瞬間、顔と大剣の間に遮るように、円錐型をし、敵対者を突き刺して攻撃するのが最も効果的な武器……騎士槍（ランス）がそこにあった。

とっさに鑑定してみる。

名前　　騎士槍（ランス）　　　

深度　　1

ステータス　AGI５０％増加

スキル　 刺突特化、 突撃

　称号　所有者〔田中　進〕

手に持ってみる。金属特有のひんやりとしたさわり心地に妙な安心感を覚えた。

その瞬間、騎士槍の使い方を理解した。

「[神速]」

一秒にMP を一消費するこのスキルは、十秒しか使えない。

あと十秒。

神速を使って即座にゴブリンキングから離れる。

あと九秒。

騎士槍をゴブリンキングに向かって構える。

あと八秒。

まだ唖然とした顔のゴブリンキングに向かって突撃する。

あと七秒。

失敗した。腕一本しか切り取れなかった。

あと六秒。

即座にカーブして、体勢を整える。

あと五秒。

ようやく事態を把握したゴブリンキングが片手で大剣を横に構えて、守りの姿勢を取る。

あと四秒。

ゴブリンキングの真横に突撃して、背後を取る。

あと三秒。

後ろを振り向いて、騎士槍をゴブリンキングの胸に向ける。

あと二秒。

ゴブリンキングに向かって突撃する。ゴブリンキングが、顔を後ろに向けるが、もう遅い。

あと一秒。

騎士槍が、ゴブリンキングの体を、貫いた。

ゴブリンキングが大剣を落とした。

【経験値を獲得しました、Lvが7に上がりました。スキル[槍術]、を獲得しました。

ユニークスキル[神速]、のLvが3に上がりました。

派生スキル、[思考加速]を獲得しました。

スキル[先駆]のLvが5に上がりました。深度が少し上がります。

　ユニークスキル[神速]の効果によってステータスが全てAGIに割り振られます】

【ダンジョン初攻略により、Lvが3上がりました。

Lvが10に上がりました。職業の変更が可能になりました。

ユニークスキル[神速]の効果によってステータスが全てAGIに割り振られます】