雨
雨がぽつらぽつらと体を打つ昼下がり
薄灰色の空から冷たいような冷たくないような雫たちが
予定よりも早く重力に引き込まれる
夏と冬の間の生温い空気が私をやさしく包み込んでいるように感じた
決心の末に手放した今朝の布団の中の温もりみたいなやさしさ
二週間も経てば人間は新しい環境に適応するなんて誰が言ったんだろう
上滑る会話、掴み切れない人と居場所、破れない本当を覆う殻、
画面越しの講師の言葉、はじめましての景色、、、
いつまでも煮え切らない不器用が服にできた斑点の数だけ赦された気がした
体の一部のようになった布の下で思わず口が緩む
雲が泣いているなんて歌詞は今の私にはかすりもしない
散文集「かがやき」 星彩 涼 @ochappa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。散文集「かがやき」の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
弟の心臓に起きたこと/星彩 涼
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 20話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます