魔晶石

魔晶石(ましょうせき)

・魔力の原動力となる石。

・かつて地球に飛来した地球外物質からなる隕石らしく、最新の研究でもその組成などほとんどわかっていないというのが一般的知識。

・世界的にはアメリカ・ロシア・ドイツが有名。日本だと山梨県白州町一帯。

・元は天界や魔界に多い物質で、現在、地球各地で算出されるもののほとんどが地球創造の際に地球に大量にもたらされたものと、超帝国時代に生産されたものの名残。

・小型のものでは魔力を貯める程度の力しかないが、小型の魔晶石をある程度集約したものや、単体でも大型のものはそれ自体が精霊体を宿し、魔法技術的加工によりエネルギーを生み出すことが出来るようになる。

・小型のものはブラスターや霊刃のエネルギーパックとして利用される。

・このエネルギーを生み出す特性を活かした利用方法として魔晶石エンジンがあるが、魔法技術そのものが一般的ではない、つまり、科学者に理解できない上、利用される魔晶石の程度にモロに左右されるため、エンジンは量産には完全に不向き。

・魔晶石の確保と安定したエンジン制作は、こうした理由で実は至難の業で、これ故に各国では大型の魔晶石の確保・管理には血眼になっており、メサイア・飛行艦艇に集中的に使用され、ごく一部がディグなどに回されている。

・で、ほとんどの場合、大規模な魔法騎士団や魔導団を擁する組織でのみ利用されているといってもいい位なので、クリーンエネルギーとして民間活用が叫ばれて久しいにもかかわらず、どこの国もその実用には否定的。

・その最大の理由が、このエンジンが暴走・爆発すると反応弾(核兵器)より恐ろしい惨禍をもたらすから。



魔力反応爆弾(マジック・リアクター・ボンブ)

【概説】

-別名「セルフ・ギロチン」

-魔晶石を用いた爆弾で、人類が開発した爆弾の中では世界最大の破壊力を持つ。

-爆発時の破壊力は、ウランやプルトニウムを利用した通常型反応弾(つまり、我々の言う原子爆弾)や水素反応弾を遙かに越える。


【使用後に発生する後遺症について】

-爆発に巻き込まれた地点は、魔力異常により一切の生態系が死に絶え、草木一本生えることの出来ない死の世界へと変貌、二度と復活することがないとされる。

-人類が把握出来ている限り、被爆した者の致死率は、爆心地から100キロの地点で100%。

-その範囲内にいると、数日以内に確実に体を構成する原子が崩壊して想像を絶する苦しみぬいた挙げ句、確実に死ぬ。

-被爆地は入り込んで1日といたら同様の死を避けることは出来ない死の世界となり、回避するためには、飛行艦に搭乗するなどの魔力の干渉から守られている必要がある。


【世界最初の実験】

-理論はアメリカの魔法科学技術者達によって生み出された。

-というか、プルトニウム型反応弾の基本となるプルトニウムの代わりに魔晶石を用いたらどうなるか。程度の気楽な発想から生み出されたのだ。

-1958年11月1日午前11時丁度、フィリピン沖合のバラバーク環礁の目標とされた島投下された爆弾―――“ベルダ”は、目標である島そのものを消滅させ、その衝撃波は地球を4周、太平洋沿岸各地に対し、10万人近い死傷者、行方不明者を出した大津波による被害をもたらした。

-被害総額は時価数十兆円に登るとされ、アメリカに国際的な非難が集中した。


【実戦での使用記録】

-1968年8月6日8時15分にイスラエル軍がF-4戦闘機からヨルダン首都アンマンへ投下したのが最初の記録である。

-この結果、ヨルダン川以東が魔力異常地帯化し、生命体は死に絶えた。

-犠牲者は120万人。

-この120万人の犠牲は、イスラエルの国際的な支持基盤を奪い、“ユダヤ人国家の虐殺行為”として国際的非難を引き起こした。

-そして、3日後の8月9日、アラブ連合軍のエルサレムに対する報復攻撃として魔力反応弾を使用(ただし、入手先は未だに不明)

-イスラエルはそれに対し、さらに数発の魔力反応爆弾を使用して報復の連鎖につなげた。

-結果として、ヨルダンもイスラエルも国家滅亡に追い込まれ、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教共通の聖地たる地エルサレムを含むヨルダン川一帯は、人が立ち入ることさえ困難な死の世界へと変貌を遂げた。

【国際法違反】

-この故に、魔力反応爆弾は、“禁忌の兵器”として、国際法上、使用どころか、開発も配備も一切を認められていない。

-国連加盟国が原則義務づけられる国際法の最後には、この条約を破った国は、国際社会、全国家、全民族、全人類に対し、宣戦を布告したものとする。という記述が書き加えられている。

-国際法がセルフギロチンと呼ばれる由縁であり、どれほど国際社会から忌み嫌われているかわかるだろう。

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