第6話 探検家、美幸

衝撃的な告白だった。

俺はその事をドキドキしつつ考えながら美幸の事を思う。

それから自室でメッセージを打ちながらスマホを弄った。

相手は仁である。

仁は、おう、と言いながらな感じで俺にメッセージを寄越す。


(しかし何というか。まさか美幸ちゃんからお前に告白されるとはね)


(そうだな。衝撃だよマジに。だけど正直に言うと俺は美幸には恋してないんだよな。複雑だ。.....申し訳無い気持ちだよ)


(でもお前にまだアタックする機会を伺っているんだろ?)


(ああ。そうだよ。その通りさ)


(そうか。じゃあまだまだ戦いは続くな。アッハッハ)


そんな高笑いのメッセージの仁に俺は苦笑しながら答える。

それから俺はスマホを見つめる。

そうしていると、そう言えば大丈夫か?美里ちゃんは、と聞いてくる。


仁には美里の事故の件は直ぐに伝えた。

病院から帰って来てから、だ。

何というかその事に仁はかなりの見開く様な感じで衝撃を受けていた。

有難いものだな、と思う。

ここまで心配してくれる事に、だ。

 

(美里だけど今は安心して寝ているみたいだぞ。直ぐ退院出来そうだ)


(そうなのか。良かった。美里ちゃんが死んだら最悪だわ。事故ったヤツを殺しに向かうかもだしな)


(冗談でも止めろ。有難いけどな。本当に)


(冗談?馬鹿言え。冗談じゃ無いぞ。でもまあ美里ちゃんは生きているからこの話はノーカンだな)


(だな。うん)


そんな話をしていると。

美里から写真がメール添付されてきた。

俺は?を浮かべて開いてみる。

それから唖然とした。


何故なら下着姿の上から撮った様な霰もない姿が.....なんじゃこりゃ!

俺は真っ赤になる。

よく見れば文章が添付されている。


(私の身体は魅力的?)


何を言ってんだコイツは!

しかも何やってんだ病室で!

俺は思いながら返事をダカダカとタイプしてからそのまま送る。

感情の全てを伝える様に、だ。


(アホなのか!?馬鹿野郎!)


(だって寂しくて。ね?しかも身体が熱ってるから)


(いやいや!あのな!)


(しかもこれ勝負下着だよ。あはは。こう見えて)


(もっと駄目だろ!何処で買ったんだよ!)


(これは持ち物だから.....ね?)


頭おかしいんだが。

俺は思いながら真っ赤に染まる。

すると今度はドアがノックされた。


俺はビクッとしながらドアを見つめる。

これはアカンわ。

この写真を今直ぐに隠さないと.....美幸と小春の可能性がある。


ドタバタしながら俺はスマホの画面をずらしてからポケットに直す。

そして答える。

はい、とであるが。

すると直ぐに美幸の声がした。

この様に詰まる様な感じで、だ。


「達也.....入っても良い?」


「.....ど、どうしたんだ?美幸」


「.....ううん。.....折角だから家の中を散策しているの。.....許可は勿論貰っているけどね。折角だから此処も来ようって」


「.....成程な。.....分かった。まあ汚い部屋だけど見ていってくれ」


「.....うん。懐かしいよね。昔.....ゲーム◯ューブとかで遊んだよね。よく」


そうだな、と俺は答える。

すると美幸は、うん。本当に懐かしいな。この部屋、と言いながら俺の部屋を見渡してから.....カチューシャを触る。

俺はその青色のカチューシャを見つめる。

相変わらずの癖だな。


「.....何かの様にカチューシャ触るのは治ってないな。相変わらず」


「え?.....あ。うん。.....私は.....何かあったらカチューシャ触るから。.....お姉ちゃんがくれた大切なカチューシャだから」


「.....そのカチューシャは.....大切にしていたぞ。.....小春がずっと」


「.....え?.....そうなの?」


「.....そうだな。お前らと仲が悪くなっても。.....いつか願いが叶うと信じて.....ずっとカチューシャに願いを込めていたぞ」


「.....」


困惑する美幸。

そして複雑な顔をした。

俺はその姿に、でもな、と言葉を切り出す。

それから笑顔を浮かべた。


「お前が.....久々に泊まってくれるって言ってくれて.....嬉しかった。.....何よりも小春がずっと待っていた事だったしな」


「.....た、達也は.....」


「.....?.....俺か。.....俺も確かに待っていたぞ。.....だって昔は3人でよく泊まっていたしな。覚えているか。怪談話とかやったの」


「.....うん。覚えてる。.....それで私が逃げたの覚えてる」


「.....懐かしいよな。家の中にテント張ったりしてさ。本当に懐かしかった」


だよね、と笑顔を浮かべながら。

美幸は髪の毛を触れつつ横に腰掛ける。

ベッドに、だ。


そしてまたキョロキョロした。

そう言えば.....懐中時計は?、と聞いてくる。

俺は、あれは壊れない様にする為に直してる、と答える。


「.....そうなんだ。.....カチューシャにしろただの安物なのに」


「.....お前達が例えそう思っていてもな。.....俺にとっては宝物だ。.....かけがえの無い宝物だ」


「.....達也.....」


達也は相変わらずだね。

と笑顔を.....浮かべる美幸。

四葉のクローバーでも咲く様なそんな感じで、だ。

俺は笑みを浮かべる。


「.....お姉様だけど.....さっきメッセージとか来た。.....もう少しで退院だって」


「.....だな。俺にも来たよ」


そのあのエッチな画像と共に。

あの馬鹿野郎め.....。

思いながら赤くなるのを抑えつつ。

俺は美幸を見る。

美幸は俺に向いてきた。


「ねえ。達也」


「何だ?」


「.....私ね。.....髪の毛を切ろうって思うの。.....どんな髪型が良い?」


「.....何故俺に.....よく分からないぞ。女の子の髪型なんて」


「そうかな。.....ストレートヘアーにしようって思うの。.....お姉様に負けない様な。達也って好きだったよね。ストレートヘアー」


「ま、まあ確かにそうだが.....」


じゃあ達也の好みに合わせる。

と言いながらカチューシャをまた触る。

その姿を見つつ俺は咳払いした。

こんな子が俺を好きになっている。

その事に.....何とも言えない感情になって、だ。


「それで達也」


「.....何だ?今度は」


「ゲームしよ」


「.....何のゲームだ?○ームキューブか?」


「うん。そうそう。お風呂沸くまでやろう」


「.....ああ。風呂貯めたのか。.....んじゃそれまでス◯ブラでもやるか」


だねぇ、と言いながらニコッとする美幸。

そしてカチューシャの位置を変えた。

それからポニテにする。

俺はドキッとしてしまった。

危ない.....。


「負けないからね」


「.....まあ当たり前だ。例え数年空いても負けないぞ俺も」


そして俺は小春を呼んでから。

それから.....ゲームを楽しむ。

お菓子も開けてしまった。

まるでパーティーだなって思う。


懐かしいもんだな、って思える様な。

そんな感じだ。

久々に.....楽しい時間だった。


その間。

何というか美里の事が.....少し気になったが.....。

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真面目な幼馴染が交通事故に遭い変態な事になりました。.....割と真面目に助けて下さい.....。(リメイク版) アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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