終わりは来ぬ、されど戦う。

Maeau

プロローグ

「もうすぐ、私も卒業だね」


店内の騒がしい雰囲気の中、先輩が言った。

僕はいつも放課後、先輩と2人でカフェに寄っている。友達も居ず、僕はボッチでどうせやることがないので、1年前に先輩に誘われてから毎日此処に通っているのだ。


「そうですね...寂しくなりそうです...」


「そうだねぇ。君私がいないと基本ボッチだもんねー」


先輩は僕を揶揄った。どこか愛おしいその仕草が、僕は嫌いでは無かった。

寧ろ、好きだったのかもしれない。


学校でも、話を聞いてくれるのは、クラスメイトの男子なんかではなく、いつもこの先輩だった。


「ごめん、琉くん。一個伝えたい事があるの。」


「何ですか?」


なんだろう、頭の中で少し考えると、先輩が顔を上げた。


「好き」


先輩の真っ赤で恥ずかしそうな、その表情は、いつまでも忘れずに、僕の心の中にずっと有るだろう。

そう、全てを失った今でも。

いつまでも僕の頭の中を飽和しているだろう。


「次の任務に...行くぞ」


仲間の声がした。


「了解」

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終わりは来ぬ、されど戦う。 Maeau @FloweR__HAIDO

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