毒親と呼ばれて

どこから、そういう言葉を覚えてきたのだろうか。

本当に、そんな風に思われていた時期が、いつからかあって、それが今も続いている

というのだから、正直、やってられないって思うところもある。


ただ、こども過ぎる大人を育ててしまった過保護すぎた面は反省せざるを得ないし

いくらアスペさんだからといって、事件の被害者だからといって、甘やかしすぎて

しまったのも事実だろう。


女の子だからという思いも確かに強くあったし、これが男の子なら、叩いてでも、

躾ができたのに・・・という思いも実際にあったのも事実。


けれど、色々な事を経験してしまった女の子であるのは、永遠に変わらないので、

どうしても、今でも、かわいくて仕方ない。


私に言わせれば、正直、アスペさんが口にする言葉の暴力は毒だ。

あくまで、妻の場合の話だが。


妻は、娘に対し、非常に厳しい言葉を発する。

横で見てて、それは言ってはダメ!と思う事をどのタイミングとかではなく、

自身が口に出したいタイミングで吐くので、こっちは、それを止めるのに必死に

ならざるを得ない。いわゆる空気が読めない現象だ。


せっかく、食事をしながら楽しくしているところに、いきなり爆弾を落とすのだ。


その最大の原因は、確かに、娘にある。

けれど、妻の中にあるものにも原因がある。


妻は、自分と長女があまりにも似ているのを自覚しているので、見た目だけでも

双子と言われ、性格も行動パターンも似てるという自覚の中で、自分が失敗した事を

マイナスイメージで完全に記憶しているので、そうなるから辞めさせよう!という

気持ちが先走り、つい口に出す傾向があるように思う。


娘の帰りが予定より、数分遅いと、すぐに、電話をしようとする。

それを私がもう少し待ってあげよう!というと、だったら、GPSで追跡を1回して

くれたら我慢する的な事をいい、自分では操作しないが、私のスマホから追跡を

する。追跡されたら、娘も気づくので、娘にしてみれば、勘違いして、【また、お

父さんが追跡してる】となるのだろうが、実際は、そうではない。


普段、私が、特に気にしているのは、学生である以上、本分は勉強であり、いずれ

卒業して就職したとしたら、そこから先は、しっかり働き、しっかり遊べばいいと

思っているタイプなので、今は我慢してでも、多少の息抜きのみにして、勉強する

こと、その為の環境を作るために部屋を片付けること、遅くまで起きていると睡眠

不足になり、朝に起きれないのは当たり前なのだから、早く寝ろ!というのも、生

活リズムの問題があるから、身体への負担が大きいから言うのであって、20歳にも

なった人に、親が延々言わざるを得ない状況を作る娘に問題があるのだ。


それ以外の小言となれば、基本は、妻の言い分を妻の口から吐かせれば、完全に毒

なので、ダメージが大きいだろうからと、あえて、妻から聞いた妻の言い分をワン

クッション、私が受け止め、その上で、ゆるくしてから娘には言っている。


妻が毒だと思ってるので、そこは仕方ないのだが、私に言わせれば、明らかに、最大

の毒は、アスペさんの妻なのだ。


けれど、娘の立場から見れば、事情を知らないのだから、当然、すぐに追跡して監視

する、うるさく言うなどの部分だけが協調され記憶されるのだから、当然のように

私が全ての犯人であるかのように思い、恨むという流れになるのだろう。


どちらかといえば、学校も、高校を卒業した時点で、勉強したくないのなら、働けば

いいし、やりたい勉強があるのなら、その道に方向転換すればいい、ぐらいの感覚で

あったし、女の子だから、中途半端に学歴があっても、将来的に、それが重荷になる

事も実際、この日本では多い。確かに、勉強は、しないよりした方がいいし、一生す

る事だと思うけれど、無理にという考えは最初からない。せっかくだから、資格がと

れれば、将来的に、食いっぱぐれる事はないだろうから、取らないより取る方がいい。という程度の考えであったのだが、どうやら、娘には伝わっていなかったのだから、どうしようもない。


そこに、娘が、物事の本質を見抜く力がない!人の話が理解できていない!という大

きな弱点があるという事を証明しているという流れや状況がある。


しょせん、20歳のガキだけれど、20歳なりに、必死で考えた答えだったのだろう

が、さすがに、ここまで避けられ、毒親呼ばわりされ続けるのは、なんだか腑に落

ちないし、今の状況が、どうしても、頭の中で、処理できないし、未だに納得も共感

もできない事が多すぎて、ついていけない感覚もある。


私の場合は、おそらく、不幸自慢では、多くの人に勝てる自信がある程の連続的な苦労の塊のようなものだったから、娘達には、貧乏なりに、不自由なく、苦労はさせて

きていないはずだと思っていたものも、大きく崩れ落ちたし、結局、何もできていなかったのだろう。


ほとんど、無限ループで、答えの出ない、不毛な状態で、延々と、病んでいく自分が

そこにいるのだけは、この時点で、自分なりにはわかっているが、どうしても、今

すぐ娘が帰ってきて、1からやり直したい!という願いだけが出てくるので、自分が

今、どうしたらいいのか、答えがでない、考える事もできない、そんな思いの中で、

片付けをしているから、なかなか片付かない。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る