意味が分からない
どれぐらい待っただろう。
刑事さんが戻ってきたが、何か、不穏な感じがする。
少し怒った口調になっている。
お父さん、何か心当たりないですか?
娘さんと少し話したんですけど、言い分が正しければ
話が全く違ってくるんですけど。
本当に心当たりないですか?金銭問題があるとか??
そう言われても特に心当たりも無いし、残された日記なども読んだけれど
そういう事は書いていなかったし、授業料の遅延以外で、金銭面で、苦労させた
記憶もないし。長女とは、必要以上に一緒に居たし、話もしてきたから、そんな
突拍子もない事を言われても・・・と、その時点では思っていた。
特に記憶にはないですけれど、唯一あるとしたら、
我が家自体が裕福ではないので、バイト代で授業料などの支援をしてくれて
いたのと、別件で事件に巻き込まれたせいで、授業料の遅延があり、そういう
苦労はさせている自覚はあるけれども、金銭トラブルはないと思います。
というと、刑事は、
う~ん 娘さんは、そのあたりをどうも納得していない感じがあってですね
金銭トラブルを抱えているので、もうやってられない!
だから逃げた的な感じの主張をしていて
20歳越えているので、さすがに、これ以上は・・・
と言い出すから、こちらも困惑するしかない中で、
今日のところは帰るしかないですよ。
安否だけは確認できたわけですし、一人で頑張っていると思って
諦めるしか今はないですよ
それに、裕福じゃないとか、授業料遅延とかの苦しみから、お父さんも
救われるじゃないですか、いないわけですし、当然、かからなくなるの
だから、少しは楽になるでしょうし
いやいや、それは違うでしょ
けれど、今日のところは、これ以上は無理だと思ったところもあったので、しぶしぶ
帰る事を認め、一人の刑事さんと、車がある管轄の警察署に歩き始めた
しばらく歩くと、その刑事さんの電話が鳴った。
どうも、店の人が話がしたいと言っているので、戻ってきて欲しいとの事。
私は特に話す事はないのだが、仕方なく、来た道を戻った。
そこに、店長が刑事さんと立って私達を待っていた。
今後、店に近づいたりしたら弁護士から営業妨害で告訴する
何かあるのであれば、本人ではなく、総店長が話する
娘さんは、目標を持って、本気でやろうとしているので邪魔をするな
学校は、弁護士とスタッフで方法を教え、一度、休学の手続きをし、
いずれ、時が来たら、復学して資格をとるよう手続きをさせた
といった内容で、脅しをかけてきたし、刑事二人がいた手前、私に言い返したり
何かするという事は不可能な状況で、囲まれた中一人で出来ることはなく、
その場はとりあえず、はいと了承し、別に総店長に話す事はないので、連絡先の
交換も不要と言い、その場を去る事にした。
私の本音は、全く別のところにあったし、特に弁護士が怖かったとかでもないのだ
が、刑事さんがいる手前という事もあり、この場は、いったん帰った上で、立て直し
をし、次の手を考えなければいけない!と、思っていた。
それに、私を無視し、走り去る娘の姿は、やはり、今までみたことがない姿で
どういう思いなのか不明ではあったが、正直、精神的なダメージを受けていたのも
あり、それが強烈すぎて、頭が追い付かないというのが正解だった。
今思えば、あの時、ああしていればとか、あの瞬間、ひっぱたいてでもとか、思う
ところもあるのだが、どうしても、アスペさんというセーブがかかってしまうので、
この時点で、私が最大に思っていたのは、無理矢理な事をしたら、きっと、その後
また暴走するか、自殺するかの道が待っているのだろう、ならば、少し距離を置き
その間に、こちらも体制を整えなおし、次のチャンスを待つしかないという思いだ
った。
警察署に向かう道
おそらく、相当に落ち込んでいる私を見た刑事二人は
延々と、私に声をかけ
考え方次第だから!とか、自立しようとしているんだから!とか、言っていたが
もし、自分の娘だったら、そんな綺麗ごと言わないでしょうに・・・と思っていた
から、全く入ってこない。
とぼとぼと歩く道で、スレ違う人の中に、知っている人を何人も見かけたが、
その中には、私を脅した人もいたりもした、けれど、この3年で、私の場合は
明らかに見た目が変わっているので、私は気づくけれど、相手は気づかないので
特に声をかけられるわけでもなく、気が付けば、管轄の警察署についていた。
どうしようもない状況であるので、私は、車に乗り、警察署を去った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます