第16話:新たなチャレンジの必要性 ②

 しかしながら、このように選択肢を増やすことに対して反対的な意見を持っている人や企業も多くなる事も十分予見することが出来るため、この提案を実現に向けて協議を行い、実際に実現できたとしても反対している人たちから本人たちを守るためにも周知活動の徹底や個別理解にかなりの時間を要することになる。


 ただ、この行動を起こすことでこれまで社会の荒波に飲まれてしまった人にチャンスを与えることも可能になるため、個人の活躍の場を増やすことにもつながり、これまでのように決められた場所だけで生きなくてはいけないという“固定概念”を取り除くことが出来る、自分の意見を尊重する事が出来るため、今までのように自身の裁量や勤務態度など他者評価をされてしまいやすい部分を回避することが出来る上、過剰に周囲からいろいろな事を言われることはかなり減る。


 そのため、会社などの組織に対してトラウマや不信感、嫌悪感などを持っている人にとっては自分のペースで仕事が出来るし、学校などでいじめなどを受けて不登校になったとしても同じ境遇の人と繋がれることで社会的孤立を防ぐことに繋がる。


 このように1つの不安要素を周囲が知識を持ち寄ることで強みに変えていく事が出来るようになり、自分が出来る事を率先して行えるようになることで、社会への貢献の大切さを知る事が出来ると思う。


 そして、社会においても“セパレート・カンパニー”(同一企業が人材育成のための子会社を設立し、自社採用を前提とした研修を行うもしくは複数企業で共同出資を募り、企業間で選抜する方式のいずれか)の導入を進め、これまで採用に対して良い結果を出せていない人に対して労働機会を作り、複数の選択肢を提示(=明示)して今まで行動する事が難しかった人や前記の経験をした人が所属しながら社会に価値を提供する事が出来るようになると、今度は社会に対する信用も徐々に回復し、元の社会に戻れる可能性を見いだすことが出来るのだ。


 そして、このような人を雇用した場合には“人材育成助成金”という雇用推進のための助成金制度を作り、基本条件を明示した上で公募し、“一定人数を一定年数以上雇用継続すること”など雇用内容に関する基本条件と採用した社員との労働契約に関する基本契約書を厚生労働省へていしゅつしていただき、これらの書類を審査後、審査結果と共に詳細な支給条件を先方へ提示し、支給手続きに入っていく。


ただ、この助成金の支給を行う上で気を付けなくてはいけないことも多い。


 例えば、雇用調整助成金の時もそうだったが、対象者を水増しして、多く助成金を申請し、不正受給する企業や休業補償の申請に関しても会社側からサインがもらえず、補償金を受給できなかった非正規雇用の方々も多くいたことから申請した企業(=会社)側に一括で振り込む“間接支給”ではなく、厚生労働省から申請者に“直接支給”する形を取り、その所得をマイナンバーカードもしくは個人戸籍番号に登録し、企業からは見えない形で支給することも1つの個人所得に干渉されないために必要な対策だと思うし、企業側が関知することで受給者側に不利益を被らせることが想定されるため、そのような行為を避ける意味でも必要な事だ。


 そして、この問題はこれまで明るみに出なかった“労働問題”・“雇用問題”の賃金授受の問題点が明るみに出た形になっているように感じるのだ。


 しかしながら、このような問題が明るみに出たとしても問題視しないのはこれまでも、これからも変わらないのだろう。


 これは労働基準法の改正や労働権利保護に関する法律を新たに施行し、労働者側が受けられる支援を拒否する、支援が必要にもかかわらず、必要な支援に必要な手続きをさせないなど労働者に対して不当な扱いをした場合には企業に対して厳罰を科すことや労働基準法、労働契約法ではグレーゾーンになっている部分が多く、労働者保護の観点がかなり欠落しているため、いくら法律があったとしても労働者の権利を十分に保護することが出来ない。


 特に、現代においては個人の価値観の相違が時代を追う毎に進んでおり、必要な支援も個人によって異なっているため、柔軟な対応と定期的な働いている人からの聴取を進めることで現在の労働環境の実態と改善点を含めた課題を当事者から提示して頂けるように習慣化することで、社員の働き方改革や経済格差の是正など働く人が働きやすい環境整備や消費しやすい経済力の構築など社会的ピラミッドが崩壊しないように国民生活の定期的な状況把握と必要な支援の策定を進め、物価上昇による生活崩壊や教育機会の喪失などを段階的に少なくしていき、万が一教育機会や学習機会が減少もしくは喪失してしまった人材を“地域人材育成事業”という国・地域・地域企業で連携をして、子供たちの教育機会・学習機会を目的として学習塾などの教育系企業や一般企業などがスポンサーとして協賛し、子供たちが経済的な理由でチャンスを失うこと、これらの理由によって才能が埋もれてしまい、社会から評価される機会を失わない教育も現行の教育と並行する形で進めていくことが子供たちの教育機会の喪失による社会からの孤立を防ぐことに有効であり、幼少期から常に選択肢が増えることでいろいろな事に興味を持てるようになるため、やりたいと思ったことを選んだとしても実際に体験・経験を出来る環境を整備することでこれまで諦めてきたことも選択出来るようになっていくのだ。

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