第7話:立場の弱い人への寄り添い方 ③
では、立場の弱い人たちに寄り添うためにはどのようなことが必要なのだろうか?
まず第1に“発生する要因について考えてみる”ということだ。
現在、日本にはさまざまな発生要因が存在しているが、これらのほとんどが“人間関係起因”や“相関関係起因”で起きている。
これは日本という国が人と人とのつながりを大切にして、多様な人たちの中で生きているということがこの発生要因から読み取れる。
一方でトラブルが多い背景にはさまざまな多様性がコミュニケーションを取りにくい環境を作り上げてしまい、同調出来る人が少ない場合には孤立しやすいということを指している。
そもそも、立場の弱い人たちは最初から立場が弱かったわけでも、言いたいことを言えなかったわけでもない。自然と個別の価値観が接する相手に合わなくなっていったことで起きた認識のズレが積み重なっていった事が要因だと思っている。
今の社会において同じ価値観を持っている人というのはかなり少なく、多少なりの価値観の変化が起きている状態で人とのつながりを作っていくのだが、最初からかなり難しい判断を迫られる事も最近は多くなっている。
例えば、“○○とは遊んではだめ”や“○○さんところとは関わらない方が良いよ”という親や近所の人から言われたことが子供などに伝わると十分な真偽を確認せずに「親から『あの子と関わるな』と言われている」とか、「あの子とは遊べない」など遊べない理由として利用されてしまうことも多い。
特に地方などでは経済格差が顕著になっている事も多く、これらの格差が両親や子供たちの人間関係に影響してくることも少なくない。
では、この状況を変えるためには何が必要なのだろうか?
私はそのような人と交流する機会を作り、そういう機会に多様性や多角的な視点を構築することやそのような人に対する知識を学び、きちんと寄り添って、その人の意見を吸い上げていくことが大事だと思っている。
その理由として、そのような人の多くが周囲から孤立しているケースや周囲との交流を持ちたくても持たせてもらえていない傾向が強くなっている。
そして、社会においても立場が弱い人の声が反映されている状況は見受けられないし、そういう人は年代を問わずに存在するため、その年代に合わせた支援や交流方法が求められると思う。
なぜなら、年代によって必要な支援が異なっていることやその人の精神状態や抱えている問題で選別を受けることを避けないといけないからだ。
今は以前に比べると影響が出る可能性がある世代が拡大している。近年では若い世代が深刻な状態になっており、この年代における抜本的な解決策として“その人が目指している事や目標に対して周囲が寄り添い、その人の行動を肯定する”事が必要だと思う。
その理由として、今は子供たちの多様化が進んでいる一方でその多様性が人間関係を希薄にしてしまうことやお互いの個性を潰し合ってしまう可能性がある。
私が以前からさまざまな人と交流してきたが、その中でも相手によってはかなり難しい部分が存在していることを痛感した。
特に、セクシャルマイノリティや対人恐怖症などの心理的背景を持っている子供たちは年齢が上がっていくとある程度周囲からの理解がないと日常生活が難しくなってしまうことがある。
なぜなら、そのような子たちの多くは幼少期から周囲との距離感を掴むことが難しく、その子たちが周囲との違いに違和感を覚える事が多くなる。
そして、その子たちが小学4年生以降(10歳程度)になると男女ともに身体の変化が始まっていくが、その変化さえ自分の認識している性との違いに困惑することが多い。
これは本人にとっても認識の違いから体が変わっていくことに対する恐怖心が強くなってしまうことも想定出来るのだ。
現在、小学校は都市部の場合、その地域毎に設置されているため、卒業後に進学する中学校が大きく変わることはないため、小学校の時点である程度の人間関係を構築することで学校の環境が変わったとしても周囲からの理解があるため、すぐに深刻な事態にはならないが、問題は他校から来た同級生からの理解がどの程度進むかだ。
現在、セクシャルマイノリティの子供はそこまで多くない。そのため、今までそのような子が同級生にいない学校から来た子供たちにとってはどのように接して良いか分からず、困惑することもあり得るのだ。
このような交流機会が少ないもしくはない子供たちが自分たちとは違った価値観やジェンダー観を持っている人に対して偏見や差別意識を持たないように教育を進めていく必要があると思う。
これは私の私見だが、今の子供たちにとってセクシャルマイノリティの人たちを身近に感じられるため、年齢が上がっても理解が進まないということは避けられると思うが、問題は家庭環境がどのようになっているかだと思う。
その理由として、日本では多様性などに対する差別や偏見などが未だに根強く残っている部分がある。
そのため、同性同士で手をつなぐ行為や結婚する行為、恋愛感情が同性となった場合、多くの人が拒否反応を示すことでその考え方が1つのマジョリティとして人々の中に認知されてしまう可能性がある。
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