第95話 閑話─二人のイチャイチャ



レティの規格外の行動は底が知れない。



知り合ってから驚くばかりだ。

まさか、医療行為までやってのけるとは………


そして

あの医師への視線は何なんだ?

あれは、グレイを見る目と同じでは無いか………


そして、泣いてた………

あの医師を見て泣いてたんだ………

ショックだった。

レティはレクサス先生と言ってたっけ………



そして、あの日はレティは恐ろしく機嫌が悪かった。

何に怒ってるのかは知らないが

会った時からイライラしてるようだった。

シュンとしてる顔も、怒ってる顔も可愛らしいだけなんだが………





そんな事を考えてたら

料理クラブが終わり、レティが出てきた。



「 おかえり、レティ 」

「 ただいま、殿下 」

アルベルトは直ぐにレティの手を繋ぎ歩きだす。



「 レティ、僕は、何か君を怒らす様な事をした? 」

「 あの日はご免なさい、何もかもに腹が立っていたの 」

「 そう、………じゃあ、僕にも腹が立ったの? 」

「 ……… 」



「 じゃあ、仲直りをしよう、仲直りはほっぺにキス 」

アルベルトは自分の頬を指でトントンとした。


「 ?!」


「 そんな事を言うから腹が立つのよ!!! 」

レティはプンスカ怒ってスタスタ歩きだした。


うわ~、やっちゃったよ、

どうしても好きな子をからかってしまいたくなる男の性。



しかし、レティは止まると、くるりと回ってずんずんと戻ってきた。

手でアルベルトに屈むように合図して、白の豚さんのマフラーを結び直した。

編み込む様に綺麗に結んだ。


彼女は「 これで隠れた 」……と満足そうに笑った。

アルベルトは幸せで死にそうになっていた。


それからは

アルベルトのマフラーを見るたびにレティは結び直してくれた。



どんな場所でも始まる二人のイチャイチャ。

それを見る学生達は限りなく甘酸っぱかった。











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