第11話アンドロイドの女神は微笑む

人の群れが吐き出されている

ぜんまい仕掛けの夜明け

特殊絵具で描かれた風景を照らし

人工太陽が昇る


影はアスファルトに張りつき

人を土に繋いでいる

痛みが突き抜ける

恐怖が激流となって押し寄せてくる


白い少女が横たわり

空っぽのからだを抱きしめる

得たものと失ったものと

小首をかしげて量っている


アンドロイドの女神は微笑む

試験管で母性が培養されている

銀色のドームへいのちが堆積してゆく

女神は赤い唇でいのちを噛み砕く

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