第8話幻視宇宙

あたりにちらばっている破片を拾いあつめて

ジグソーパズルのように形づくろうとするが

いつも幻のように溶けて

指の透き間から逃げてゆく


創ろうとしていたものは何か

それすらも闇に消える


女神は目隠しをしたまま

ヤキンとボワズの間に座っている

慈しみとわしさ

交錯する一瞬に閃光がひらめく

美のみどりが降りそそぐ

空に 大地に 海に……


みどり児は生きる

破片はあるがままの形で散らばっている

空がゆがむ

大地が揺れる 海が溢れる

裂ける__


なにもかも

闇の裂け目に吸い込まれ

あとには何も無い


女神は

ヤキンとボアズの中央で透明になる

どこまでもひろがる空白のなか

非存在の破片は集まり

意識を越えた

はじめての形に変わってゆく

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