第6話 賭けた者の戦い
急に美白先輩が夕食中に立ち上がる。
「美味しいねー、でも食もいいけど賭けもしないとねー。答えを聞いてから意見を変えるなんてなしだよ?美白が事前に答えを聞いているからねぇ」
そうだ、私はこのメンバーで賭けられている人物は私と美白先輩を含めないで0から5人の中で2人と言った。もう証言は取られている。多分蓮花さんと結美さんとこの空白の時間証言を取っていたんだ。
柳原先生はまたか、といったように美白先輩を見ている。
最初に蓮花さんが口を出した。
「なら私から言いますね、私は光さんとの賭けに美白先輩が敗北する、賭けに勝ってくれると賭けました。ですが光さんは敗北してしまいました。なので私の負けです、さすが美白先輩、リベンジなりませんでしたか」
そうです、第一回目の賭けでは私は負けています。蓮花さんは私に期待を抱いてくれたのでしょうか?それとも美白先輩の口車に乗せられたのでしょうか?確かに蓮花さんと美白先輩はある意味一番二人でいる時間帯が多いので私が強いかのように洗脳して持って行った線は考えられます。私には第二回目の賭けがある。それをこの食堂で言わなければならない。
次に結美さんです。この人もやはり賭けをしていました。
「あたしは賭けていない人物がいるかどうか、いるなら誰か、の質問でしたよね?美白先輩にはちゃんと柳原先生は賭けてないって答えてましたよね?」
「そうだよー、せんせーは最後のお楽しみかなー、次は光ちゃんだねー」
「ちょっと待ちなさい、貴方たち全員賭けしてたの?美白、貴方ねぇ…」
「すみません、先生、私もしてたんです、それに私は二回目なんです…」
「光は何かおかしかったけど美白絡みね」
「私は結美さんと逆のような質問でしたね、賭けた人物は私と美白先輩を合わせず0から5人のうち何人いるか、私は二人と答えました」
「その通りだよー、じゃあ次は友利ちゃん、君は美白と賭けをした?してない?」
「くっ…」
「嘘を吐くのかなぁ?」
「しました…しましたよ…」
三人目、この時点で私は二度も美白先輩に負けたことを意味する。でもなんで、この人は美白先輩を警戒していたはず。警戒していても賭けをした?
「なんで賭けに乗ってくれたのー?」
「あの時は、貴方が殺人犯と明かし賭けに乗らないなら次は竜奈を殺すと言ったから…」
「どうだったー?怖かったのかなぁ?二択しかない一番簡単な問題なんだけどなぁ」
「くっ…」
「友利ちゃんの質問は何だったかな?」
「蓮花さんはこのまま見つかるか、見つからないか」
「君の答えは?」
「見つからないに…」
「本当の答えは?」
「見つかりましたね…」
「敗北ー、今の敗北者は蓮花、光ちゃん、友利ちゃんだねー。結美ちゃんはまだわからないよー」
続いて焔先輩が口を開く。
「あたしは次の被害者は誰?だったわよね?誰よ?」
「君の答えから聞こうかなぁ」
「神崎光よ、ふっ」
この焔先輩は美白先輩が苦手とする人物では?にも関わらず賭けていた?全く臆することなく。
そういえば、次の被害者が神崎光、その事実があればいいんだよ、とも言っていた。つまり焔先輩は美白先輩に勝った。
でも被害者は焔先輩の考え的に6部屋で出たから自らの名前か柳原先生の名前を出すわけでもない、なぜか私。この人も美白先輩と違う意味でよく分からない。
「君の答えが一番近かったよ、でもあの時点で言ったからねー、答えは蓮花なんだよー」
あの時点?確かにどの時点で言ったかによっては被害者が蓮花さんだったり美白先輩だったり変わってくる。
ニヤリと先生に顔を向ける美白先輩。柳原先生は賭けてはないだろう、そうなると結美さんは美白先輩に勝った。
「せんせーは美白と賭けをした?してない?」
「してないわよ…」
「ふーん、じゃあばらしちゃおっかなー?」
「し、したわ…」
「え、先生」
「あの時は仕方なかったのよ、美白よ?何をするかわからないじゃない」
「まあ脅したからねー、そんな子供みたいな体格で美白に勝てると思ってるのかなぁってね、殺人犯って言うだけですごい効力あるねー」
「そうよ…賭けに乗らないと次の被害者を出すなんて言われたら乗るしかないじゃない…最初に殺される人物は、だったわよね。この質問の選択肢、初めからおかしかったのよ、選択肢に蓮花や美白含めた7人といない、の8択。私とは答えてないわ」
「そうだよねー、誰だったかなー?」
「光と答えたわ、何か探ってるような感じがしたから先に始末するために」
「そうだねー、でも答えは?」
「いなかったのね…」
「でもせんせーなら無理矢理美白に勝てる唯一の存在なんだよー?」
「どういうこと?」
「まだ誰も死んでいない、誰かが光ちゃんを殺せば本当に美白に勝ったことになれるよー?」
私は恐怖に震えた。成瀬美白を敗北させるために残された手段、私を殺すこと。
私は自らの担任に殺される恐怖を覚えた。
「いくら貴方が誰にも負けたことのない成瀬美白だからって…そんなこと…」
「美白に勝てば大富豪だ、美白は負けないために光ちゃんを全力で守るけどねー」
敵だった美白先輩が急に一番頼りになる存在となり担任の頼りになる柳原先生が急に怖くなった。立ち位置が逆転した。
「美白先輩が負ける可能性?」
「あの成瀬美白が負ける姿ですか、わたくしを陥れた」
急に美白先輩以外の人が怖くなった。
「美白先輩…」
「大丈夫さ光ちゃん、こっちのほうが盛り上がるからねぇ」
「ふむ、これが成瀬美白のやり方か。4人一気に味方に付けるのね。蓮花と結美だったかしら?なかなか興味深いわ、心配しなくてもあたしもそっち側よ」
焔先輩も敵対してしまいました。
「美白には勝ちたいけどしないわよ…」
私はこの話をきっかけに美白先輩以外信用できなくなってしまった。
「なら君たち敗者6人のリベンジ戦、代表者一人。これで美白に負けたら合わせて5000円、それならできるでしょ?負けたら美白が払わないとねー。美白が賭けた順番を6人の内容と答えを元にで話し合って当てるといいよ。光は二回したから光は一回目の方ねー、いつどこで何時に持ちかけられたか言うのは反則だよー、答えがわかるからねー」
「めんどくさいわね、代表者は先生が出るわ。負けたら先生が支払うからもう勝手な真似しないで」
「それは回答次第かなー、勝手な真似するのはどっちだろうねー」
「私は貴方に勝つために自らの生徒を殺したりしないわよ」
整理してみましょう
神崎光 5つの質問
舞姫友利 蓮花は見つかるか見つからないか
焔竜奈 次の被害者
七宮蓮花 神崎光は成瀬美白勝てるか
桜結美 賭けていない人物はいるかどうか
柳原先生が代表者。私はまだ殺されるのではないかという恐怖のほうが大きい。真剣に6人は考えている中美白先輩は蓮花さんのチキンの盗み食いして全く余裕だ。
「まず光は賭けに勝てるか、蓮花が美白の部屋にいたってことよね?だから第一の質問は知らないけどそれほど簡単そうな質問だった。だから蓮花は光が勝つに賭けた、違う?」
「一つくらい当ててもおかしくない質問でしたね、私も外しましたけど」
「ということは内容を知っている。蓮花は光より後に賭けを持ち掛けられたわけね。さらに竜奈の次の被害者は、って正解が蓮花。だから竜奈が一番だと思ったんだけど」
「上手いねー、このチキン」
「あれ?私のチキンがない。美白先輩!」
「つい手がねー」
「結美の賭けていない人物はいるかどうか、ここから始まったんでしょうね、そして私に回答した。だから最初から私は賭けさせるつもりでいた。私は最後だと思うわ。光と蓮花の質問の先にに友利、となると」
結美 唯一賭けていない人物は柳原だと回答し柳原に賭けをすることを決意
竜奈 答えが蓮花だったためまだ犯行が行われていない
友利 美白被害前、蓮花が消え去った後、挑戦を送り付けた
光 光、蓮花、美白が三人になる機会があった。それは6部屋なら可能
蓮花 6部屋で光の質問を聞いていた。質問の内容的に勝てると踏み賭けに出た。
柳原 最後に必ず賭けさせなくてはならない相手、柳原自身は自分が脅された時刻を知っている
「わかったわ。結美、竜奈、友利、光、蓮花、私の順よ」
「ふーん、なるほどねぇ」
「答えはどうなのよ?」
「光ちゃん、蓮花ちゃん、せんせー、友利ちゃん、竜奈ちゃん、結美ちゃんだよー」
「確証はあるのかしら?」
「全員が嘘を吐いてない限りこの順になるねー」
「説明してほしいわね」
光 蓮花はすでに美白のベッドの下。ゲームスタート
蓮花 会話を聞いていた蓮花。賭けに無理矢理乗せさせる
柳原 光ちゃんと同じく殺人犯と脅し強制的に賭けさせる
友利 せんせー達と同じく殺人犯だと脅し竜奈ちゃんを殺害すると脅す
竜奈 美白の演技後、二人きりの時に賭けに乗らせる
結美 答えは賭けていない人物はいない。光ちゃんの第二の賭けの数十分の間の時に最後の一人に証言と共に賭けさせる
「まあ光ちゃんの第二の賭けは竜奈ちゃんと結美ちゃんの間で起きてたけどねー、友利ちゃんは約束は守らないタイプだね、だから友利ちゃんからあとは急いだよー、言いふらす前に」
「ちょっと待ちなさい、どういうことかしら?竜奈の次の被害者は答えは蓮花よね?」
「そうだよー?だから惜しかったんだよー。美白は光ちゃんとベッドの下にいる蓮花と6部屋で一回戦の質問の答え合わせをしていた。そしてすべての答えに光ちゃんは間違えた。この時点で蓮花は光ちゃんは賭けに勝てるという賭けに敗北しているんだよー。もう蓮花には答えを教えたからねー、光ちゃんが最後の間違った答えを言った後、光ちゃんが負けた事実を知るのは美白と蓮花、負けたらどうなるかわかるよねー?」
「金を支払うとかいうやつね、蓮花の敗北が決まったから実質被害をその時点で蓮花は受けたということね」
「そう、そしてそのあとに光ちゃんは全部間違いだと知って第二の被害者だったねー、竜奈ちゃんは惜しかったよー」
「ふむ、確かに殴られたようなとき、賭けを頼まれたわ。あと光はあたしに妙に頼ってくるところ、何か変だったわ。美白の何かに巻き込まれている。そんな気がしたわ。特に蓮花は美白に懐いてるじゃない。次は近々しい光だと思ってたわ」
「全員敗北だねー、勝つ手立ては一つだけ?どうする」
美白先輩は私を殺させようとしているのかわからないけどその言葉で美白先輩しか頼れなくなってしまった。美白先輩以外が怖い。
「だから殺さないわよ」
「その約束守れるのかなぁ?」
「私は生徒を守る教師よ、一応貴方もね」
「悪趣味ねぇあんた、ま、その気になったらやるわ」
「ありがとー竜奈ちゃん」
「え…」
美白先輩は竜奈ちゃんと謎の会話を繰り広げていて全くついていけない。この人たちとは何か違う次元にいる気がする。
夜、何者かが動き出す。
神崎光を殺せば成瀬美白を超えられる。敗北させられる。絶対に越えて見せる。
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