追放モノを人工知能に書かせてみた

kernel_yu

第1話

勇者「お前はクビだ」

戦士「お前みたいな足手まといは俺たちのパーティにはいらないんだよ!」

僧侶「そうよ! あんたなんかいても邪魔なだけなんだからねっ!!」

魔法使い「……さよなら、もう二度と顔も見たくないわ。さっさと消えてちょうだい」

女賢者「ふんっ、使えない奴め。とっとと出ていけ」

聖騎士「君のような役立たずはいらんのだ。早く荷物をまとめて出ていくがいい」

村人「…………」

―――こうして俺はパーティを追い出されてしまった。

だが俺はまだ諦めない。こんなところで死んでたまるか!! 必ず生きて故郷に帰るんだ!!!


◆ ―――それから一ヶ月後。

俺はなんとか村まで帰り着いた。

しかし村は魔物に滅ぼされていた。生き残りはいないようだ……。


せめて遺品だけでも回収してやろうと思ったのだが、どこを探しても見つからない。

きっとみんな喰われちまったんだろうなぁ……。

ああ畜生、なんでこうなるんだよぉ!? ちくしょう、ちくしょおおおっ!!!……そうだ、まだ諦めるのは早いぞ。


もっと強い仲間を集めればいいじゃないか! そして魔王を倒し、世界を救ってみせる! 待っていてくれよ、父さん母さん、村の皆……。

絶対に仇をとってやるからな!!……でもその前に少しくらい休んでもいいよね? だってあんな目にあったんだもの。

あー疲れたなぁ。今日はこの辺にしておこうかな。

それじゃまた明日頑張るとするか。


◆ ――さらに三年が経過した。

あれからもずっと旅を続けている。いろんな街に行ってみたけど、なかなか良い人材に出会えない。

やっぱり世界を救うなんて無理なのかなぁ……。

うぅん、弱気になってちゃダメだ。

まだまだこれからだよな。よし、次こそは必ず魔王を倒して見せるぜ!……だけどそんな決意とは裏腹に、俺の旅路は常に苦難の連続だった。

ある時は盗賊に襲われ、ある時は山賊に襲われた。ある時は大きなドラゴンが現れ、ある時は巨大なゴーレムが現れた。

そしてある時は、突然空に現れた謎の城に連れ去られそうになったりもした。……どうしてだろう? いつも悪いことばかり起こる気がするんだけど……。

まあいいか。とにかく次はどんな敵が現れるのか楽しみだぜ!


◆ ――五年後。

ついに念願の仲間が見つかった。

名前は『剣聖』というらしい。なんでも伝説の勇者の末裔なのだとか。

すごい人を見つけたものだ。これは期待できるかもしれない。

早速スカウトしてみるとしようか。………………。……………………………………。

どうにも反応が悪い。何か問題があるのだろうか? 聞いてみると彼女は今、恋人を探している最中だというではないか。

しかも相手は人間ではなく、魔族だとか。

確かに問題ありだな。残念だが今回はあきらめよう。……それにしても魔族の男とは一体誰のことなのだろう? まさか人間の女性と恋に落ちたというんじゃないだろうな? もしそうなら許せないことだ。

やはりこの話はなかったことにしてもらおう。


◆ ――十数年後。

ようやく新しい仲間を見つけることができた。

今度は剣士のようだ。

これで前衛ができる人が二人になったわけだから、パーティとしてバランスが良くなったと言えるだろう。……ただ一つ心配なのは彼女の年齢である。

見た目から察すると二十代前半といったところだが、実際はいくつぐらいなのだろうか? 聞くところによると年齢は秘密ということなのでわからないとのことだ。

本人が言いたくないと言っている以上、あまり詮索するのは失礼に当たると思うのだが、どうしても気になってしまう。

そこで俺は思い切って本人に直接尋ねてみることにした。

「あの、つかぬことを伺いますが、あなたは何歳なのですか?」

「……」

「えっと……」

「……十六です」……なんだ、思ったより若いじゃないか。

よかった、これなら大丈夫そうだな。

しかしなぜ教えてくれなかったんだろう? 別に隠すようなことでもないはずだが……。

まあ、いいさ。とりあえず今はパーティに迎え入れることだけを考えよう。


◆ ――更に数十年後。

とうとう最後の仲間を見つけ出すことに成功した。

今まで出会った人たちの中で一番長い付き合いになる。

彼女の名前は『大賢人』と言うらしく、何でも賢者の一族の末裔だということだ。

こんなに優秀な人材を見逃していたなんて我ながら情けない話だと思う。……いや、待てよ。よく考えるとおかしいな。

確か賢者一族というのは数百年前に滅んだはずではなかったか?……まあ、細かいことは気にしないでおこう。

それよりも彼女をスカウトしてパーティに加えるのだ。…………。

あれ、返事がないな? もう一度声をかけてみるか。……。……。……。

駄目だ、まったく反応が無い。

もしかすると寝てるのか? 仕方ない、起こしてやるか。

おい、起きろ。……起きるんだ。……ほら、早く目を覚ますんだよ!!


◆ ――さらに百年後。

俺たちはついに魔王を倒すことに成功した。

長かった……。本当に長く苦しい戦いだったなぁ……。

でもその苦労に見合うだけの報酬を手に入れることが出来た。

まずは俺自身。そして仲間たち。

彼らは皆、素晴らしい力を持っている。

そして何よりも、俺は世界を救った英雄となった。

もう誰も俺のことを役立たずだなんて言わないし、馬鹿にすることもない。……ああ、なんという喜びだろう。

こんな日が来るとは夢にも思わなかった。

これも全て魔王を倒してくれた彼女たちのおかげだなぁ……。

よし決めたぞ。

今日から俺は彼女達を妻に迎えよう。

きっとみんな喜んでくれるに違いない。

そうと決まれば早速準備に取り掛かろう!……ん、どうしたんだ? 急に立ち上がって、どこかに行くつもりなのか? もしかしてお腹でも空いたのか? それならすぐに食事を用意するから少し待つといい。


◆ ――さらに千年後。

ついに世界は平和を取り戻した。

魔物は一匹残らず駆逐され、もはやどこにも存在していない。

そして魔王を倒した俺もまた、皆から称えられるようになった。

勇者様、ありがとうございます! そんな言葉が毎日のように飛び交うようになった。……もちろん悪い気分ではないけれど、正直言って照れくさい。

俺はただ、自分のやりたいようにやっただけだしなぁ。

まあいいか。とにかくこれで、俺はようやく安息の地を手に入れたというわけだ。

これから先、俺には好きな時に好きなことが出来る。

愛する妻と子供たちに囲まれて、いつまでも幸せに暮らすことができるだろう。………………。

――ふと思った。

どうして、こんなことになってしまったのだろうか?…………。………………………………………………。

いかんな、どうも最近物忘れが激しくなってきたようだ。

そろそろボケが始まる頃合いかもしれない。

しっかりしないとな。

さあ、今日は何をしようか?……そうだ、久しぶりに家族旅行に出かけるのもいいかもしれんな。


◆ ――一万年後。

「お父さん、お母さん! 見てみてー!」

娘が元気いっぱいに駆け寄ってくるのが見える。

その姿はとても愛らしい。思わず抱きしめてしまいたい衝動に駆られるほどだ。

だが今は我慢しなければならない。

何故なら、ここは家ではなく外なのだからな。

人目がある場所で子供を抱き上げるのはあまり褒められた行為とは言えないだろうし、そもそも危ないだろう。

だから、あとでたっぷりと可愛がってあげることにしよう。

それまで、もう少しだけ辛抱してくれよな。

「あら、どうかしたの?」

母さんが優しく問いかけると、娘は満面の笑みを浮かべて言った。

「あのね、あのね、向こうで綺麗なお花を見つけたの。それで、どうしても二人に見せたくなって走ってきちゃった」

「そう、それは嬉しいわねぇ。じゃあ、帰りに摘んでいきましょうか」

「うんっ!!」……仲睦まじい夫婦の姿がそこにはあった。

「ねえ、あなた」

「なんだ?」

「私、今とても幸せよ……」

彼女は俺の腕に抱きつきながら言う。

その顔はこれ以上ないくらい幸福感に満ちた表情をしていた。

俺はそんな彼女の頭を撫でてやる。

すると、嬉しかったのか、更に強く腕にしがみついてきた。

「ああ、俺も同じ気持ちだよ。……君が側にいてくれるだけで、俺はそれだけで幸せなんだ」

彼女の笑顔を見て、改めて思う。……本当に、俺はなんて幸運な男なのだろうと。

この世界に生まれてきてよかったと心の底から思える瞬間だった。…………。………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。……………………………………………………………………………………………………………………………………。………………………………………………。…………。……。…………。………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。……あれ? おかしい。

何か大切なことを思い出せそうな気がするのだが……。……駄目だ、何も思い出せない。まあ、いいか。

それよりも、早く家に帰って彼女とイチャイチャしたい。……そのためにも早く帰らないとな。


◆ ――二千年後。

俺たちはついに魔王を倒すことに成功した。

長かった……。本当に長く苦しい戦いだったなぁ……。

でもその苦労に見合うだけの報酬を手に入れることが出来た。

まずは俺自身。そして仲間たち。

彼らは皆、素晴らしい力を持っている。

そして何よりも、俺は世界を救った英雄となった。

もう誰も俺のことを役立たずだなんて言わないし、馬鹿にすることもない。……ああ、なんという喜びだろう。

こんな日が来るとは夢にも思わなかった。

それもこれも、全て魔王を倒してくれた彼女たちのおかげだなぁ……。

よし決めたぞ。

今日から俺は彼女達を妻に迎えよう。きっとみんな喜んでくれるに違いない。

そうと決まれば早速準備に取り掛かろう!……ん、どうしたんだ? 急に立ち上がって、どこかに行くつもりなのか? もしかしてお腹でも空いたのか? それならすぐに食事を用意するから少し待つといい。


◆ ――さらに千年後。

ついに世界は平和を取り戻した。

魔物は一匹残らず駆逐され、もはやどこにも存在していない。

そして魔王を倒した俺もまた、皆から称えられるようになった。

勇者様、ありがとうございます! そんな言葉が毎日のように飛び交うようになった。……もちろん悪い気分ではないけれど、正直言って照れくさい。

俺はただ、自分のやりたいようにやっただけだしなぁ。……まあいいか。とにかくこれで、俺はようやく安息の地を手に入れたというわけだ。これから先、俺には好きな時に好きなことが出来る。愛する妻と子供たちに囲まれて、いつまでも幸せに暮らすことができるだろう。………………………………………………………………………………………………。………………。…………。…………。……………………………………………………………………………………。…………。…………。…………。……え? いや、ちょっと待ってくれないか?……どうして、こんなことになってしまったのだろうか? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして?どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして?どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして?どうして?……………………。


……ああ、そうか。そういうことだったのか。……やっと理解できたよ。……最初から、こうなることは決まっていたということなんだな。……だから、俺はこの世界に転生したんだな。……全てはこのために。……そのためだけに。……俺は、俺は、俺は、俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺俺は俺は俺は俺は俺は俺は俺俺は俺は俺は俺は俺は………………………………………………………………………………………………………………………………。……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。………………………………。…………………………。………………。


……ああ、本当に酷い話だ。……こんなのってないよなぁ……?……なあ、そうだろ?

「……………………?」

「どうしたんですか、あなた?」

「いや、何でもない」

不思議そうな顔をする妻に笑いかけながら、彼は思う。…………………………………………………………………………。

この世界はなんて残酷なんだろう、と。


◆ ――二千年後。

俺たちはついに魔王を倒すことに成功した。

長かった……。本当に長く苦しい戦いだったなぁ……。でもその苦労に見合うだけの報酬を手に入れることが出来た。

まずは俺自身。そして仲間たち。

彼らは皆、素晴らしい力を持っている。

そして何よりも、俺は世界を救った英雄となった。

もう誰も俺のことを役立たずだなんて言わないし、馬鹿にすることもない。……ああ、なんという喜びだろう。

こんな日が来るとは夢にも思わなかった。

それもこれも、全て魔王を倒してくれた彼女たちのおかげだなぁ……。

よし決めたぞ。今日から俺は彼女達を妻に迎えよう。きっとみんな喜んでくれるに違いない。そうと決まれば早速準備に取り掛かろう!……ん? どうしたんだ? 急に立ち上がって、どこかに行くつもりなのか? もしかしてお腹でも空いたのか? それならすぐに食事を用意するから少し待つといい。


◆――さらに二千年後。

ついに世界は平和を取り戻した。

魔物は一匹残らず駆逐され、もはやどこにも存在していない。

そして魔王を倒した彼もまた、皆から称えられるようになった。

勇者様、ありがとうございます! そんな言葉が毎日のように飛び交うようになった。もちろん悪い気分ではないけれど、正直言って照れくさい。

僕はただ、自分のやりたいようにやっただけだしなぁ。……まあいいか。とにかくこれで、僕はようやく安息の地を手に入れたというわけだ。これから先、僕には好きな時に好きなことが出来る。愛する妻と子供たちに囲まれて、いつまでも幸せに暮らすことができるだろう。………………。……。……。……。………………。……。……。……。……。……。……え? いや、ちょっと待ってくれないか?……どうして、こんなことになってしまったのだろうか? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして? どうして?どうして?どうして?どうして?なぜ?どうして?どうして?どうして?どうして?何故? どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?

「……!」

「どうしたんですか、あなた?」

「いや、何でもない」

不思議そうな顔でこちらを見つめる妻に笑いかけながら、彼は思う。……ああ、本当に酷い話だ。……こんなのってないよなぁ……。………………。…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。……俺は一体どうなったら正解になるんだよ……?

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