150 焼き芋むかしばなし

 こんにちは。


 このエッセイをどうしようかなぁと思案しています。

 続けるのは続けようと思っているのですが、年明けから仕切り直すかどうか。

 読む人も、トピックが多すぎるとウンザリするだろうし、スクロールも邪魔くさいし。

 

 どうするかなぁ~

 

 単純なことなのですが。

 大みそかにここを完結させて、新年から新しいエッセイを始めればいい。

 ただそれだけなのですが一抹の不安がよぎるのです。一応ここもいつも読みに来てくださる優しい方がいらっしゃるので、ブックマークとかの関係もあり……新しくしたとして、引き続き読みに来てくださるだろうかという……


 メイシアを1と2に分ける時もものすごく悩んでアンケートまで取ったのだけれど。

 結果的にメイシアは2で全く別の舞台へ行ってしまったので、良い区切りだったのかな?とは思っていますが、読者が付いてきたかというと……謎です。

 頑張って稼いだPVなんかもリセットされるし、合算もそれず。昔の話が埋もれて行ってしまう。

 私の場合人気作家でもないので、そこまで完結ゴールドラッシュは関係ないし。書き手目線だと、そのまま続けた方が良いようにも思うのです。


 でもまぁ私の性格から言って、きっと分けてしまうのでしょう。

 だって読み手の事を考えるとそっちの方が敷居も低くなるし。

 同じようにiらんどの方で連載しているフォトエッセイも仕切り直すでしょう。

 新年は新しい気持ちで、まっさらな状態から!ですね。


 ……プライベートというかリアルな日常では、色々あってそんな清々しい気分で新年は迎えられそうにはないですが(汗)



 ところで。

 焼き芋ブームですね。(突然)

 私も昔から大好きです。


 何年か前に関西ローカルの有名番組・探偵ナイトスクープで、昔食べたお芋が食べたいという依頼で、戦後だったかなぁ?に食べた美味しいお芋の品種を探して食べるというが有ったのですが、結局のところ見つかったのだけれど、その時代はおいしく感じたのだけれど今となっては、もっと美味しい品種が出来ていて。依頼の芋はたしか、鳴門金時だった気がするのだけれど……今や普通の、というのは少し違うかもしれないけれど、珍しくないお芋で。食べてみたけれど、もっと美味しい品種が今あるよね、という終わり方だった。

 いや鳴門金時を食べて終わったけれど、鳴門金時の前の品種だったかもしれない。指のように細いお芋で。もう作られなくなった芋だったかも。


 あんまり覚えていないのだけれど、その時代は感動するほどおいしく感じて、何年もたった後でもう一度食べたいと思うほど鮮烈に記憶に残る味だったんだなぁと、私はその事に感動したのです。

 楽にたくさん作れる美味しい品種が生まれてしまうと、すぐに前の品種は作られなくなそうで、現在は紅はるかやシルクスイート、安納芋なんかが主流なんでしょうね。


 私が学生時代、私が住んでいる地域に伝説の焼き芋屋さんが有りました。

 私の母や伯母も、多分祖母も知っていたと思うので、もうずいぶん長い間営まれていたお店だと思います。建物も年季入っていたし。

 

 頑固そうなおじさんがビルとビルの間の、気を付けていないと見過ごすような、そんな小さな敷地で営業をされていていました。

 営業日はおいしい芋がある時だけ。

 だから私が学生の頃は、もう店主さんはお爺さんだったのだけれど「おいしい芋が手に入らない」と言ってほとんど店を閉めていた。

 開いている時は本当に奇跡で。今芋を仕込んだばかりだと言われても、焼き上がるまで寒い中並んで待っていたりした。

 

 大きくて立派な、スーパーでは見かけない様なお芋ばかりで、そういうお芋がなかなか手に入らないとおじさんは愚痴をこぼしていた。

 そんな立派なお芋だから、学生にはすごい高級品。量り売りで小さいのくださいと言っても結構高かった。

 財布が寂しくなるのだけれど、お店が開いている時に出くわすことも本当に奇跡だったからやせ我慢をして買って帰った。

 たくさん買うと、黄緑色のプラスチックのカゴに入れてくれるのだけれど、お小遣い制の貧乏学生。そんな大人買はもちろんムリで、新聞紙にくるんでビニール袋。


 今思うと、紅はるかくらい甘くておいしかった。

 焼きたてより冷めて、翌日くらいの方が美味しいとおじさんに言われて、素直にそうやって食べたものが羊羹かな?ってくらいねっちりして甘かった。

 浅草で芋羊羹を初めて食べた時、あのお店の焼き芋だ!と思ったくらいだ。

 あのおじさんは、すごい目利きでプライドをもって営業をされていたんだろうなぁと、今だからより一層分かると言うか。


 「もう店をやめる」という話も聞いた時も、年齢の事やこの場所が無くなるという話と共に、芋が手に入らないから仕方がないと言っていた。相当品質を下げたくなかったんだろうなぁ。

 数年でその場所は、お店を挟んでいたビルごと改築されて新しくマンションに変わってしまった。

 今は焼き芋屋さんが有ったという事すら、どこにも面影はない。


 紅はるかなんて品種が無かったあの時代、安納芋も出回っていなかったあの時代。

 あの時代に、蜜が滴るような甘い石焼き芋を食べさせてくれたあのお店、懐かしいなぁと思うのです。

 あのおじさん、今の時代だったら毎日お店が開けられたかもしれないなぁ。

 今だったら、時代の最先端のお店。

 もうご存命では……無いと思いますが。パイオニアの一人ですよ!


 あと数年もしたら、今主流のさつまいもよりももっと甘くておいしいお芋が出てくるんでしょうか。

 過去と未来を焼き芋で思う日が来るなんてなぁ。


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