135 エンドレスエイト

 こんにちは。


 夜になってストーブに火を入れました。

 寒い……去年ってこの時期、こんなに寒かっただろうか。

 このストーブは去年の年末に買った。

 私のストーブはカセットコンロのストーブなのだけれど、風が出ないのに暖かいのでとても重宝している。(風が嫌い)

 けれど、なかなか手に入らない種類のものに一目ぼれをしてしまったために、大変な目に遭ったのだ。


 まず少ない販売個数に食い込むために、いろんなところを検索して待ちに待ってやっと手に入れた……のだけれど、それが不良品だった。

 注文して入手するまでに数週間(一カ月以上)を要していたにもかかわらず、そこから返品して新しいものが届くまでにプラスの時間が必要で、しかもそれが年始を挟んでしまったため、年末年始は非常に寒い思いをしたのだ……


 年末年始は働かなくてもいいと思うよ?私も。

 でも自社の製品が不良品で、しかも出荷までにものすごく待たせたのちの不備だから、そこは対応してよ……と恨み節を誰も出勤していないだろう空っぽの会社に言っても仕方がない事で。


 今季初めて出して点火をしてみて、なんか調子が悪いようにも思わなくもないのだけれど、それもこのストーブのクセなんだろうと諦めます。

 まぁ、暖かいのは暖かいし。


 こんなに寒いのに作業しながら、某アニメの8月の後半を三百年近く繰り返すお話を見ていた。

 アニメ史に残るサブタイトル、エンドレスエイト。

 私がこのアニメを見たのは、二年前だろうか?

 ずいぶん遅いのだけれど、初回はちゃんと全部通して見た。

 エンドレスエイトを知らない方に説明をしておくと、主人公がやり残した事があるからと夏休みの最後の二週間を無自覚でループしてしまうというお話なのだけれど、それをほぼ同じ内容で8回も放送したのだ。2カ月……正気の沙汰じゃない。

 少しずつ言葉の順序や衣装や場所の違い、あと演者の方々のあれこれの工夫とかお遊びとか……そういう細かな違いは演出されているのだけれど、基本的に一緒。

 初回、この8回繰り返すという伝説を私は知らなかったのでデータが壊れたのかな?と思った。(サブスクで見ている)

 前にも書いたように、私は繰り返し同じものを見るという習性があるのだけれど、そんな私でも8回1セットを見れたのは初回と次の1回だけだった。それからは、とりあえず飛ばしてみている。

 今日は飛ばすのが邪魔くさくて、そのまま見ていたのだ。

 

 もうそろそろ8回目?と思ってもまだ8回に達していない、の繰り返し。


 ほんと作中では、これを10,000回以上繰り返していたかと思うと、私たちは8回で済んで本当に良かったと、変な感情が沸いてくる。

 8回って8月に掛けられた回数なのかもしれないけれど、本当によくできた数字です。

 通してみてみると良くわかる絶妙な回数。


 私はリアルタイム組ではないので、この原作が世の中に出てきた経緯とか、放送時のオタクたちの反応とかは全く知らないのだけれど、その時間を私も共有したかったなぁ。


 エンドレスエイトと銘打っているので8回で終わると予測できても、常識的にもっと早く切り上げるだろうという願いのような思いと、もしかしたら、エイトは8月の意味でしたという念押しの為9回目があるかもしれないという不思議な不安。

 そういうのを共有したかったなぁって。


 この8回のほぼ内容が同じという異常な現象を乗り越えたから、この後のお話に重みが出て来る。

 だってキャラクター達が体験した事の断片を視聴者(原作の場合は読者)は経験しているから。

 放送事故のような異常な状態だけれど、これが無かったら今後の話が成立しない。

 簡単に「これを8回も繰り返しました」で終わらせることは、物語の作り方として簡単なことなのだけれど。不自由さと実感というものは大切なんだなぁと思う……けれど、おいそれとやり方を参考にすることは出来ない事例です。


 飛ばして見ていた時は、たしかに頼りなかったんです。なんか物足りない。

 お話を知っているから、それでいい事なんだけど。

 それを例えるなら、「テーマパークにて並ばないで乗れたアトラクションは物足りない」のそれです。

 ストレスフリーなんだけれど、いい事尽くめなんだけれど、なんか違う。醍醐味を削ってしまった。そんな感じ。


 不思議なものだなぁ。

 いつも思う。

 ホーンテッドマンションはめちゃくちゃ並んで乗るから、楽しいんですよねぇ。

 待っている時間も、あれも込みで一つのアトラクション。

 ぐぐぐっとストレスがかかるからこその開放というか。


 ほんと、人の心理って不思議だなぁと思う。

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