56 カンヅメ
こんにちは。
作家の友達が現在、ホテルで自己隔離のカンヅメをしているらしい。
カンヅメは仕事が捗っていいよ~と、教えてくれた。
現在はあれやこれやの事情でホテルの宿泊費も安いし。
良いなぁ~、と思う。心底。羨ましい。
確かに、外で物書きをするのって捗るんですよね。
私もコロナ以前は、カフェやファミレスや、フードコートでやっていました。
何ていうのか、環境音が良いんですかね。
絶対自分に対して発されていない音というか。ごちゃ混ぜのつかみどころのない音。
つかみどころが無いから、なぜだか聞こえないし、聞こえる。
聞こえる時は、不思議にその雑音の中から色んな声やセリフやアイデアが浮き上がってくるのです。
だから、カフェなんかでどんなに聞こえないように頑張っても心に刺さってしまうような声のボーカルが流れてきてしまうと、もうダメ。
好きとか嫌いとか、知っているとか知らないにかかわらず。
飲み物の注文時、サイズの呼び方が難しくて、慣れないとドギマギしてしまうフラぺ的なコーヒー屋さんも、かかっている音楽がジャズ中心なのだけど、ボーカルもので特にエラフィッツ・ジェラルドなんかがかかると、がんがん耳に届いてしまって、絶対書けない(笑)
エラの声が好きなのもあるけれど、周波数が何にも埋もれない声をしているんだろうなと思う。
昨日のエッセイに登場したタローさんが、某売れっ子の声優さんに曲を提供して録音した時、どんなに大きな音を上から重ねても声が埋もれなくて、声優という職業の人は、そういう事なのか、と納得したという話をしてくれた。
声優という仕事をしていなければ、もしかしたら障害になりかねない位の、特殊な周波数を出す声帯。
もちろん「声で演技ができる人」というのが最大の条件なんだけれど、その中で売れっ子になるとか、ずっと活躍し続けることができるというのは、そういう所に秘密があるのかもしれない。
きっとエラの声もそういう性質があるんだと思う。
歌が上手くて、ジャズというジャンルにマッチしたお手本のようなハスキーな声。というだけでは無く、埋もれないで人の耳に届く。
作業するBGMには適さないのだけれど(笑)
でも、それは「音楽」としては本当は正しいと思う。
カラオケが文化として根付く前は、音楽というのは、正座をして「さぁ聞くぞ!」という心持で聞くくらいの感じがあったと思う。
いろんな世代が同じ曲を共有して、ジャンルの垣根も低くて。
でも、昭和の後期から平成で、売れる音楽=歌える音楽 と =聞き流せる音楽 の二分化した気がする。
もちろん、違う音楽はいっぱいありますよ。でも、それは細分化したから。
マイノリティの人たちが、愛でるジャンルが出来たというか。
ディスクを買って正座をして、聞くのはアニメオタクくらいだと言われる時代になってしまった。
街でなんか聞いた事があるけど……、サビは聞き覚えがあるけど……、あれ?いつ位に流行った曲だっけ?
矛盾しているけれど、それくらい街に流れていて邪魔にならない曲が売れているという事になるのです。
だから好みの問題も大きいと思うけれど、ネットなどでポッと名前が売れた人って、その曲はいいなぁと思うけれど、ずっと聞いていると「声」が飽きるなぁ……と思ったり。いつ聞いても声や流れてくる感情が一緒というか。
この人の曲を他に何曲も、は……別にいいかな?と。
まぁ、私の好みの問題ですが。
そうそう。ホテルカンヅメの話でした。
私もしたいけれど出来ない理由は、一つは私の物書きではお金を生み出せないからというのが一つありますが、一番は飼っているインコですねぇ。
私はコザクラインコを飼っているのですが。
メイシアに出て来るメリーはコザクラインコがモデルです。
ラブバード。中型インコなので、セキセイインコよりも少し大きくて、ずんぐりむっくりのインコです。
ちょっと前まで三羽いたのですが、一羽が突然死をしてしまったのです。(最大で同時に六羽いてました)
その一羽(♂)は、残りの二羽(♂と♀)の両方とペアになっていたプレイボーイだったので(本当はこんなことはあり得ないです。ペアの相手は一羽と決まっている。特殊な例です)残された二羽は、相方がいなくなってしまった状態でした。
また、その残された二羽が仲がめちゃくちゃ悪いのです。男の子と女の子なのに。
コザクラインコは、愛情を注いでいた者がいなくなると、体調を崩します。最悪、寂しくて命をお指します。
私の家で繁殖したインコを伯母さんに里子に出して以降、伯母さんもコザクラインコを飼っていたのだけれど、伯母さんが亡くなってから元気だったインコが追う様に亡くなりました。
ウチの子もペアが亡くなった後、すごく元気がなくなって、憔悴しきっているのが手に取るように分かった。
ぼーっとしているし、羽はみるみる艶が無くなってボサボサになって、すごく痩せて。
自分のケージの場所もわからなくなるほどでした。
それを救うには、愛情を私にすり替えるしか無くて、二羽にベタベタに愛情を注いだので、今は私にべったり。
放鳥していても、ずっと私の手のひらで捏ねられながら寝ています。
だから、已むに已まれないお出かけ以外は傍にいてあげないと、無駄にストレスを与えてしまうので……
もう二羽ともかなりの高齢なのでね、
男の子の方はたぶん十七歳だと思う。
のっぴきならない外泊(南十字星を見に行くとか)だったら、説明をしまくって行ってくるのだけれど……ちょっと自分のわがままだけで家を空けることができないなぁと。
なので私はコツコツと、環境音が欲しい……と思いながら、今日も一人、作業部屋のアイロン台の上で(笑)キーボードを叩いているのです。
なかなかヤバい環境でしょ?んふ。
早く、昼間にカフェやフードコートに行けるようになってほしいなぁ。
そういたら、昼間にちょっと使わせてもらうのになぁ。
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