54 膨大な孤独の生み出したもの

 こんにちは。


 昨日はメイシアを更新したんだけれど、ミスって最終稿で無いものをアップしてしまっていて、気が付くのが遅くなってしまったので、かなり読まれてしまった後だったという……かなり凹んでいます。


 まぁ、仕方がない。

 次から間違えないようにしよう……(泣きたい)


 日々、私はコレ(小説)を書き続けて意味があるのか? 更新を待ってくれている人なんているのか? 読みたい人がいるのか?と自問自答しています。

 いつも、いつでも、もう止めるかどうかの瀬戸際で、シーソーしながら書いている。


 だって、書いても待ってくれている人がいないから。締め切りもないし。

 続けるも止めるも私の自由。


 一応、最大一週間以上は空けないで更新しようとは思っているんですけどね。

 誰に急かされることもないのだけれど。


 なかなかに……、

 これはいろんな分野のアマチュアに対して共通すると思いますが、かなり孤独です。


 書いたものを出版社に持ち込むしかなかった時代はもっとも孤独だったんでしょうね。

 書き上げて、それを持ち込むまでの間、何もないわけですから。

 ゼロになる可能性の方が高い。


 そう思うと、多少なりとも投げたものに対するレスポンスがある今の時代の方が、孤独は薄らいでいるのかもしれませんが、人通りの多い往来で声を上げても誰も振り向いてくれないときは、砂漠やジャングルや洞窟の中で、ひとり執筆をするよりも孤独なものです。


 どちらも辛いって事ですね、結局。


 物語の作家以外にも、絵画だって、写真だって、音楽だって、陶芸だって、クラフトだって、コンテストに出したり個展を開くまで、自分が素晴らしいと信じて生み出しているものが正解かどうか分からない。


 この夏に、私はガラス作家さんのピアスを買ったのですが……個展はコロナ禍でお邪魔できなくて残念だったのだけれど、通販でほしいものを入手できて。

 その時に「かわいい!すてき!」とSNSで発信したら、その作家さんから反応があった。

 日の目を見るまで自分ではかわいいと思って作っているけれど、本当にそうなのかずっと不安だったのが救われました、と。本当にそうだよなぁと。


 まぁ、私は洋裁系やアクサセリー系の作家でもあるので、作ったものを、もし気に入ってもらっていたとしても、こっそり黙っていられるというのは辛いという事を知っているから発信をした。

 ちゃんと届いて良かったな、と思っている。それだけで作り手は救われるから。


 作家さんの作品を買ったら、ちゃんと何かしらの形で買いましたよー!使っていますよー!気に入ってますよー!というのを公開してあげてください。

 本当に作家は繊細な生き物です。

 何かプレゼントが当たった時も。喜んでもらう事と同じくらい、拡散してもらう事も大切なプレゼントをした要因だから。

 作家の宣伝じゃなくて、嬉しかったという気持ちを拡散してほしいのだ。


 私が購入したピアスは紫陽花のピアスだった。

 もちろん紫陽花は大好き。玄関の花を紫陽花からスタートしたくらいだから。

 その作家さんの作風も大好き。財布がホクホクなら、全種類コンプリートしたいくらい。


 でも、私から金木犀も好きなので、作ってもらえませんか?とは言わない。


 この前クリエーターの友達とクリエーターは気軽に頼まれてしまう問題を話していた。


 本当に、これは結構深刻だと思う。


 注文を受けている場合は良いんだけれど、そうでない場合は、絶対にしてはいけない。


 昔フエルト作家をしていた時も、(鳥の形のバッグを作って販売していたのだけれど……現在、私があの頃作っていたのと同じようなバッグを見かけて、微妙な気持ちになる。自然発生的に生まれたのかもしれないけど……。まぁ、その分野から離れたからね。特許も取ってるわけじゃないしさ。)今まで作ったことのない注文を入れてくる人がいた。

 もちろん注文を受けていたわけではない。作ったものをオークションで販売していただけ。

 (その頃、素人がネットで販売する方法はオークションくらいしかなかった)

 ウクレレのケースを頼まれた時は本当に参った。


 あのナイスバディのS字カーブ……厚み……そして、ファスナー……


 熱心に頼まれるので、私も押されてしまい、仕方なく了承して作った。


 それはそれは大変でした……

 作らない人は、形が変わるだけでしょ?と思うかもしれないけれど、全く違うのだ。


 分厚いビニールシートで型紙を作りそれを芯にして羊毛を固めていく。水で固めるので、それだけの容器と場所が必要。

 私が使っていた餅用のコンテナでは狭すぎた。なので、お風呂で風邪をひきながら作った。(冬だったしね……フエルトが売れるの冬だし)


 大工をしているからと言って、誰でも神社が建てられるものじゃないし。

 版画をしているからと言って、立体彫刻はすぐにできない。

 絵がうまいからと言って、アニメは作れない。

 料理が上手だからと言って、撮影に耐えられる見栄えのいい料理が出来るわけじゃない。

 専門の和菓子職人に、洋菓子を作ってと言っても、すぐには無理だ。


 断ったところで、何でできるのに、お礼もすると言っているのに何でしてくれないの?となるから、断りにくい。


 でも道具も違えば、材料も違えば、必要な知識も熟練度も違う。材料の入手先も変わって来るから開拓からしなくてはいけない。

 失敗もする。材料も無駄にする。その為の時間や、作品の見た目だけでは分からない色んな事があるのだ。

 

 私も現在漫画家の友達に、まだデビューしていなかった時代。一度だけ、私の出すCDのパッケージを描いてほしいとお願いをした。

 あの時も、めちゃくちゃ悩んだけど、快諾してくれて本当に感謝している。


 でも、あの一回きりだなぁ。

 絵が描ける人に絵を頼むのは、もう友達じゃなくなっていいと思った時かもしれない。

 先に描いてもいいよ、と言ってくれたら話は別だけどね。でも、そんな都合のいい事は願わない。

 それくらいに思っている。

 

 絵が描ける人は、お祝いごとだからと結婚式のウエルカムボードを頼まれたり、本当に大変だろうなぁと思う。

 これまた断りにくいもんなぁ。

 なんで描けるのに描いてくれないの?と。簡単でいいのに、と。

 いやいや、人前に出すからには、自分の中で下回ってはいけないレベルがある。簡単にとはいかないのだ。


 しかもカラーになるだろうし、絵が上手くてもカラーが上手いとは限らないし。

 絵が描けることと似顔絵が描けることは別。似顔絵は絵の悪口だし(笑)


 そこに到達するまでの膨大な、下積みの期間や、作業をしている時間以外に、仕事以外の事で縛っている、どこかずっと引っかかっている心に対してリスペクトや報酬が無いというか。


 ちょちょいのちょいで終わる事ではない。


 

 本当に、周りにクリエーターがいる方は、気を付けた方が良いと思います。

 その簡単に搾取しようとしている技術は、膨大な失敗と孤独の上に日の目を見た技術なんだって事。



 あー、私はいつになったらメイシアを完結できるのかなぁ。

 最近集中力が無くて、なかなか筆が進まないんですよねぇ。


 秋は読書の秋と言うけれど、執筆の秋になればいいなぁ。

 ……でも、きっと食欲の秋になることは必至ですね、はぁ。


  *** *** ***


思い出した……私、友達にたまたま居合わせた時に風鈴に絵を描いてもらったわ……

本当に申し訳ない事をしたなぁ。

もう五、六年前だろうか……


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る