45 マイルド怪談3<家で>
こんにちは。
私は長年、いろんな人の撮ったいろんな写真を見る機会があったので、心霊写真は信じていません。
たぶん、全国の写真関係の仕事をしている人も同じように思っていると思います。
私の修学旅行の時の写真も、確か……摩周湖で撮った写真だったかな?は手が多いかなんかの写真だったと思うのだけれど、あれも、レンズとか光の関係なんでしょうね。
だって、あーーーーんなに写真を見たのに、心霊写真なんて一枚も無かった。
絶対に存在しないとは言いませんが、大体、怨念が……とか言われている赤いのは、光被りです。
まぁフイルムの時代の話ですが。
フイルムは、光によって像を写し込むので、適量以上の光が当たってしまうと赤くなって、それ以上行くとネガフィルムが黒くなります。
たぶん、カメラ内に光が入る隙間があったり、蓋を開けてしまっていたり、又は、これはほとんどない事ですが現像機の不具合でしょう。
デジタルになると、どうしてもデジタルデータは英数の羅列なので、ミスは起こりやすいので。
データが壊れることもありますし。
それに、デジタルに捉えられる霊ってのもなんか……、え?本気で言ってます?となるので(笑)
何度も言いますが、無いとは言いませんよ。
でも、そんな現代落語みたいな話、なかなか信ぴょう性がもてないです。
という事で、今日の話は心霊写真の話ではないです。(なんや念)
いや、すぐに終わってしまうくらい小ネタな話なもので……。
「ひぃちゃん、つれづれ」でも、書いたのですが、一時期、痴ほうの祖母と同居していました。
とってもかわいい呆け方をしていたおばあちゃん。
祖母は、母方の祖母で、同市内にある母の実家を引き払って私の家にやってきました。
なので祖母が受け継いでいるお仏壇も一緒に。
呆けていたので、時々朝にお仏壇を開けたりお水を代えたりするのも忘れていたりもしていましたが、最後までちゃんと手を合わせていたお仏壇です。
小さいころは、「おいど向けたらあかん!」とかよく怒られました。おいどとはお尻の事です。
祖母が入院をして……、何やかんやがあって(詳しくは、ひぃずれの「身近な人の死と向き合う事」を読んでください)祖母が息を引き取り、「おばあちゃん、お帰り。」と言えたのは、お骨になってからでした。
本当は葬儀場に運ぶ前に一度家に帰らせてあげたかったのですが、これもどこかに書いたように、うちの玄関は二階にあり、狭い階段には祖母様に昇降機も付いているので階段はとても狭く、御棺を運び入れることは現実的ではありませんでした。
兎にも角にも、祖母は帰ってきました。
もちろん四十九日が過ぎるまではお仏壇を閉じて、仏前に祭壇を設けて喪に服しました。
祖母の部屋は二階です。
その他の家族の寝室は三階。
なので宵っ張りの私が最後寝室へ行くと二階は誰もいなくなるのです。
なのに深夜に、祖母の部屋のドアは空きっぱなしなのにも関わらず、引き戸が開く音がするのです。閉まる音もする。
祖母は毎晩、夜中お手洗いに行っていたので、まだお手洗いに行ったりしていたのだと思います。
もしかしたら、リビングに誰かいないのか確認していたのかもしれない。
それが四十九日も過ぎて、頻繁に聞こえていたドアの開閉の音は頻度が少なくなり、お仏壇を母の兄のところへと移動させた後は全くなくなってしまいました。
きっとお仏壇と一緒に向こうお宅へと行ってしまったのかな?と。
間違えて、長年住んでいたあの家に帰ってやしないとかと心配にはなってしまいますが。
(電車から家の前が見えるので、いつもおばあちゃんいるかな?と見てしまう)
確実にドアの音は聞こえていたので、あぁ、こういう不思議なことってあるんだなぁって実感したんです。
不思議に怖いとは思いませんでしたが、会いに二階に降りてしまうと、祖母がもうこの家で生活が出来ないと出て来てくれなくなる気がして、それは出来ませんでした。
最後まで自由に、したいように、気が済むまで居続けてほしかったから。
信じるか、信じないかは……(笑)
でもこれが、私が経験した本当の話。私の中では本当の事。
今、私が作業部屋として使わせてもらっているのはその祖母の部屋。
おばあちゃん、ありがとう。
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