43 マイルド怪談1<駅で>

 こんにちは。


 私の住んでいる辺りでは昨日くらいからやっと夏らしさが戻ってきました。


 前に全然熱帯夜が無いと書いた翌々日から三日くらい、水枕をつかいましたが、それ以降全く使っていなかったのですが(それどころか冬用の布団で寝ていた)一昨日から、水枕を使っとくか……と、夏を惜しむように使っています。


 という事で、やっと夏らしいので、私が見たかもしれない話……

 平たく言うと、晩夏の怪談でもしましょうかね。


 といっても怖くないですよ。

 怖い目に遭っていないから(笑)見たかも?です。マイルドです。

 霊感無いから判断できないんですよねぇ。


 まず最初は高校生の時……かなぁ。


 友達と用事があって途中下車した駅で、お手洗いに行ったんです。


 そのお手洗いは、改札から入って駅長室というか、駅員さんが常駐しているスペースを超えたら、すぐ左に通路があり、そこを曲がると通路右手に、手前に男性用、奥に女性用があるお手洗いです。

 お手洗いの入り口に扉は無く、入ったらすぐに手洗い場になっている。奥に個室が三つほどだったかな?そのような普通のお手洗い。

 

 通路から入って、右壁に大きな鏡がありその下がシンクになっています。

 私は壁だけの方に待たれかかるような感じで、立って友達を待っていたのです。


 なので、鏡に向かい合う形で左に出入り口。通路がある。


 私は友達が出てくるのを待ってずっと同じ場所で立っていたのですが、左手にある通路を急に人が通ったんです。

 

 ギョッとしました。

 だって、気配無かったし。


 しかも、こんなマダムいるの?ってくらいの格好をしたマダムでした。

 古き良き時代の映画でしか見ない様な。

 それもギョッとした要因の一つ。


 詳しく形容すると、まず、裕福を絵にかいたような丸いおば様で、ヒョウ柄の毛皮だったか……、毛皮じゃないにしても、アールヌーボー時代の絵に出てきそうな、フワフワのお召し物。

 どうして、そこがはっきりしないかというと、もっと印象深いものがあったから。

 それが帽子。

 色はブラウン・ベージュ系だけれど、クジャクのような羽がふんだんに使われたゴージャス極まりないお帽子。


 そんな人が、通路を、私から見て奥に歩いて行ったのだ。


 私から見て奥は、入ってきた通路の反対側なので、まだ見たことが無い。

 

 だから、「どこのお金持ちなんだろう。派手な人だなぁ……、駅長室に用事?(駅長室のドアが向こうにあると思っている)それか、この奥が駅の売店の入り口とかあるのかな?でも、あんな派手な人が売店でバイト?あっちにも改札あったっけ?」

 とか色々考えているうちに、友達がお手洗いから出て来て手を洗った。


 私は「今、めちゃくちゃ派手な、こーーーんな羽根飾りをつけた、おばさんが通って……」と話しながら、そっちの通路を覗いたら……、行き止まりだったんです。


 そりゃそうですよね、そのために手前が男性用のお手洗い、奥が女性用のお手洗いにしているのだから……


 あとで思ったから、脳が操作した記憶かも知れないけれど、よくよく考えると、私がギョッとしたのも訳があって。

 私は友達を待っている間、鏡と向かい合わせだったので、見るつもりが無くても鏡が視界に入っていたのですが、通路も少し画角に入っていたのに、通路に急におばさんが現れたから、ギョッとしたのです。

 (鏡には映ってなかった)


 今でも、あのフサフサのお帽子は忘れられない……、から絶対見ているんですよねぇ……


 でも、行き止まりだったんです。


 あのおばさんは何だったんだろう……

 怖い感じはしなかった。

 なんていうか、雀の女王様、みたいな(笑)


 そこは神社のある駅なんだけど、なんか関係あるのかなぁ?と思ったり、でも、神さまはあんなフワフワつけてるなぁ?と思ったり。

 神社の神使なんだろうなぁ……


 

 別の、私が見たかも?のお話は明日しますね。



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