十二日目・第5~8試合

第五試合

ムガル朝 vs ロマノフ朝

実況「ロマノフ朝は一回戦同様、三人出してきたのに一人で済ませたいと言っていますので人数決定です」


司馬遷「せこいというか何というか」


実況「17-15でムガル朝が勝利しましたので、三人です。ムガル朝はバーブル、バイラム・ハーン、ジャハーンギールが出てきました」


ハルドゥーン「完全本気モードなら最後がアクバルなのだろうけれど、ここは温存してしまったね」


バーブル「隙あり!」


実況「おおっと! 開始直後にいきなりバーブル隊が奇襲をしかけました! ポチョムキン隊、いきなり被害を受けて後退しています」


ポチョムキン「すみません…。油断していました」


ピョートル1世「ふぬー!」


兵士「う、うわぁぁぁ!」


実況「あーっと! ポチョムキン隊が後退した話を聞いて、ピョートル大帝がキレてしまいました! 持前の怪力で兵士の首を捻じ曲げてしまっています!」


クトゥーゾフ「大変だ! 何とかしないと!」


ポチョムキン「でも、どうやって!?」


クトゥーゾフ「皇后様は観客席にいるし」


エカチェリーナ1世「ちょっとあんた! 人様の迷惑なことするんじゃないよ! ごめんねぇ、ここからだとあの人に届かないね」


実況「唯一止められるエカチェリーナさんは観客席ですのでどうすることもできません。ちなみにこんなセリフですが、エカチェリーナさんはピョートル大帝より12歳年下です。ピョートル大帝、更に暴れまわっています! このままではムガル軍と戦う前にロマノフ軍を壊滅させてしまいそうです!」


ハルドゥーン「何とも恐ろしい癇癪だ…。うん?」


バイラム・ハーン「こんなチャンスを逃すはずがないだろう」


ハルドゥーン「ですよねー」


実況「バイラム・ハーン軍が攻撃開始! 敗退寸前から一瞬のスキをついて勝利に持ち込んだ名将なだけに、あれだけ相手軍が混乱している時間を見過ごすはずがありません!」


クトゥーゾフ・ポチョムキン「ひぇー!」


ヘロドトス「ロマノフ軍が壊滅してしまった」


ジャハーンギール「あれはどうする?」


バイラム・ハーン、暴れまわるピョートルを見る。


バイラム・ハーン「あれは、放っておこう」


実況「何だか訳の分からない間にムガル朝が勝利しました! 全然デリーの話になりませんでしたが、まあいいでしょう」

○ムガル朝 (14-15-19) vs ロマノフ朝 (4-3-13)×

ムガル朝、三回戦進出



第六試合

秦・楚 vs チャクリー朝

実況「秦・楚からは項羽です! 項籍が出てきました! 字が一字だけなのでややこしいです」


司馬遷「ここで項羽を使ってくるとは…。てっきり桓騎でも使ってくるのかと思ったが」


ヘロドトス「あれはキングダムだけの話だ。実際にワンマンで滅茶苦茶強いというと項羽だ。鴻門の逸話からすれば伯父でも良かったかもしれないが」


実況「チャクリー朝からはプラヤー・ピチャイです! この人はチャクリー朝ではなく、直前のトンブリー朝の人なのですが、ラーマ1世と同僚だった時期もあり、タイの威信のためにもということで出てきました!」


司馬遷「相手を斬りまくって折れた剣で戦い続けたことから、プラヤー・ピチャイ・ダプ・ハックという綽名もある。『折れた剣の男』みたいな感じかね。とにかく強い男だが、一方で忠義にも厚く、タークシン王がラーマ1世に処刑されると『二君には仕えない』と自ら死刑を志願したと言われている」


ハルドゥーン「項羽も個人としては中国史最強クラスのイメージがあるが、プラヤー・ピチャイもタイ最強クラス。一応中国に敬意を表するが、ハンデは1でいいのではないか?」


実況「それではハンデ1で、対戦スタートです!」


ヘロドトス「むう!? 全くの互角!」


実況「サイコロは18-19! ハンデ混みで互角です!」


司馬遷「白熱していただけのことはある」


実況「振り直しの結果は8-4! 楚・秦、ギリギリで勝利です!」

○秦・楚 (18-8) vs チャクリー朝 (19-4)×



第七試合

鎌倉 vs ヴァチカン

実況「鎌倉軍は大宰府に城郭を築き、ヴァチカンを迎え撃つ体制です。その中での人数決定、鎌倉は3人、ヴァチカンは1人希望で、サイコロの結果は3-10。1人となりました」


ハルドゥーン「ヴァチカンはそんなに司令官がいないからね」


実況「ヴァチカンからはチェーザレ・ボルジアです! 毒殺などのオカルトでもよく騒がれますが、チェーザレが名将であることは疑いありません!」


司馬遷「ヴァチカンが誇る名将だな」


実況「一方の鎌倉時代は北条時宗です! 源義経かと思われましたが、防戦なら時宗の方が上という評価のようです!」


ハルドゥーン「この評価は間違いないと思う。実際に九州で元寇の守備にあたっていた人の方が上かもしれないという見方もあるが、全体としては北条時宗だろう」


実況「さて、ボルジア軍が到着しましたが、チェーザレ、攻めあぐねています」


司馬遷「武士が徹底して矢を飛ばしてくるから厳しいな」


チェーザレ・ボルジア「話し合いをしようではないか」


実況「おっと、チェーザレ・ボルジア、話し合いを要求していますが」


北条時宗「話し合いだと! 使者ごと斬ってしまえ!」


実況「全く取りつくシマがありません」


チェーザレ・ボルジア「ちっ、毒殺しようと思ったのに」


ハルドゥーン「さすがボルジア。殺伐としている」


実況「しかし、とにかく鎌倉軍は専守防衛で徹底しています」


ヘロドトス「教皇軍はガチの戦いは苦手だから苦戦しているな」


実況「どんどん時間が過ぎ去っていきますね」


チェーザレ・ボルジア「くそっ! イタリアだったら戦闘目標を変えたりして兵士の士気をつなげるが、今回は変えられない!」


司馬遷「確かに打開できないままずっと時間が過ぎると、兵士の戦意も下がりより悪循環になる」


一か月経過


実況「はい、そこまで! 教皇軍、打開の道を見つけられず。判定は四人とも鎌倉に上がりました! モンゴルを跳ね返した鎌倉軍、さすがの強さです!」

○鎌倉 (7) vs ヴァチカン (6)×

鎌倉、三回戦進出



第八試合

ルーマニア vs サアド朝

実況「ルーマニアからはシフラのテオドラが出てきました。いわゆる聖女です」


司馬遷「聖女って言っても行いがどうというだけで学術どうこうというわけではないのだがな…」


実況「一方のサアド朝からはサイーダ・アル・ハウラです! 16世紀にモロッコ北部で活動していた海賊です!」


ハルドゥーン「何で文なのに海賊が出てくるんだ…」


実況「どちらも学術的エピソードには乏しいので互角と言うことで判定します」


一時間経過


ヘロドトス「おおっ、17-17で互角!」


司馬遷「エピソードに乏しい人のところで無駄に盛り上がるのも厳しい」


実況「振りなおしは2-1! 何ともしょぼい結果ですが、ルーマニアが勝ちました! 作者の我儘で登場したルーマニア、何と三回戦進出です!」


ヘロドトス「登録したのは我儘だが、サイコロの目には忖度はないぞ」


ハルドゥーン「人もいないから、勝ち進まれると困るし」

○ルーマニア (17-2) vs サアド朝 (17-1)×

ルーマニア、三回戦進出

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る