十二日目・第1~4試合

第一試合

モンゴル vs オーストリア帝国

実況「モンゴルは今回も三人希望、一方のオーストリア帝国は一人です」


司馬遷「オーストリアはできれば数で押し切りたいところだが、モンゴルも人数は出してくるからかえって不利になるかもしれない。一発勝負に賭けた方がいいということなのだろうな。1-20とかなら勝つし」


実況「9-3でモンゴルが勝ちました」


ハルドゥーン「そううまくはいかなかった」


実況「オーストリアからはレイモンド・モンテクッコリ、プリンツ・オイゲン、ルートヴィヒ・アンドレーアス・フォン・ケーフェンヒュラーの三人が出てきました!」


ヘロドトス「この三人でも十分だろう」


実況「一方のモンゴルですが、ムカリ、ジェベ、クビライです! クビライは四狗の方です」


司馬遷「モンゴルも今回は格上げしてきたな」


実況「スタートしました。まず、オーストリア軍が軍議を開いています」


プリンツ・オイゲン「騎兵隊の接戦に持ち込むことができれば勝機はある」


ハルドゥーン「確かにそうだろうけれど、問題はモンゴルがその手に乗ってくるかどうかだ」


ムカリ「いいか、者共。無理に出撃する必要はない。相手はこの地のことをよく知らないはずだから待っていればいい。また、相手の中でも降伏した者は殺さずに丁重にもてなすように」


司馬遷「さすがムカリ。チンギス・ハーン最大の功臣だけあって落ち着いている」


ハンガリー兵「くそっ! このまま待っていてもやられるだけだ!」


実況「あーっと! これは何ということでしょう! 開始早々、モンテクッコリ配下のハンガリー兵が暴発してしまった!」


ジェベ「チャンス!」


実況「モンゴル軍、安全なところからひたすら長距離射撃で大打撃を与えました! 慎重に行きたいオーストリア軍、出だしで躓いてしまった!」


ケーフェンヒュラー「くっ、このような不利な局面で戦うのは本意ではないが…」


実況「やむを得ず救護に向かうケーフェンヒュラー隊だが、そこにクビライ隊が回り込んできている! ここまでは完全にモンゴルが上手です!」


プリンツ・オイゲン「…くそっ! 見渡しのいい平原だから何とかなると思っていたら」


ムカリ「モンゴル平原やゴビ砂漠を舐めてもらっては困る。どこまでも続くゆえに、蜃気楼なども見えたりする」


プリンツ・オイゲン「むむぅ…」


ムカリ「ちなみに蜃気楼を利用して、お前の背後を取った」


プリンツ・オイゲン「何っ!?」


ムカリ「…ということはないが、もうモンゴルの勝ちは動かない」


プリンツ・オイゲン「…撤退だ!」


実況「オーストリア軍、撤退していきました! モンゴル軍、強豪オーストリア帝国もまるで寄せ付けず勝利。三回戦進出です!」

○モンゴル (10-14-16) vs オーストリア帝国 (2-10-6)×

モンゴル、三回戦進出



第二試合

デーン人withフランク王国 vs アクスム王国

実況「デーン人withフランク王国からはブルンヒルドです! 分裂したフランク王国の一部を支配していた怖い女性です」


ブルンヒルド「歯向かう者は死刑だよ!」


ヘロドトス「怖い。やりすぎて憎悪を買いすぎて、最後は馬に引きずられて死んだというあたりも怖い」


司馬遷「二回戦はやばい女性が結構出て来ているよな」


実況「しかし、こちらはもっと恐ろしいかもしれません。アクスム王国からはグディットです! 王国を滅ぼして40年間支配し、歯向かう者はことごとく殺したという人です。半分くらい伝説なのでどこまで本当かは分かりませんが」


ハルドゥーン「敵対国であって、アクスム所属ではないと考えることもできる。ただ、支配したという見方もできるし評価が難しい」


司馬遷「どちらも強いが、殺伐度ではグディットが上か。ハンデ1かな」


実況「12-11! ハンデを合わせて互角です! 振りなおしは8-12。アクスム王国が勝ちました!」


司馬遷「ううむ。フランクも女傑だと思ったが、まさかそれ以上が出てくるとは思わなかったな」


グディット「勝利! 敗者を神にささげよ!」


実況「うわああ! だから、会場外で殺傷行為は厳禁です!」

デーン人withフランク王国 (12-8) vs アクスム王国 (11-12)

アクスム王国、三回戦進出



第三試合

アイユーヴ朝 vs カネム・ボルヌ帝国

実況「さて、アイユーヴ朝とカネム・ボルヌ帝国の料理合戦です」


ハルドゥーン「チャドは牧畜が盛んだから、カネム・ボルヌ帝国は肉が多い」


司馬遷「本当だ。やたらとレバーが出てくるな」


実況「アイユーヴ朝の料理はマムルーク朝でも紹介しましたので省略します。エジプト料理です」


サラディン「我々は客人にビールを出すことはいとわないよ」


ヘロドトス「どちらも素晴らしい味だったが、若干アイユーヴ朝が上だったな」

○アイユーヴ朝 (18) vs カネム・ボルヌ帝国 (16)×

アイユーヴ朝、三回戦進出



第四試合

大航海時代 vs マジャパヒト王国

実況「マジャパヒト王国は一人希望です。一方の大航海時代、考えております」


司馬遷「どちらかというと質より量の嫌いはあるが…」


実況「三人希望を出してきたので、人数決定戦です。12-3。大航海時代の勝利です」


ハルドゥーン「マジャパヒト王国は知れた人がいないから大変だ」


実況「そんな中でガジャ・マダ、ラダン・ヴィジャヤ、ジャヤナガラが出てきました。もう残っているのはハヤム・ウルクくらいしかいません。多分」


司馬遷「多分というのは、作者に調べきる気力がないからというのがあるな。マジャパヒト王国は何だかんだでモンゴルともやりあっているし、探せばもっと強いのがいそうだが…」


実況「一方の大航海時代、ヴァスコ・ダ・ガマ、フェルディナント・マゼラン、ミゲル・ロペス・デ・レガスピです」


ヘロドトス「防衛戦の経験があるのはガマだけではないか?」


実況「残りの人も現地住民とトラブルになって、防衛戦くらいしていたのではないかと思います。彼らはトラブルに慣れていますからね」


司馬遷「そんなのばっかりだな」


ミゲル・ロペス・デ・レガスピ「げげっ! 何だ、あの船は!?」


実況「防衛地はフィリピンということになりましたが、開始早々、大航海時代軍、びびっているようです」


司馬遷「14世紀くらいなら、船舶技術は東の方が上だったからな。鄭和の大艦隊ほどではないにしても、マジャパヒト王国軍も相当な船舶を有していたはずだ」


ハルドゥーン「しかも地方豪族とかと違って兵力も多くて、規律も高い」


フェルディナント・マゼラン「勝てるわけがない」


実況「前衛にいたレガスピとマゼラン軍、早くも及び腰! マジャパヒト軍の猛攻を浴びております!」


ヘロドトス「突破した!」


ガジャ・マダ「ヒンドゥーに感謝を!」


実況「マジャパヒト軍、いよいよフィリピンの城塞に迫るが、大航海時代も簡単には諦めない! ヴァスコ・ダ・ガマが根性で耐えています!」


ヴァスコ・ダ・ガマ「我々は現地と対立して、籠城するのにも慣れっこだ。やけっぱち爆薬でも食らえ!」


ジャヤナガラ「うわー!」


実況「おおっと、ガマ隊の爆薬にジャヤナガラ王が負傷してしまいました!」


医師「これはいけませんな。すぐ手術しましょう。おや、失敗してしまいました」


ジャヤナガラ「ぐわー!」


ハルドゥーン「手術が失敗して死んでしまった!」


ガジャ・マダ「何てことをするんだ!」


医師「いや、だって、宰相閣下が…うわー!」


実況「これは!? もしかして、自分に邪魔な王を排除しようという宰相ガジャ・マダの陰謀? 対戦中にそんなことをしていていいのでしょうか」


ヘロドトス「だが、全体としてはマジャパヒト軍が優勢のままだ」


ガジャ・マダ「ヴァスコ・ダ・ガマよ。そろそろご飯もなくなってきただろう?」


ヴァスコ・ダ・ガマ「ぬううう。参った、降参だ」


実況「大航海時代、諦めて開城しました! 紆余曲折ありましたが、マジャパヒト王国の勝利です!」

×大航海時代 (4-3-15) vs マジャパヒト王国 (10-9-4)○

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