十日目・第1~4試合
第一試合
デンマーク王国 vs ヴィジャヤナガル王国
実況「両国とも三人ということで合意しました」
ヘロドトス「三人か。思い切って来たな」
実況「デンマークからはハンス・クリスティアン・アンデルセン、ハンス・クリスティアン・エルステッド、ティコ・ブラーエが登場です!」
ヘロドトス「世界中で知られた童話作家に、電磁気の発見者、更には天文台を初めて作った人物だな」
ハルドゥーン「ブラーエについてはデンマーク王が資金を出して天文台を設立したあたりもアピールしたいんだろうね」
実況「一方のヴィジャヤナガル王国ですが、ヒンドゥー教の哲学者からヴャサティルサ、プランダラ・ダーサ、女流詩人のモッラです!」
司馬遷「ヒンドゥー哲学は基本的にはインド国内限定だし、学派についても正直作者のさっぱり分からんところではあるが、人口的な比率から行くと相当なものにはなるしなぁ。更に学術で普通に女性が出てくるというのも中々面白い」
実況「毎度そうなのですが、学術については中々展開が難しいので、判定勝負となりますが、どうでしょう、ハンデ的にはどうなるか」
ハルドゥーン「ヒンドゥーだから、というわけではないのだけれど普遍的な事柄が多いという点でデンマークに4くらいのハンデかな」
一時間後
実況「サイコロはヴィジャヤナガル王国が圧勝! ヴィジャヤナガル王国、三回戦進出です!」
ヘロドトス「これは強い。真面目に強くて勝ち進んでいる」
×デンマーク王国 (3-2-2) vs ヴィジャヤナガル王国 (6-5-12)○
ヴィジャヤナガル王国、三回戦進出
※注意! この試合には残酷・猟奇的な表現が使用されています
第二試合
実況「ナポレオン帝国時代からはシャルロット・コルデーが出てきました! 革命直後のジャコバン派時代にマラーを暗殺してギロチンに消えた女性です。ちなみにサムライスピリッツのシャルロットさんのモデルです」
ヘロドトス「テロリストが堂々と代表になるのもフランス革命時代ならではという感じだな。何といっても、あの巨大な甲冑に、レイピア回しといったら」
実況「それはゲームの中だけですから。一方のバルト帝国からはグスタフ・アドルフの妻マリア・エレオノーラです!」
ハルドゥーン「ほう。意外な人選だ…、とは言っても、バルト帝国も強い女性というのは特にいないか」
シャルロット・コルデー「申し訳ないが、革命の遂行のため、貴殿には死んでもらう! あれ、真っ暗になった」
実況「確かに、突然会場が真っ暗になりました」
シャルロット・コルデー「あと、何か変な臭いがするんだけど…」
司馬遷「確かに…、何か気持ちの悪い臭いがするな」
マリア・エレオノーラ「ウフフフフ」
シャルロット・コルデー「な、何だ?」
マリア・エレオノーラ「グスタフ様、グスタフ様、グスタフ様、グスタフ様、グスタフ様、グスタフ様、グスタフ様、グスタフ様、グスタフ様、グスタフ様」
シャルロット・コルデー「な、なんだこいつは!?」
実況「これは!? マリア・エレオノーラ、真っ暗な部屋に亡き夫の遺体を置き、心臓をハンカチに包んで恍惚とした様子で眺めています! あまりにも恐ろしい情景ですが、本当の話です!」
ヘロドトス「遺体を取り上げられると墓を破壊して取り戻そうとしたらしいからな」
ハルドゥーン「しかも娘も付き合わせようとしていたというからね」
実況「これは最強決定戦です! 最凶決定戦ではありません! ですが、この相手に立ち向かうのは怖いです! 並の女傑には太刀打ちできる展開ではありません」
シャルロット・コルデー「た、助けてくれー!」
実況「シャルロット・コルデー、助けを求めはじめました。これは厳しい! あ、ですが、精神攻撃としては最悪ですが、強い逸話があるわけではないので、お互いハンデはなしということでお願いいたします」
シャルロット・コルデー「…え、そうなの?」
実況「サイコロはお互い跳ねまして、19-18! バルト帝国の勝利です!」
シャルロット・コルデー「近寄りたくないわー!」
実況「…ですよねー」
アクセル・オクセンシェルナ「王妃様、おめでとうございます。早く次の試合会場に行きましょう」
マリア・エレオノーラ「宰相、何を言っているの? 私は永遠にここでグスタフ様を祭るのよ」
ハルドゥーン「何だかややこしいことになっているけれど、見なかったことにしよう」
グスタフ・アドルフ「私はこの先も死んだ扱いなのか…?」
○バルト帝国 (19) VS ナポレオン帝国 (18)×
バルト帝国、三回戦進出
第三試合
ドイツ帝国 vs マラータ同盟
実況「ドイツ帝国、選定に悩んでいます。レッドバロンことマンフレート・リヒトフォーヘンを出したいと希望していますが、さすがに第一次大戦の人を認めるわけにはいきません」
ヘロドトス「近代国家は中々個人の武勇を必要としないからなぁ。大英帝国が崩れるとしたらここかもしれない」
実況「一方、マラータ同盟はプラタプラオ・グジャールです。とにかく勇猛果敢なことで知られた人です」
ヴィルヘルム1世「個人のエピソードでは辛いので、やはり軍人としての評価を加味してもらえんだろうか?」
実況「どうしましょうか?」
司馬遷「現実問題、この先も苦労するかもしれないし、一割引きくらいで評価してもいいかもしれん」
実況「ということで、成立しました。作者も一々個人の強いエピソードを探すのは大変だと言っています。ですので、こちらは直接対戦ではなく、数人の部隊を率いてどれだけのモブ敵を撃滅できるかという形にすることにしました。もちろん、一人で戦う従来通りの強い人にはボーナスがあります」
司馬遷「そうしたらドイツが途端に三人出したいと言い出してきた」
ハルドゥーン「マラータは嫌だと言ってきた」
実況「1-10でマラータが勝ちましたので一人です。ドイツ帝国はアルブレヒト・フォン・ローンを出してきました」
ヘロドトス「ふむ、モルトケと同格だな」
実況「マラータ同盟は、バージー・ラーオが出てきました」
ヘロドトス「こちらは真打を出してきたな」
実況「シヴァージーの方が有名ですが、作者が個人的にインド最強と目している人ですからね」
司馬遷「ということで、モブキャラ兵の軍団を何人倒せるかということで」
バージー・ラーオ「撃てえ!」
実況「おおっと! バージー・ラーオ隊、銃撃でモブ兵をどんどん減らしています」
ハルドゥーン「かなり減らしたね」
フォン・ローン「ククク」
司馬遷「だが、ドイツは余裕のようだ」
実況「続きまして、ドイツですが、うん?」
モブ兵「うわぁ…。苦しい…」
実況「何ということでしょう! 毒ガスです! 毒ガスを散布してモブ兵を倒しています」
ヴィルヘルム2世「第一次大戦に出た奴はダメだろうが、やったことまで禁止とはないからな」
実況「た、確かに…。これはいくら何でもどうなのだと思いますが、20世紀の人はダメだけど、やり方がダメというルールはありません! ですので、ドイツのやり方はルールの範囲内です!」
ハルドゥーン「銃は射程範囲があるけど、ガスは風向きによっていくらでも届く…」
実況「作者が作ったルールの抜け道をくぐったドイツ帝国、瞬く間にマラータの数を超えてしまった!」
司馬遷「こればかりはどうしようもない」
実況「ドイツ帝国の勝利です! 作者が慌ててルールに20世紀の武器・技術の使用もダメと書き足していますが、時すでに遅しです!」
○ドイツ帝国 (15) vs マラータ同盟 (3)×
ドイツ帝国、三回戦進出
第四試合
サファヴィー朝 vs アメリカ合衆国
実況「おなじみ人数対決。アメリカは三人、サファヴィー朝は一人です」
司馬遷「3-13でアメリカが勝ったから三人ずつだ」
ヘロドトス「アメリカもサファヴィー朝も考えているな」
ハルドゥーン「昨日、清が温存したらボロ負けしてしまった様子を見ているからね。全力でここを取りに行くか、次戦以降も考えるか」
ベンジャミン・フランクリン「ゴニョゴニョ…」
ジョージ・ワシントン「そうするか…」
実況「決まったようです。まずアメリカ合衆国ですが、おおっと、ロバート・E・リー、ストーンウォール・ジャクソン、リチャード・テイラーという三人です。アメリカ合衆国ではなく、アメリカ連合国からの選出です」
ヘロドトス「実は、アメリカ連合国も一国家として参加させる考えもあるはあったのだが、5年間だけというのは短いかなということでなしになった」
ハルドゥーン「ロバート・リーとストーンウォール・ジャクソンは十分本気メンバーと言っていいだろう。どこかの大英帝国みたいに、適当に当時の提督を三人選びましたというのとはわけが違う」
実況「意図的にゴードンとかキッチナーとか外しましたからねぇ。まあ、相手がサファヴィー朝だと大英帝国もそんなことはできなかったでしょうけれど」
司馬遷「サファヴィー朝の人選は?」
実況「サファヴィー朝は全力モードです。シャー・イスマーイール、シャー・タハマースブ、シャー・アッバース1世の3人です」
シャー・イスマーイール「イラン代表としてアメリカに負けるわけにはいかん!」
実況「あれ、しかし、サファヴィー朝はアゼルバイジャン系だという話も…」
シャー・イスマーイール「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
ハルドゥーン「ロバート・シャーリーの可能性もあったが違ったか」
実況「アメリカ側にロバート・リーがいるので作者が間違えそうなので」
司馬遷「ありうるな…」
実況「さて、スタートです。攻城戦ということで、まずはアメリカ連合軍、周辺の統合を図りますが」
シャー・イスマーイール「アメリカなどに屈してはならん!」
S・ジャクソン「うまくいきません。あいつら、『アメリカは敵だ』とぬかしています」
実況「やはり反米主義が強すぎてうまくいかないようです」
R・リー「この時代は関係ないんじゃないのかね…?」
住民「チラッ、チラッ」
実況「しかし、住民の中にはチラチラ視線を送るものもいます」
R・リー「何だ?」
S・ジャクソン「協力してほしければ金をよこせということでは?」
R・リー「むううう」
実況「リー将軍、さすがに高潔な人格で評価されただけあって買収や賄賂には抵抗があるようです。しかし」
R・リー「勝利のためだ、仕方ない」
ハルドゥーン「買収しているね」
住民「北の軍勢はクジルバシュがほとんどだから、銃でなら勝てるよ」
実況「有益な情報を得たようです。本当にRPGのノリです」
ヘロドトス「北を進むテイラーの軍はそんなことなど関係ない具合に進んでいるな」
シャー・タハマースブ「まずは一丁、あっちの軍を叩きに行くか」
実況「おっと、シャー・タハマースブの部隊がう回してテイラーの軍を狙うようです。クジルバシュ隊がほとんどだけあって、機動力はさすがだ」
司馬遷「アッバース時代は銃砲が凄いが、そこまでは騎兵が多いからな」
ヘロドトス「機動力で後背を突けばいいのだが」
クジルバシュ「うりゃー! 我々は神と共にあり!」
実況「そういうことを考えない正面突撃が彼らのウリですからねぇ」
R・テイラー「撃てぇ!」
ハルドゥーン「これは…強い!」
ヘロドトス「というより、相手が自殺行為のような状態だ」
シャー・タハマースブ「いかん! 下がれ! 下がれ!」
実況「シャー・タハマースブの奇襲は失敗してしまいました。奇襲にすらなっていませんでしたが」
司馬遷「ともあれ、北から城門を攻撃しているぞ」
シャー・アッバース「全く。我が先祖は頼りない」
実況「シャー・アッバースが城内から巧みな砲撃! これはテイラー、苦労しそう」
R・テイラー「おのれぇぇぇ」
S・ジャクソン「そこは任せろ!」
実況「オーッと、急遽かけつけたジャクソン隊が堅固な陣形で砲撃を受ける。さすがストーンウォールです!」
ヘロドトス「その間にアメリカ軍が城門にたどり着いた!」
R・リー「撃てぇ!」
実況「至近距離からの一斉砲撃! タブリーズの城門がたちまち崩れました!」
シャー・アッバース「な、何てことだ。退却! 退却!」
ハルドゥーン「被害が大きくなる前に退却したか。さすがにシャー・アッバースは判断がいい。脳筋の先祖に足を引っ張られた形になってしまったか」
ヘロドトス「うむ。サイコロの目がかなり開いてしまったからな」
実況「昨日のイタリア-清戦もですが、サイコロが拮抗すると勝敗判定に迷うところがありますが、偏り過ぎるとそれはそれで大変です」
×サファヴィー朝 (6-6-19) vs アメリカ合衆国 (13-18-19)○
アメリカ合衆国、三回戦進出
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