二回戦・結果
九日目 第1~4試合
第一試合
アケメネス朝 vs エジプト古王国
実況「さて、二回戦第一試合ですが、今回もアケメネス朝が一人、エジプト古王国は三人と希望人数に差があります」
ヘロドトス「エジプト、そんなにいたかな?」
ハルドゥーン「数だけはいるからね。アケメネス朝への嫌がらせもあるんだろう」
実況「11-3でアケメネス朝が勝ちましたので一人ずつです」
トトメス3世「美しく戦いたい、空に太陽がある限り。不思議少女ナイルなトトメス。華麗に見参!」
司馬遷「いや、どこからどう見ても少女じゃないし。何の茶番だ」
実況「作者がトトメスの情報を漁っているうちに、『不思議少女 ナイルなトトメス』という昔の特撮番組を見つけてしまいましたので」
ヘロドトス「しかし、エジプトからメソポタミアを支配していたというのは中々凄い」
トトメス3世「ハッハッハ。そんなたいしたことではあるんだけどね。もっと褒めてくれ」
ダレイオス1世「御託はいいから、早く戦場を決めてもらえんかね?」
実況「一方のアケメネス朝からも真打ち・ダレイオス1世が出てきました! 古代オリエントの最強クラスの対決です」
ハルドゥーン「ダレイオスはすごい君主だけど、最強クラスと言えるかな?」
ヘロドトス「近年の研究ではアケメネス家というのはダレイオスの家系で、キュロスとカンビュセスの家系とは別系統であるとも言われている。実質、カンビュセス2世の死後に帝国を乗っ取ったわけで、その過程でかなりの戦いを勝ち抜けてきたのではないかと思われるな」
トトメス3世「それでは、僕が占領したアレッポを戦場としよう」
実況「ということで、戦場はアレッポとなりました。50mほどの高さにある丘の上に城塞があります。ここにアケメネス軍がやってきました」
司馬遷「むぅ。さすがにダレイオス大王だけのことはある。20万人ほどの兵士がズラズラと並んでやってきた」
ハルドゥーン「モンゴルとマムルークがアイン・ジャールートで雌雄を決した時は、両軍合わせて4万程度だったことを考えるとその数の凄さが分かる」
実況「…エジプト軍も15000くらいですが大丈夫なのでしょうか?」
トトメス3世「何なんだよ、その大軍? ズルいぞ!」
ダレイオス1世「そんなこと言われても…」
実況「アケメネス兵、兵を半分ずつ分けました。一方が土嚢を作っています。もう一方がそれを防御しながら進み、どんどん城壁に積み上げています」
ハルドゥーン「このままだと三日もあれば土嚢の階段が出来そうだ」
トトメス3世「おにょれ! 奴は何者だ?」
ダレイオス1世「いや、ダレイオス1世だが」
実況「戦況が不利なせいか、トトメス3世、パニクッています! これはまずい!」
トトメス3世「おまえ達には任せておけん! 私、自らが出る!」
司馬遷「へっ?」
ヘロドトス「まだエジプト兵達は何もしていないような…」
実況「トトメス3世、悪化する戦況を何とかしようと自ら打ってでました! あっ、しかし、さすがに自ら出てくるだけあって強い!」
ダレイオス1世「数で押しつぶせ!」
実況「アケメネス兵、損害は出ていますが、兵士の数は圧倒的に勝っています! 退路を断って、後は疲れるのを待つだけです」
トトメス3世「ぜー、ぜー。もう無理―」
ヘロドトス「戦場で倒れたぞ。敵総大将を捕まえてアケメネス朝の勝利だ」
実況「アケメネス朝! 圧倒的な戦力で相手を自暴自棄に走らせました、見事な勝利です!」
ダレイオス1世「相手が自滅しただけのような…」
司馬遷「だってサイコロが1だからな」
実況「1回戦のスーリヤヴァルマンもでしたが、期待した人が1を出した時のガッカリ感は半端ないですね」
○アケメネス朝 (15) vs エジプト古王国 (1)×
アケメネス朝、三回戦進出
第二試合
ローマ帝国 vs 東漢
実況「東漢からは光武帝が出てきました」
アウグストゥス「この勝負、三本勝負にしてはどうだろうか?」
実況「おっと、ローマ帝国、三本勝負にしたいという要求です」
司馬遷「これだけの強豪同士の対決。一発勝負が怖いのは分かる」
ハルドゥーン「でも、増やしてもあっさり感は同じ気もするけれども…」
光武帝「良かろう。受けて立とう」
実況「両国が合意したので、三本勝負で行うことにします。まず、一戦目は」
班超「虎穴に入らずんば虎子を得ず!」
司馬遷「西域最強クラスの班超に」
ユリアヌス「異端の教えなど認めるわけにはいかん」
ヘロドトス「背教者ユリアヌスだ」
二人「最初はグー! ジャンケン、ポン!」
班超:グー
ユリアヌス:グー
二人「ポン!」
班超:グー
ユリアヌス:パー
ユリアヌス「ガリラヤ人よ、我は勝てり!」
実況「まず、ローマ帝国が一勝です! 東漢、後がなくなりましたが二戦目は…」
延岑「男児当に死中に生を求むべし! このような状態こそ、我が望むところ」
司馬遷「おおっ! 延岑だ! おまえ、一度も光武帝サイドにいなかったのではないかという突っ込みをしたくはなるが、この局面がこれほど似合う奴はいない!」
コンスタンティヌス1世「見える! この印があれば共に勝てると神が導いてくれている!」
実況「ローマ帝国はコンスタンティヌス大帝です! ローマに新しい教えを導くことができるのか?」
二人「最初はグー! ジャンケン、ポン!」
延岑:グー
コンスタンティヌス:チョキ
司馬遷「二戦目は東漢が取った!」
ヘロドトス「三戦目まで来たぞ!」
光武帝「柔よく剛を制す。なるようになるものだろう」
アウグストゥス「よくなされることは、全て迅速に行われる」
実況「三戦目は両国とも創始者が出てきました。さあ、どうなるでしょうか!」
二人「最初はグー、ジャンケン、ポン!」
光武帝:チョキ
アウグストゥス:パー
班超「勝ったぁぁぁ!」
延岑「死中に活があった!」
アウグストゥス「ウァルスよ! 余のグーを返せ!」
ヘロドトス「取ってない、取ってない」
アウグストゥス「フッ。私が自らの役をうまく終えたと思ったら、拍手を送ってくれ」
実況「うーん…」
光武帝「いやぁ、こんなにプレッシャーのかかるのは昆陽の戦い以来かもしれん」
実況「ともあれ、三戦対決を制した東漢、三回戦進出です!」
東漢、三回戦進出
第三試合
カペー・ブルボン朝 vs クシャーナ朝
実況「ブルボン朝は三人を要求していますが、クシャーナ朝は一人です。ということで、人数決定ですが11-19でクシャーナ朝が勝ちました」
ヘロドトス「カペー・ブルボン朝からはルネ・デカルトだ!」
ルネ・デカルト「我思う。故に我あり」
実況「一方、クシャーナ朝からはアシュヴァゴーシャです!」
アシュヴァゴーシャ「仏の教えを芸術的観点から捉えたいと考えております…」
司馬遷「これは難しそうな対決だ。知名度で行くとデカルトが上だが…」
ハルドゥーン「アシュヴァゴーシャの事績も無視できるものではない」
実況「作者に、この二人の世界観を語らせる能力はありませんので演説などは省略いたします。ハンデはデカルトに2ということで…」
二時間経過。
実況「判定は18-17! ハンデ抜きでブルボン・カペー朝の勝利です!」
司馬遷「素晴らしい勝負だった」
ハルドゥーン「何だかとてもいいことを聞いたような気がしたよ。明日になれば忘れていそうだけど」
実況「そういうものですよねー」
○カペー・ブルボン朝 (18) vs クシャーナ朝 (17)
カペー・ブルボン朝、三回戦進出
第四試合
プトレマイオス朝 vs サラセン帝国
実況「クレオパトラ7世がチラシを配っています。スポーツ紙の一面みたいな感じですね。『美しすぎる女王が勝つ』…」
ヘロドトス「美しすぎる~って意外とそうじゃないことも多い気がするが」
実況「ひとまず話を進めましょう。サラセン帝国からはハディージャさんが出てきました。伝統的なベドウィンの商業について説明しています」
ハルドゥーン「あまり話題にならないというか、話題にしたらまずいのかもしれないけど、ムハンマドって年上の奥さんに働かせて、自分はニートして天啓を得たっていう人生なわけだけど、ラノベ向きかもしれないよね」
ヘロドトス「しかも最初の奥さん亡くなった後は若い奥さんもらっているしな」
司馬遷「…うむぅ。羨ましい」
実況「解説席が雑談をしていますが、クレオパトラさんはチラシの内容で勝負ということでよろしいでしょうか?」
クレオパトラ7世「いいわよ。ハンデはいくつかしら?」
実況「ハンデなしの互角で対決になります」
クレオパトラ7世「えっ? 私にハンデは?」
実況「だって、別に文化的な事績はないじゃないですか。頭がいいらしいという話があるだけで」
ヘロドトス「うむ。互角だ」
クレオパトラ7世「何ですってー!?」
実況「ということで、判定です! 6-8でサラセン帝国の勝利!」
ハディージャ「やったわ!」
ムハンマド「妻よ! よくやった!」
クレオパトラ7世「キーッ! 納得いかないわ!」
×プトレマイオス朝 (6) vs サラセン帝国 (8)○
サラセン帝国、三回戦進出
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます