三日目・第5~8試合
第五試合
実況「エフタルもドイツ帝国も人員不足ということで、お互い一人ずつを出すことで合意しました」
ヘロドトス「ドイツはプロイセンと組んでいれば良かったのに」
実況「ドイツからは栄光のこの人、大モルトケが出てきました! 一方のエフタルですが、サーサーン朝に二度勝利したアフシュワルです。尚、開戦地はケーニヒグレーツとなりました。ドイツホームなのにチェコではあるのですが…。開戦と同時にドイツ軍が前進します」
大モルトケ「ムッ? ものども、展開!」
実況「進軍していたドイツ軍、急に右に展開しました。どうしたのでしょう?」
アフシュワル「ぬう! 落とし穴がバレたか!?」
実況「あっと! 戦場のまん中に大きな落とし穴がありました。エフタル軍はいつこんなものを掘ったのでしょう!? 作る方も凄いですが、ここにあることを見抜いてかわした大モルトケの勘もものすごいです!」
アフシュワル「射て! 射ちまくれ!」
ハルドゥーン「エフタル軍が攻勢をかけている。思った以上に接戦になってきた!」
ビスマルク「お、おい。大丈夫なのか!?」
実況「ドイツ帝国のビスマルクさん、気が気でないようです。しかし、大モルトケさんは…」
大モルトケ「さて、今から吸う葉巻はどれにしようかな…」
実況「余裕です! 葉巻を選んでいます。エフタルなんぞに何ができるかという勝者の余裕を感じます!」
大モルトケ「今日の晩御飯は何にしようかな…」
ビスマルク「おぉ、晩御飯をどこで食べるか考える余裕まで…」
大モルトケ「晩御飯の後、どこのキャバクラに行こうかな…」
司馬遷「…実はものすごくパニクッていて、関係ないことばかり考えているのでは…?」
実況「そういう時ってありますよねー」
ヘロドトス「エフタル隊が一気に迫ってきたぞ!」
大モルトケ「キラッ! 今だ、撃て! ファイエル!」
実況「おーっと! やはり大モルトケさん、余裕だった! 突っ込んでくるエフタル隊に一斉発射! まるで的が自ら突っ込んできている状態だ! ちなみにファイエルではなくフォイエルが近い発音です」
アフシュワル「うわー!」
実況「エフタル軍、完全に壊滅! ドイツ帝国の勝利です!」
×エフタル (8) VS ドイツ帝国 (15)○
ドイツ帝国、二回戦進出
第六試合
実況「マラータ同盟は真摯なヒンドゥー教なので、サティーとかの話題ばかりではという恐れもありましたが、誰が出るか喧嘩するくらいいました」
ハルドゥーン「喧嘩しているのか」
実況「ラクシュミーさんとかターラーさんとか喧嘩早い女性が多いので…。というか、貴女達は武術系女性であって学術系女性ではないでしょ!」
ラクシュミー・バーイー「馬鹿な。私は今の今まで伝わる文化を残したぞ」
ハルドゥーン「そんなものあったっけ?」
ラクシュミー・バーイー「『我がジャーンシーは決して放棄しない』という魂だ」
実況「それは文化ではありません。結局ムッズパラーニさんが出てきました。『ラディカ・サントナム』という詩集を作った女流詩人です。もう一人の候補者はアヒリヤー・ホールカルさんでしたが、勝ち抜けば二回戦以降出てくるかもしれません」
ヘロドトス「今に伝わる詩集があるというのはポイントが高いな」
実況「一方のサーサーン朝ですが、やはりシーリーンさんが出てきました。こちらはホスロー2世との関係がサーサーン朝の様子を伝える恋愛物語として今に伝わっています」
司馬遷「しかし、自ら作ったという人と、生き様が作品になったというのでは、本人の学術レベルという点では雲泥の差がある」
実況「そうなんですよね…。サイコロはどちらも17と高めでしたが、これならばきちんと作品を作っているムッズパラーニの勝利です!」
シーリーン「およよ。陛下~」
ホスロー2世「シーリーン!」
実況「敗北したサーサーン朝。二人が泣いて抱き合っています。別の対戦形式なら出番もあったでしょうけれど、ただ、ホスロー2世さんが出ても…」
ヘロドトス「『あと一歩で勝てる!』からの、『な、何ぃ!?』みたいな逆転負けしか連想できないな」
実況「サーサーン朝は首都クテシフォンが前線から近すぎるんですよね。いい線行ったのに首都が危ないで勝てない時も…」
○マラータ同盟 (17) VS サーサーン朝 (17) ×
マラータ同盟、二回戦進出
第七試合
実況「戦国日本は質より量ですので三人を希望、サファヴィー朝は一人希望で、人数決定のためのサイコロ勝負です。3-5という20面体ではかなり情けない勝負でサファヴィー朝が勝ちました」
ヘロドトス「引っ張り出そうと思えば、サファヴィー朝もそれなりの数は出せるはずだが、二回戦以降の話もあるからな」
実況「サファヴィー朝から出てきたのはシェイク・バハーイーです。イスファハンの数多くのモスクなどを手掛けたのみならず、数学や哲学などでも業績を残しました。その業績を称えて、イスファハンには彼の名前の大学もあるほどです」
※本名はシャイフ・バハー・アッディーン・アミル
ハルドゥーン「イランのレオナルド・ダ・ヴィンチとでもいうべき人物だ」
司馬遷「『世界の半分』とも呼ばれたイスファハンの壮麗な建築を手がけたというのは非常にポイントが高い」
実況「一方の戦国日本ですが、千利休が出てきました。今に通じる日本文化・侘び寂びの心を作り上げた人として名高いです」
ヘロドトス「うむ…。膝が…。足が攣る…、正座がきつい」
ハルドゥーン「これはこれで趣深い…。しかし…」
シェイク・バハーイー「建築以外でも、音楽も数学も何だってありです。詩だって書きます」
ヘロドトス「すごい」
司馬遷「うむぅ…。シェイク・バハーイーに関してはイランの記念日にもなっているほどだ。やはりこの対決となると…」
実況「どちらも味のある名勝負となりましたが、判定は、シェイク・バハーイー! サファヴィー朝が二回戦進出です! 戦国日本、主役クラスではなく文化人枠での敗退と言うのは悔しい!」
千利休「やはりこの狭い茶室は中々評価されないか…。うん?」
豊臣秀吉「はい上がるぎゃ。負けたことがあるっちゅうことが、いつか大きな財産になるで」
ハルドゥーン「秀吉が堂本さんみたいなこと言っている」
千利休「うちら、そんなこと言えるほど強くはないような…」
×戦国日本 (18) VS サファヴィー朝 (15)○
サファヴィー朝、二回戦進出
第八試合
実況「プロイセンは一人、アメリカは三人を要求しています。まず人数決定です」
ヘロドトス「プロイセンはできればフリードリヒ2世だけで片をつけたいよな」
実況「8-17でプロイセンの勝利です。プロイセン、トーナメント運は良くないですが、ホームを引くなど試合に入ってからの運はいい。ということで、プロイセンからはフリードリヒ2世が出てきました」
ハルドゥーン「ヨーロッパの戦闘記録などを見ているとよく出てくる人だけど、戦術が凄くて戦略は…なところもあるよね」
実況「一方のアメリカ。初代大統領ジョージ・ワシントンが出てきました。フリードリヒ2世対ワシントンという、中々考えなさそうだけど実現したら夢の対決ぽい組合せです。そして対戦地はベルリン市街地類似マップです」
司馬遷「ベルリンは結構戦闘に巻き込まれていたりしているよな。この時代もそうだし、第二次大戦でも」
ハルドゥーン「複数人出場ならマップを作ろうと思ったけれど、そうでないから省略したよ。ダイス目をごまかしたりはしていないからね」
実況「さて、戦闘開始です。ワシントン軍、方々で少数民族に攻撃を仕掛けながらベルリンにやってきました」
ジョージ・ワシントン「欧州には狼が多いと聞くが、少数民族も似たようなもんだ」
フリードリヒ2世「何て奴だ。いきなりウチの兵士がビビッているじゃないか。私はそんな軟弱な鍛え方をした覚えはないぞ!」
ヘロドトス「フリードリヒが喝を入れて兵士が戦意を取り戻した」
実況「厳しく鍛えたのは、フリードリヒ2世が大嫌いなお父さんのフリードリヒ・ヴィルヘルムなんですけどね」
ジョージ・ワシントン「者共、攻撃開始だ! 代表なくして課税なし、すなわち…」
ハルドゥーン「すなわち?」
ジョージ・ワシントン「国王の支配するプロイセンは課税する資格なんてないってことだ!」
実況「おーっと、アメリカ軍! いきなりプロイセンの領民達に立ち上がるよう指示しました! しかも、これに結構な人達がついてきている!」
司馬遷「フランス革命の先取りみたいなことをやっている」
フリードリヒ2世「何だとー!?」
実況「ベルリン市民も立ち上がった! オーストリア軍には圧倒的に強かったプロイセン軍ですが、それは所詮国王と皇帝という民衆不在の戦い。民衆がいる戦いでは大統領という立場がモノを言っているようです」
ヘロドトス「しかし、ナポレオンはプロイセンでうまくいかなかったのに、何故?」
ベルリン市民「あの人は桜の木を折ったことを正直に言う人だから」
実況「たいした理由ではなかったー! まあ、好感度なんてこんなものかもしれません」
ハルドゥーン「いずれにしても、プロイセンが窮地に陥ったことは間違いない。市民がアメリカ軍を迎え入れているのはまずい」
フリードリヒ2世「ちくしょうめー!」
実況「フリードリヒ2世、荒れています! 最近版権厳しくて映像見られないらしいですが、総統閣下シリーズのをイメージしてください!」
フリードリヒ2世「こうなったら…」
ハルドゥーン「こうなったら?」
フリードリヒ2世「イギリスに頼んで講和だ」
実況「フリードリヒ2世、心が折れてしまいました! ジョージ・ワシントン、ベルリンを占領して勝利です! 市民の国は強かった!」
○アメリカ合衆国 (20) VS プロイセン王国 (12)×
アメリカ合衆国、二回戦進出
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