七日目・第5~8試合
第五試合
実況「高句麗からは広開土王かと思いきや、その息子の長寿王が出てきました!」
司馬遷「広開土王は39で早逝してしまったからな。幸薄いという印象なのかもしれん。一方の長寿王は97歳まで生きたという」
ハルドゥーン「一方、アイユーヴ朝からはサラディンだ。主力クラスによるジャンケン勝負となる」
実況「両者に意気込みを聞いてみましょう。まずは長寿王です。自信はどうですか?」
長寿王「私は97歳という人生の間に数えきれないジャンケンの勝負をしてきた。もちろん負けるはずがない」
実況「こ、高句麗にジャンケンがあったのでしょうか…」
司馬遷「負けず嫌いなところがあるからなぁ…」
実況「サラディンさんはどうでしょうか?」
サラディン「神は私を見守っている。神がきっとあるべき結果をもたらすだろう」
実況「確かに、善行という点ではサラディンさんは世界でも有数のものがありますので期待できそうです」
ハルドゥーン「そうは言ってもジャンケンだからな…」
二人「最初はグー! ジャンケン、ポン!」
長寿王:グー
サラディン:パー
実況「サラディンさんの勝利です! やはり善行がものを言ったのでしょうか!?」
ヘロドトス「アイユーヴ朝は少数精鋭だから、ジャンケンで勝てたのは温存ができて悪くない結果だ」
司馬遷「高句麗は素直に広開土王を出しておけばよかったのかもしれないな」
アイユーヴ朝、二回戦進出
第六試合
実況「カネム・ボルヌ帝国からはイドリス・アローマです! 他にいないでしょうという感じですが…」
司馬遷「敬虔なムスリムで、メッカ巡礼をしたらオスマンの鉄砲の威力を見て、『何だこれ、俺達こんなの使ってないぞ』と大量に買い付けて、それで近辺では無敵になったというような話があるな」
実況「何とも牧歌的な話ですが、先進地域に行くことは大切ということですね。一方のソンガイ王国からはスンニ・アリです!」
ハルドゥーン「こちらも敬虔なムスリムで、とにかく強かった。人生で一度も負けなかったという強い王だったらしい」
実況「カネム・ボルヌのホームで開催されますが、目立った戦いがないのでアオゾウ地帯が戦場です。20世紀にリビアとチャドが戦闘を繰り広げた場所です」
スンニ・アリ「戦いだ! 神の名前において勝利を!」
ソンガイ兵「勝利を! 偉大なる魔術師スンニ・アリ!」
司馬遷「魔術師?」
実況「あまりにも強いので、ソンガイの人達はスンニ・アリを『魔術師』とか『神』と信奉していたという話があります。ほら、未来の宇宙にも『不敗の魔術師』なんて呼ばれる人がいるわけですし」
ヘロドトス「人間の考えることは変わらんということだな」
イドリス・アローマ「三段の防御陣を敷け!」
実況「おっと、カネム・ボルヌ軍は鉄砲隊を三段に構えています。これはどこかの長篠のパクリのような気もしますが、果たしてどうでしょう」
ハルドゥーン「長篠の発想自体がチェリニョーラのパクリだという話もあるけどね」
スンニ・アリ「突撃ぃ!」
ソンガイ兵「うおおおおっ! お、おおっ?」
実況「あーっと! いきなり砂嵐が巻き起こった! ソンガイ兵の進軍がみるみる遅くなっています」
イドリス・アローマ「撃てぇぇぇ!」
司馬遷「そこにカネム・ボルヌ軍が一斉発射だ! これではソンガイ軍は完全に的!」
ソンガイ兵「うわぁぁ、敵には魔術師がいるぞ!」
実況「大損害のソンガイ軍、潰走しています。それにしても、何というタイミングで砂嵐が起こったのでしょうか。意図的に起こしたとは思えませんが、偶然とも信じがたいのは間違いありません」
ハルドゥーン「いずれにしても、これはカネム・ボルヌの圧勝というしかない」
×ソンガイ王国 (4) VS カネム・ボルヌ帝国 (18)○
カネム・ボルヌ帝国、二回戦進出
第七試合
実況「ラーンサーン王国は一人、大航海時代は三人希望ということで人数決定です。13-10でラーンサーン王国が勝ちましたので、一人です」
司馬遷「ラーンサーン王国からはスリニャ・ヴォンサー王が出てきた。57年間に渡って統治したラーンサーン全盛時の王だ。尚、舞台はビエンチャンだ。作者がそこ以外知らないからな」
実況「一方の大航海時代からはエルナン・コルテスです! テノチティトランを陥落させたということが評価されたようです」
ハルドゥーン「確かにまあ…」
ヘロドトス「大航海時代は船員ばかりだから気が荒そうだな」
ラーンサーン兵「やべぇのが来た」
ヘロドトス「早くもラーンサーン兵がビビッている」
実況「正直、華々しい話を聞かないんですよねぇ、ラーンサーン王国は…。タイやビルマに負けっぱなしの印象すらありますので」
エルナン・コルテス「こんな金銀も無さそうなところ、とっとと焼き払っておさらばしようぜ!」
実況「途中の村でも暴れ放題です。『てめぇらの血は何色だぁ~?』とか言いたくなるくらい酷いですが、ラーンサーン兵、出てきません」
司馬遷「あまりにも弱気すぎる! 仮にも最強国決定戦に出るのだから、もう少し覇気を見せてもらわんと」
ハルドゥーン「…そんな声は届かず、ラーンサーン兵が逃げ出した」
スリニャ・ヴォンサー「君子危うきに近寄らずだ」
ヘロドトス「総大将まで逃げてしまった!?」
実況「こうなってしまっては、もはや城を守るものはいません。こういう焦土戦術で国を維持してきた側面はあるかもしれませんが、世界史最強国決定戦では逃げてしまったら負けです」
エルナン・コルテス「ああ? 何もねえじゃねぇか!」
実況「コルテス軍が入城しましたので大航海時代の勝利です。金が欲しければ、何とかマリ戦まで残れるよう頑張りましょう」
司馬遷「大航海時代がベスト8まで残るのは余程幸運に恵まれないとダメだろうが…」
ハルドゥーン「マリ王国が勝ち抜く保証もないしね」
×ラーンサーン王国 (4) VS 大航海時代 (18)○
大航海時代、二回戦進出
第八試合
実況「セルジューク朝からはテルケン・ハトゥンが出てきました! マリク・シャーの妃で名宰相ニザームル・ムルクを暗殺した困った女性です!」
ヘロドトス「このクラスが出てくるくらい、情報がない」
実況「一方のマジャパヒト王国からはトリブワナー女王です! こちらは名宰相ガジャ・マダのサポートを受けてマジャパヒト王国の最盛期を築き上げました!」
司馬遷「武力の方だから関係ないけれど、文の方だったらトリブワナーの圧勝だな」
ハルドゥーン「片や名宰相殺害して、片や名宰相とともに全盛期だからな」
実況「そういうところが左右したのでしょうか。武力ということでハンデなし扱いでしたが、4-15でマジャパヒト王国の圧勝です!」
セルジューク朝 (4) VS マジャパヒト王国 (15)
マジャパヒト王国、二回戦進出
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