七日目・第1~4試合

第一試合

実況「モンゴルは三人、セルビアは一人希望でしたが、15-2でモンゴルが勝利しました。まずモンゴル帝国ですが、ウリヤンカダイ、チラウン、ボロクルを出してきました! ウリヤンカダイはスブタイの息子で、ヨーロッパから雲南まで世界中で戦っている人です。残りの二人も四駿ではありますが、超主戦ではありません」


司馬遷「主戦級を温存というこの判断がどう響くか」


実況「一方のセルビア、ステファン・ドゥシャン、ステファン・ウロシュ、ラザル・フレベリャノビッチの三人です」


ハルドゥーン「ステファン・ドゥシャンはモンゴルとも対抗できるだろうが、残りの二人は確かに不安だな…」


ヘロドトス「モンゴルの騎兵隊は攻城には向かないかもしれないが…」


チラウン「モンゴルに逆らうとどうなるか知っているか? 頭蓋骨を積み上げてバベルの塔より高い塔を築いてやるぞ! 刃向かうと皆殺しがモンゴルの流儀だ!」


ステファン・ウロシュ「ハッハッハ! 我々東欧も殺伐度では敗けんわ。そんな脅しなど通じるわけがない」


ヘロドトス「それもそれでどうかと思うが…」


セルビア兵「ひぃーっ、モンゴル怖い。開城しましょう」


実況「いや、結構効いていますよ! やはり世界最強候補の誉れ高いモンゴル軍の脅しは一味違う!」


ボロクル「脅しも入れんとな。火矢を撃て!」


ラザル・フレベリャノビッチ「うわわ! 弾薬庫に火がついて…」


ハルドゥーン「爆発を起こした! そうでなくても実力差があるのに運までモンゴルに味方しているのか?」


実況「戦闘開始初日ですが、既にベオグラードは大変な状態です。セルビア皇帝を名乗ったステファン・ドゥシャンも、この状況はどうしようもなさそう」


ステファン・ドゥシャン「一人で三つの門を守れるはずがないだろ!」


ウリヤンカダイ「…おまえの門も奪わせてもらう…と言いたいところだが」


実況「ウリヤンカダイ軍、ドナウ川にいたセルビア艦隊を攻撃して撃滅しました。これでもうベオグラードにいるセルビア軍は打つ手がありません!」


司馬遷「モンゴル軍、強すぎる…」


ハルドゥーン「圧倒的な強さのうえに、サイコロの出目もすごいことになった」


実況「セルビア軍、ほとんど何もできずに降伏! モンゴル軍が圧勝で二回戦進出です」

モンゴル (15-20-16) VS セルビア (6-5-7)

モンゴル、二回戦進出



第二試合

実況「どちらも一人ということで話がつきました」


ヘロドトス「アステカ連合からは、おお、クアウテモック!」


ハルドゥーン「アステカ陣営では生贄が四人も捧げられて勝利を願っている…。うむむ、文化の違いというには凄惨だなぁ」


実況「一方のオーストリア帝国はルートヴィヒ・ヴィルヘルムです! 似た名前ばかりというか同じ名前すらありますが、バーデン=バーデン辺境伯でオスマンとの戦いで活躍しました」


ハルドゥーン「個人の強さを示すエピソードはないけど、常に前線にいた人ではあるね」


司馬遷「優劣をつけがたいので、ハンデはなしということにしておくか」


実況「さて、ルートヴィヒ・ヴィルヘルムは銃を構えており、クアウテモックにも銃が貸されますが、あれ、受取りを拒否しました」


クアウテモック「我は勇者。そんなものに頼らない。この斧で十分」


実況「何という度胸! クアウテモックは近代兵器に頼らず、斧で立ち向かうようです!」


ヘロドトス「生贄捧げているのに…」


実況「試合が始まりました!」


クアウテモック「とうっ!」


司馬遷「クアウテモックが飛び掛かった!」


ルートヴィヒ・ヴィルヘルム「むん!」


実況「あっと! ものすごい大きな盾で攻撃を防いだ!」


ヘロドトス「ルートヴィヒ・ヴィルヘルムは『帝国の盾』という異名もあるらしいからな」


ルートヴィヒ・ヴィルヘルム「今だ!」


実況「ルートヴィヒ・ヴィルヘルム、盾に跳ね返されたクアウテモックを撃ち、ダウンさせました! そのままリタイアでオーストリア帝国の勝利です!」


司馬遷「やはり武器は素直に受け取っておくべきだった」

○オーストリア帝国 (7) VS アステカ連合軍 (6)×



第三試合

実況「室町時代は猿ということですが…」


司馬遷「おおっ、舞台が出てきた!」


ハルドゥーン「観阿弥、世阿弥、音阿弥の三人が出てきたぞ!」


ヘロドトス「何という素晴らしい舞台だ!」


実況「作者の別の話でも触れられていますが、江戸時代まで能は猿楽とも呼ばれておりました。ということで、猿との繋がりということですが…」


司馬遷「本物の動物ではないから趣旨が違うような気もするが、まあ、見事なのでありということにしよう」


実況「一方のデーン人withフランク王国連合軍ですが、こちらは牛です!」


ヘロドトス「ヴァイキングにとって牛や羊を育てるということはある種のステータスだったというからな」


ハルドゥーン「グリーンランドでも牛や羊が育つ時期では生活ができて、寒冷化してそれが難しくなってくると死に絶えたという話だからね…。これも関係なしとはいえない」


司馬遷「室町は動物本隊ではないから、デーン人withフランク王国にハンデ1をつけよう」


実況「室町は1!」


司馬遷「あちゃ~」


実況「既にこの時点で勝負ありですが、デーン人withフランク王国は…こちらも1!」


司馬遷「何という低レベルな争いだ…」


実況「デーン人withフランク王国連合軍、ハンデに救われ勝利しました!」


×室町 (1) VS デーン人withフランク王国 (1)○

デーン人withフランク王国連合軍、二回戦進出



第四試合

実況「プランタジネット・ステュアート朝からはウィリアム1世が出てきて、料理を作っています。フィッシュアンドチップスではありません。パンとチーズに、肉のシチューです。シンプルイズベストという感じです」


司馬遷「もちろん美味しいのだが、やはりシンプル過ぎて目を引くものではないな」


実況「一方のアクスム王国は前回と同じでエチオピア料理です。なじみはないですが、既に一度食べているので雰囲気は分かります」


ハルドゥーン「そうだね。どちらも大体料理の予想はできるから、どちらが美味しいかはサイコロで決まることになる」


一時間後。


実況「判定は6-10! アクスム王国が勝利しました。強豪プランタジネット・ステュアート朝はまさかの初戦敗退です!」


ヘロドトス「料理対決もほとんどジャンケンみたいなものだからな…」


×プランタジネット・ステュアート朝 (6) VS アクスム王国 (10)○

アクスム王国、二回戦進出

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