六日目・第1~4試合
第一試合
実況「第一試合の戦場はサハラ砂漠のトンブクトゥです! 城と言うにはかなり防御が弱そうな場所ですが、マリ帝国含めて、アフリカ地域では城を作る技術は発展しなかったようです」
ヘロドトス「黎朝のヴェトナムも湿地帯や森林が多く、足場は悪いが、サハラは全く異なる足場だ。これがどう響くか」
実況「黎朝からは当然のように黎利が出てきました。変換が面倒ですので、以降はレ・ロイと呼ばせていただきます」
レ・ロイ「魔剣も持ってきたし、負けるはずがない」
実況「一方、マリ王国はマンサ・ムーサが守ることになっていますが、戦場には出てきていません。おや、マリ王国の使者がレ・ロイのところに」
使者「大王。我が皇帝(マンサ・ムーサ)は大王が我々と争おうとしていることを悲しんでおります。どうかこれで手を打っていただけないでしょうか?」
実況「ああっと! マリ王国の使者がものすごい大きな黄金の箱をもっています! まさかの相手を買収するという作戦! しかし、全世界史最強国決定戦のルールには八百長を禁止規定していません。八百長だってアリです!」
レ・ロイ「馬鹿を言うな! 国家の名誉が黄金一箱くらいで!」
使者「それなら、これでどうです?」
ハルドゥーン「今度は黄金の部屋だ! インカ帝国皇帝アタワルパが用意した部屋の倍はあるぞ!」
司馬遷「さすがに世界史一の大富豪。やることが半端ない」
レ・ロイ「わ、私が…このくらいの黄金で」
実況「明らかに動揺しています! もう一突きで落ちそうです!」
使者「仕方ないですね。ではもう一部屋分用意しましょう」
レ・ロイ「……撤退だ!」
司馬遷「黄金を受け取って撤退した! 八百長に応じたぞ!」
実況「まさかの八百長決着! しかし、これだけの金を積まれて応じない人はいないでしょう! マンサ・ムーサ、あふれんばかりの黄金で勝利を掴みました!」
マンサ・ムーサ「待てい!」
レ・ロイ「な、何だ?」
マンサ・ムーサ「黎朝の兵士達に金を払うのを忘れていた」
実況「兵士達にも金の山を与えています! これはラッキーです。国も兵士も一財産築いて帰国できそうです!」
×黎朝 (5) VS マリ王国 (12)○
マリ王国、二回戦進出
第二試合
実況「マウリヤ朝は色々悩んだ末にアサンダハーミトラさんを出してきました。アショーカ王の王妃の一人です。もうやけっぱちです」
アショーカ「いいか。手荒なことをしてはいけないよ。全ては仏のために」
ハルドゥーン「負けた言い訳に聞こえなくもない」
実況「一方のデリー・スルタン朝はもちろんこの人、ラズィーヤさんです! 大きな象に乗り華麗に入場してきました!」
ヘロドトス「イスラーム国家の中でも極めて珍しい女性のスルタンだ。しかも、偶々なったというのでなく、父が娘が一番有能だから後継者にすると言って任命したくらいだからな」
ラズィーヤ「私の相手はどこにいるのだ!?」
司馬遷「いやいや」
ヘロドトス「下、下」
ラズィーヤ「うん?」
実況「ああっと! アサンダハーミトラさん、ラズィーヤさんが入場に使った象の下敷きになってしまっています! 試合前からリタイアということで、ラズィーヤさんの勝利です!」
ラズィーヤ「えっ、もう終わったの?」
×マウリヤ朝 (15) VS デリー・スルタン朝 (20)○
デリー・スルタン朝、二回戦進出
第三試合
実況「高麗からは建国者王建が出てきました。早速作り始めていますが、この時代には唐辛子などはなかったようで、今、私達が韓国料理と聞いてイメージするようなものはあまりありません。山菜や魚介類が中心で、どちらかというと古い日本料理と似ていそうです」
司馬遷「山椒とかがメインだったらしいな」
ハルドゥーン「焼肉とかはないわけね」
実況「この前のハンガリー料理の時に沢山出ていたじゃないですか」
ハルドゥーン「あんな恐ろしいものが食えるか!」
実況「一方のエチオピア帝国はイクノ・アムラクが作っています。インジェラと呼ばれるパンの上に料理を乗せて食べるのが一般的なようです。ようです、という何とも無責任な言い方ですが、何せ食べたことも見たこともないので」
ヘロドトス「南インド料理に近いという話があったな。実際、海路で行き来していたわけだし近いのかもしれない」
司馬遷「二つともできたぞ。判断材料がないから、ここはハンデなしか」
実況「15-9! エチオピア帝国の勝利です!」
○エチオピア帝国 (15) VS 高麗 (9)×
第四試合
実況「突厥からは阿史那結社率です!」
ハルドゥーン「誰だ?」
司馬遷「唐の太宗に降伏した後、反乱を企てたということで処刑された男だ」
実況「反乱の最中に衛士10人以上を射殺したという逸話があります」
ヘロドトス「馬鹿だけど、個人としては強いというコンモドゥスタイプだな」
実況「コンモドゥスは出番があるんですかね~、ノルマン人連合軍からはロベール・ギスカールの息子ボエモン (ボエモンド)が出てきました!」
ハルドゥーン「背丈がデカい、いい体つきをしているという逸話があちこちに残っている人だね」
実況「しかも十字軍ではまあまあ強さも発揮しましたし。ということで、珍しく実際に強そうな二人が揃いました。ハンデなしの勝負開始です!」
司馬遷「当然、結社率は馬に乗り弓で射かけるか…って、おお!」
ボエモンの馬『ヒヒーン!』
実況「何ということでしょう! ボエモンの乗馬が急に大きくなって、結社率の馬を蹴り倒しました!」
ヘロドトス「松風とかブケファロスみたいな化け物に乗っているという逸話はないぞ?」
ハルドゥーン「ただ、ボエモンの巨躯を乗せるとなると、強い馬であるのは間違いない」
ボエモン「滅!」
実況「倒れた結社率に容赦なく剣を突き立てました! 予想外の圧勝でノルマン人連合軍が二回戦進出です!」
×突厥 (6) VS ノルマン人連合軍 (19)○
ノルマン人連合軍、二回戦進出
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