六日目・第5~7試合

第五試合

実況「ガージャール朝からはナースィルッディーン・シャーが出てきました。19世紀の長い期間を支配し、政治的には微妙ですが欧州との付き合いはうまくて、政権を安定させた人です」


ハルドゥーン「イギリスにかなり好かれていた人だよね」


司馬遷「五代十国は馮道かと思ったが、李煜を出してきた」


実況「確かにこの人は文芸という点では非常に優れています。皇帝としての能力は0点ですけれど」


司馬遷「語学と世渡りのナースィルッディーン対芸術の李煜という対立だな。李煜の詞に皆驚いているが、評価としてはどうだろうか?」


ヘロドトス「とはいえ、ナースィルッディーンに対するイングランド人の熱狂も観客には理解できていないようだ。わしも正直理解できん」


実況「五代十国にハンデ3という判定です。9-7で五代十国の勝利! ガージャール朝、文化レベルではサファヴィー朝ほどのものは示せなかった!」

○五代十国 (9) VS ガージャール朝 (7)×

五代十国、二回戦進出



第六試合

実況「パガン朝とネパール王国の攻城戦。お互いに一人という希望でしたので、人数は一人です。まず、防衛側パガン朝は創始者アノーヤターです! いわゆるミャンマー人の国を作ったのはこの人と考えられています。戦場はもちろん首都パガンです!」


司馬遷「日本や中国と同じで、彼の前にも沢山王がいるが、実質この人からミャンマーは始まったということだな」


実況「ネパール王国からも創始者プリトビ・ナラヤン・シャハが出てきました! 建国の英雄対決です」


アノーヤター「者共、行くぞ!」


ヘロドトス「アノーヤターが気勢を上げているぞ。さすがにミャンマー全土を制圧しただけのことはある」


プリトビ・ナラヤン・シャハ「さて、こいつらは…」


司馬遷「プリトビ・ナラヤン・シャハは慎重に計算している、な。謀将といった風格がある」


プリトビ・ナラヤン・シャハ「よし、こうしよう」


実況「何か思いついたようです。ひとまず本軍に攻撃させておき、本人はどこかに行きました」


ハルドゥーン「攻城側の総大将が離脱するのはどうなんだろうか…む?」


プリトビ・ナラヤン・シャハ「戻ったぞ! 皆、これを使え!」


実況「何と! ネパール軍、大量のイギリス旗を持ってきました! 兵士達もイギリス東インド会社の制服に着替えております」


パガン兵「ひぃーっ! イギリス怖い!」


実況「おーっ! パガン兵、イギリスの旗を見て怯えだしました! ミャンマー人のDNAに刻まれているイギリス恐怖症が発現したようです!」


アノーヤター「我々の時代は英国関係ないだろ!」


パガン兵「怖い! 逆転生して恐ろしい…」


ヘロドトス「パガン兵の士気がダダ下がりだ。これはまずい」


プリトビ・ナラヤン・シャハ「総攻撃だー!」


アノーヤター「ま、守れー!」


実況「両軍が全力で攻撃&防御していますが…、ネパール軍が突破したー! ネパール王国、勝利です! 勝因はきちんとミャンマー兵の弱点を突いたことでしょう!」

×パガン朝 (14) VS ネパール王国 (18)○

ネパール王国、二回戦進出



第七試合

実況「ヒッタイトからはプドゥヘパさんです! ラムセス2世との外交文書が残っているなど、それなりに外交・宗教政策で動いていた形跡があります」


ヘロドトス「全く無関係とは言い難い。きちんと文の定義に満たした人間が出てきた」


ハルドゥーン「紀元前1000年よりも昔でこのクラスが出てくるというのはさすがだね」


実況「一方の李朝は妙因さんです! 李朝の皇帝一家に生まれて、夫の死後に仏教施設の指導者を務めていた人です!」


司馬遷「やや苦しいが、仏教という宗教に関与しているのだから、かすってはいると見ていいだろう」


ハルドゥーン「これならハンデは1かな。実際に文書を残している分、プドゥペハが上だろうがその差は僅かだ」


実況「ということでサイコロタイムです。おー! 16-17ということはハンデを合わせて互角です!」


ヘロドトス「この場合はどうなるんだ?」


実況「作者、全く考えていませんでしたが、振り直しということになりました。ただ、先程ハンデを使っているので、今回はお互いハンデなしの互角で振ることになります。10-16!

李朝の勝利です! 接戦を制しました!」


司馬遷「仮に最後の皇帝だった李昭皇だったらハンデ7くらいついていたから完敗していただろう。李朝にはいい人材がいた」

×ヒッタイト (16-10) VS 李朝 (17-16)○

李朝、二回戦進出

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