五日目・第1~4試合

実況「四日目の第七試合ですが、作者が攻撃防御側を逆にして作成していたため、ノーゲームとなりました。再試合は六日目第一試合の前に行われます」


司馬遷「何をやっているんだか…」



第一試合

実況「さて、おなじみの人数勝負。16-17で平安時代が勝利しましたから、三人ずつ登場です」


ヘロドトス「バビロニアは人数が少ないからきついな」


ハルドゥーン「実際に調べ始めると予想以上だったから、第二回があるとするとバビロニアについては考え直さないといけないかもね。ともあれ、ハンムラビ、アメル・マルドゥク、ナボニドゥスの三人が選ばれた。ネブカドネザルとナボポナッサルの二人は温存だ」


実況「さすがに二回戦で誰もいませんでしたという展開は情けないですからね。一方の平安時代からは聖徳太子、空海、鑑真という三人が出てきました!」


司馬遷「うむ。鑑真は当時の中国でも名僧だったし、聖徳太子と空海はローカルだが最高クラス。これはかなりいい勝負になるかもしれない」


ハンムラビ「ちょっと待った! 我々の作った応報刑思想は簡単には覆せないものだと思うが」


ナボニドゥス「私の考古学的事績も無視してもらっては困る!」


空海「私は未だ生き続けていて、文化活動に貢献しつづけているんだよ」


アメル・マルドゥク「そんなわけあるか!」


鑑真「仏教を知らせるために…、苦難など何も恐れない」


ヘロドトス「一通り見る限り、ハンムラビ法典は凄いのだが、正直それだけだからな」


司馬遷「バビロニアは全員統治者だから広がりがないからな。細かい事績を考えると、ハンデはなしでもいいのではないか?」


ハンムラビ「ブー!」


アメル・マルドゥク「不当判決だ!」


実況「無視してサイコロタイムです。バビロニアは6でした! 平安以前、これは大チャンス! さあ、目は? …5でした」


ヘロドトス「運がなかったな…」


実況「バビロニア・新バビロニア王国、二回戦進出です!」

○バビロニア王国 (6) VS 平安以前 (5)×



第二試合

実況「この試合も人数決定の対決があります。12-18でメキシコが勝利ということで、三人出場です」


ヘロドトス「ただ、メキシコは人数が増えたからどうという感じでもないんだよなぁ」


実況「メキシコからはベニート・フアレス、アントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナ、ポルフィリオ・ディアスが参加します。恐らくメキシコの最強メンバーが出てきました」


ハルドゥーン「ディアスが総大将で、サンタ・アナとフアレスが攻撃に集中できるとまあまあ良さそうだけど」


ディアス「私に従え!」


フアレス「俺に命令するな。Don’t order me.」


サンタ・アナ「俺は俺のやりたいようにやる。おまえの役割は物資を前線に送ることだけだ」


実況「両者、全くディアスに従うつもりがありません!」


ハルドゥーン「一方のジョチ・ウルスも決戦モードだな。バトゥに、トクタミシュ、ベルケを出してきた」


実況「戦場はポーランドのレグニツァ、リーグニッツです」


バトゥ「広い、広い平原地帯だ。騎馬兵にもってこいの場所」


サンタ・アナ「よし、早速進軍だ」


ベニート・フアレス「Wait a moment.待て」


実況「おっと、フアレスが待機を要請しましたが、関係なく突っ込んでいきます。全く言うことを聞く気がないようです」


バトゥ「…行くぞ」


司馬遷「ジョチ・ウルス軍が動き出した。狙いはサンタ・アナのようだな」


ヘロドトス「ディアスはどこにいるんだ?」


ハルドゥーン「後方の基地で兵站体制を整えているよ」


実況「メキシコ軍、全てにおいてチグハグです。そうこうしているうちにジョチ・ウルス隊がサンタ・アナを捕らえた!」


サンタ・アナ「お前ら、逃げたら銃殺だからな!」


ハルドゥーン「メキシコ勢も頑張っているが、ちょっと勝負にならない。サンタ・アナも追い詰められてしまった」


サンタ・アナ「くっ…。こんなところでやられるわけにはいかん。えいっ!」


バトゥ「うん!?」


実況「何と、サンタ・アナが自らの左脚を取り外してジョチ・ウルス軍に放り投げた! 手柄が欲しいジョチ・ウルス軍、ついつい義足に群がって、その隙にサンタ・アナは脱出! しかし手勢は壊滅しました。何のために出てきたんでしょう!?」


ディアス「あいつは馬鹿か」


トクタミシュ「お前もな」


ディアス「な、何!?」


実況「トクタミシュ軍がいつの間にかディアス軍の後背に! しかし、ここはメキシコ軍も踏ん張る!」


トクタミシュ「予想外にやる! こいつら、できる?」


ディアス「俺の部隊だけは近代化してきたからな」


実況「確かにディアス軍の装備は他の二部隊よりいいですね! 軍閥が自分達にばかりお金を使うというメキシコの悪しき風習がさく裂しています」


ベニート・フアレス「I’m back.帰る」


実況「呆れてしまったのかフアレスが撤退しはじめました。あ! ただ、ベルケもここは追撃しない?」


ベルケ「どうやら勝ったようだ。面倒いから我々は動かなくていいだろう」


実況「この二人、どちらもやる気が全くありません! ともあれ、ここまでの戦いでジョチ・ウルス軍が圧倒しましたので、ジョチ・ウルスの勝利です!」

○ジョチ・ウルス (20-6-1) VS メキシコ (12-15-2)×

ジョチ・ウルス、二回戦進出



第三試合

実況「南米解放軍からシモン・ボリーバル、オランダ海上帝国はマウリッツ・フォン・ナッサウが出てきました。ジャンケン勝負、果たしてどうなりますか」


ハルドゥーン「オランダはここで消えるのはもったいない。ただ、合理主義者のマウリッツは運勝負には弱いかもしれない」


マウリッツ・フォン・ナッサウ「運は同じだ。いいも悪いもないよ」


実況「合理的です」


シモン・ボリーバル「いや! ロマンを感じない人には幸運をモノにすることなどできないよ」


司馬遷「ロマンを求める者らしいな」


シモン・ボリーバル「ジャンケン! グーとパーとチョキが織りなす不思議な世界! 一体どうやったら、人はこの迷宮から抜け出せるんだ?」


実況「入り込みすぎていて、ちょっと近寄りづらいですね。ともあれ、二人とも舞台に上がりました。行きます」


二人「最初はグー! ジャンケン、ポン!」


ボリーバル:グー

マウリッツ:チョキ


司馬遷「ボリーバルの勝利だ!」


シモン・ボリーバル「私は自由と栄光のために闘ってきた! この闘いもその延長線上にある。私は困難を恐れない。大いなる事業への情熱に燃えているからだ!」


ヘロドトス「うざい…」


マウリッツ・フォン・ナッサウ「……」


実況「マウリッツさんは残念でした。上位進出も予想されたオランダ海上帝国は初戦敗退です」


マウリッツ・フォン・ナッサウ「仕方ない。運を変えることは誰にもできない」

南米解放軍、二回戦進出。



第四試合

実況「今回も人数決定のサイコロ戦です。17-13で三国志連合が勝利しましたので、三人勝負となります」


司馬遷「さて、誰が出る?」


実況「三国志連合からは、曹丕、曹植、諸葛亮の三人が登場です! 詩作に秀でた二人と、『出師表』という文学的価値の高い作品のある諸葛亮という組み合わせです!」


ハルドゥーン「ただ、三人とも仲が悪そうだね」


司馬遷「あの兄弟の仲は最悪だし、諸葛亮も曹操一家が好きなわけがないからな」


実況「一方の十字軍ですが、まずは当然この人、『世界の脅威』神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世! 念のためですが、四日目に出たプロイセン王のフリードリヒ2世とは別の人です!」


ヘロドトス「やはりフリードリヒ2世は外せない。全世界史的に見ても、こいつより凄い頭をもつ人間がどれだけいるのかというレベルだからな」


司馬遷「超級の中の超級だからな」


実況「残りの二人はクレルヴォーのベルナルドゥス、フライジングのオットーです。片や聖書の注釈、片や歴史書と得意分野は異なりますが、十字軍、本気の布陣を整えてきました」


ハルドゥーン「正直言うと、他の五人は同レベルでフリードリヒ2世がワンランク上だろうか。戦闘せずに外交交渉で聖地解放をしたという話は圧倒的だからなぁ。現代の世界の政治家にアラビア語で相手と交渉する人はいないだろうからな」


司馬遷「変な好奇心も旺盛だからなぁ。有名な『生まれてきた子供が何も聞かない場合に、どんな言葉を話すのだろうか』なんて実験をしたわけだし、語学だけではないわけだしね」


実況「とはいえ、三国時代を代表する曹丕・曹植の二人も相当なものではないですか?」


ヘロドトス「そもそも全員凄いのだ。そこから尚フリードリヒ2世が突き抜けている。立法も文芸も学術もできる。多分、経済以外の部分では一人で国家運営できるのではないか?」


実況「政治家としては、経済センスがないのはまずいんですけどね…」


ハルドゥーン「十字軍にハンデ8くらいかなぁ。三人いるから逆転できるかもしれない」


実況「三国連合は9-19-7! 十字軍は12-16-10! 十字軍の勝利です! 三国連合、ここは相手が悪かったとしか言いようがありません!」


ハルドゥーン「十字軍はこれでめぼしい頭脳系がほぼいなくなったから、二回戦以降は武力系を引かないと厳しい」


×三国連合 (9-19-7) VS 十字軍 (12-16-10)○

十字軍、二回戦進出

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