四日目・第1、5、6試合

第一試合

実況「神聖ローマ帝国からはアンドレア・ドーリアが出てきました! プレヴェザでは負けてしまいましたし、そもそも神聖ローマ帝国の人なのかという疑問もありますが…」


ヘロドトス「神聖ローマ帝国の海戦の人はもっと地味だからなぁ」


実況「一方のポルトガル海上帝国。アフォンソ・デ・アルブケルケを出してきました! どちらも通好みという感じですが…」


ハルドゥーン「エンリケ航海王子みたいな船酔いする人を出すわけにもいかないしね」


実況「ということで、両軍はインド洋のゴアで対戦することになります」


司馬遷「神聖ローマ帝国の連中はこんな遠くには行ったことがない。慣れないから大変だろうな」


実況「と思いましたが、ポルトガル軍、現地住民とトラブルを起こして兵力を減らしております」


アフォンソ・デ・アルブケルケ「馬鹿者! 何をしているんだ! 我々に歯向かう奴らなどぶちのめしてしまえ!」


ハルドゥーン「アルブケルケが現地住民に報復しようとして、更に泥沼化してしまった…」


ヘロドトス「ポルトガルはバスコ・ダ・ガマの時代からしょっちゅう現地住民とトラブルを起こしていたからなぁ」


実況「トラブルばかりなのに、現地住民も何だかんだ交渉を続けていたのが運の尽きって感じはありますよね…」


アンドレア・ドーリア「…ここは待ちだ」


実況「神聖ローマ帝国軍、ポルトガル軍がやばそうなのを傍観しております。真面目に相手する必要はありません」


司馬遷「ポルトガル軍、本当にどうしようもないな」


アフォンソ・デ・アルブケルケ「…ようやく目に物を見せてやった……。ハッ!」


アンドレア・ドーリア「…おまえ、アホだろ?」


実況「ようやく戦場にたどりついたポルトガル軍ですが、既に神聖ローマ軍が完全に包囲しています。これではまともな戦いになりそうもありません!」


アフォンソ・デ・アルブケルケ「…負けだ」


アンドレア・ドーリア「勝った」


司馬遷「戦いをすることもなく神聖ローマ帝国が勝った。何という試合だったのだ」


アンドレア・ドーリア「ご苦労だった。現地住民衆」


実況「おーっと! 現地住民はドーリア将軍から資金援助を受けていたようです! さすがにアンドレア・ドーリア、80歳過ぎても提督をしていたのはダテではありません!」

○神聖ローマ帝国 (9) VS ポルトガル海上帝国 (2)×

神聖ローマ帝国、二回戦進出



第五試合

実況「ムワッヒド朝から出てきたのはヤアクーブ・マンスールです。イスラームの人で名前にマンスールがついている人は大体強いです」


ヘロドトス「個人で強いエピソードをもっている人は中々見つけにくいからな…」


司馬遷「早逝しているから体が強くない可能性もあるが、そういうことを言い出すとキリがないのでやめておこう」


実況「一方のマケドニア王国。少し相談していましたが、ヘファイスティオンが出てきました! 背丈が高くてカッコいいですねぇ」


ハルドゥーン「アレクサンドロスのおホモだちという噂もあるが、この時代はテーバイの神聖隊など同性愛の結束力の強さが評価されていたからな」


ヘロドトス「体格を見ると、明らかにヘファイスティオンが有利だ」


実況「サッカーやバスケを見ていても分かりますけれど、大きい人多いですからね、ギリシア。さて、試合開始です!」


ヤアクーブ「……」


実況「ヤアクーブ・マンスール。落ち着いて距離を取っています」


ヘファイスティオン「俺は、美しい…」


実況「一方のヘファイスティオン! 鏡をに映る自分の姿に陶酔しております! 余裕なのでしょうか?」


ヤアクーブ「おのれ!」


ヘロドトス「ヤアクーブは弓矢で攻撃している」


ハルドゥーン「近づくとパワー負けしそうだし正しい選択だ」


ヘファイスティオン「邪魔だ!」


実況「あーっと! しかし、ヘファイスティオンがエネルギー波のようなものを打ち出しました! 格闘マンガとかではよくありますが、実際にこれをやるのは卑怯すぎます!」


司馬遷「ちょっと話にならないくらい強いな。さすがにアレクサンドロスが色々な意味で選んだ男」


ヘファイスティオン「大王。我が美しさ、御覧になられたでしょうか?」


アレクサンドロス「うむ。ヘファイスティオン、さすがだ」


ヘロドトス「もう勝ち名乗りあげているし」


実況「あ、しかし、まだヤアクーブ・マンスール、無事ですよ。割れた大地の石を掴んでそろそろと真後ろへと移動して…飛び掛かったぁ!」


ヘファイスティオン「何ぃ!? ぐえっ」


実況「ヘファイスティオンの後頭部に直撃! そのまま気絶してしまいました…ということは、ヤアクーブ・マンスールの勝利です!」


ヤアクーブ「よっしゃ!」


ヘロドトス「ヘファイスティオンは強かったが、自滅してしまったな」


アレクサンドロス「おお! ヘファイスティオン! 何ということだ! この地におまえがいたという豪華な石碑を立てよう」


実況「…マケドニア軍はヘファイスティオンの功績を称える石碑を作り始めました。寵愛ってすごいですねぇ」


ハルドゥーン「どう見てもおバカとしか思えないのだけど…」

×マケドニア (3) VS ムワッヒド朝 (19)○

ムワッヒド朝、二回戦進出



第六試合

実況「パラグアイからはエリサ・アレシア・リンチが出てきました! ロペス・ソラーノ大統領の愛人で、フランスの高級娼婦から見初められたものの、当たり前のようにパラグアイ上流階級から嫌われて、下層階級に人気のあった人です」


ハルドゥーン「三国戦争では戦死した大統領を看取り、その後も立ち向かったという点では烈女とも言えよう…。ただ、文系って気もするが?」


実況「当時の高級娼婦はそれなりに学術も身に着けていましたというのが名目です。あとはお察しください…」


ヘロドトス「悲しい…」


実況「西漢代表は王昭君です!」


司馬遷「こちらも学術的エピソードは少ないが…、今風に言うと絵師を間違えたというところになるのだろうか」


実況「実際には匈奴との政略結婚のための女性なので教養も高かったという説もあります」


呂后「何だい? あたし達の判断に文句があるということは、あたしの芸術的な豚料理でも見たいのかい?」


一同「え、遠慮しておきます…」


実況「さて、両者、観客にアピールしていますが、どちらもやや弱いところはあります。ただ、学術エピソードのないアレシア・リンチさんに対して王昭君には絵の話が絡んできますので、ハンデ4ほどで振ってみましょう」


司馬遷「西漢が18…ということはパラグアイは振るまでもないということか」


実況「王昭君の勝利です!」

○西漢 (18) VS パラグアイ (8)×

西漢、二回戦進出

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