二日目・第1、2、5、7試合

第一試合

実況「二日目第一試合の女性対決。まず隋・唐からは平陽昭公主が出てきました。唐太祖李淵の娘で、娘子軍を率いて普通に指揮をしていました。はい、普通に指揮とっています」


司馬遷「伝説系では強い人物がいるが、史実で指揮官クラスは中々いないからこれはたいしたものだ」


実況「正直ラクシュミー・バーイーと互角くらい、ジャンヌ・ダルクより強そうです。一方のフレグ・ウルスからは、ドクズ・ハトゥンさんが出てきました。彼女は指揮をとっていませんが、フレグの進軍に付き添い、助言をしていたと言われています。どちらも個人でぶん殴るタイプではなく指揮するタイプですので、部隊を集めての戦いということにしましょう」


開始の笛が鳴る。


実況「平陽昭公主のところにはみるみる軍が集まっていきます。すごい人望です」


ヘロドトス「ドクズ・ハトゥンも頑張ってはいるが、実際に指揮をとっているわけではないからな。ハンデ的には最低10はあるように思う」


実況「さて、戦いが始まりましたが、やはり指揮が慣れている平陽昭公主、軍勢がスムーズに移動しています。ドクズ・ハトゥンはフレグがいないのでちょっとついていけていません」


ドクズ・ハトゥン「こうやって動いて、後ろに回れば勝てるのに!」


実況「あー、何をすればいいかは分かっている様子。戦場慣れはしていますが、部隊が統率を取れないというのは非常に悔しい展開です。そこに隋・唐軍が正面から挑んできました!」


平陽昭公主「さささっと、行ったって!」


ドクズ・ハトゥン「うわー!」


ハルドゥーン「あー、やはり指揮経験の有無は大きかったな」


実況「前評判の高い隋・唐、まずはフレグ・ウルスをあっさり下しました」


司馬遷「さすがといったところかな」


×フレグ・ウルス (10) VS 隋・唐 (8)○

隋・唐が二回戦進出



第二試合

実況「元とリューリック朝はジャンケン対決です! 元からクビライ・カーンが、リューリック朝からはイヴァン3世が登壇しました」


ハルドゥーン「こ、これは…」


司馬遷「どうした?」


ハルドゥーン「ジャンケンというのは最初はグーから始まるのか」


司馬遷「そういうルールらしい」


クビライ・カーン「準備はいいか?」


イヴァン3世「いつでも」


実況「それでは行きます! 最初はグー! ジャンケン、ポン!」


クビライ:グー

イヴァン:チョキ


実況「一発で片がつきました! 元の勝利です!」


イヴァン3世「な、何てことだ…」


ヘロドトス「熱い勝負だった。両者の勝敗を分けたのは、試合へのアプローチの違いだけだった。クビライはグーを出そうと思っていたのに対して、イヴァンはチョキを出したのだ」


実況「確かにそうなんですけれど、ジャンケンの勝敗をさも分析的に捉えられても…」


クビライ・カーン「イヴァン3世よ。おまえの思いも受けて、私は世界最強の国家を作ってみせる」


実況「と語っているクビライさんですが、正直、元の戦力だと最強まで行くのはちょっと厳しいような…」

元が二回戦進出



第五試合

実況「コンバウン朝はまだ初戦ですが、後がないので最終決戦モードです。三人戦を挑んできました。ハノーヴァー朝もあっさり了承します」


ハルドゥーン「例えばの話三回振って60-3だったら、逆転もありうるかもしれない。本当にそうなっても作者のイカサマを疑われそうで信じてもらえないだろうけれど」


実況「ハノーヴァー朝はウィリアム・アマースト、ヘンリー・ゴッドウィン、ハリー・プレンダーガストの三人を出してきました。三回のビルマ戦争の指揮官三人そのままです。この大会が始まってからもっとも楽な人選です」


ヘロドトス「余裕だな」


実況「コンバウン朝は当然アラウンパヤー、シンビューシン、ボードーパヤーの三人です」


司馬遷「判官びいきというわけではないが、少しでも頑張ってほしいものだ」


ボードーパヤー「父上、我々有能な三人の王が合わされば何とか可能性は…」


アラウンパヤー「そんなに甘くはないだろう」


実況「ハノーヴァー朝の軍が到着しました。おーっと、何という数でしょう! ミャンマーの海岸線を全部埋め尽くすのではないかと思わんばかりの大軍です!」


ヘロドトス「本来なら世界に展開している艦隊を一か所に集めることができるわけだからな。これが大英帝国の恐ろしさ…」


実況「ただ、大英帝国軍、数が圧倒的なせいか統率はイマイチです。これ、いい角度から攻めこめないですかね?」


ハルドゥーン「うん。うまく突っ込むことができれば、あるいは軍を分断できるかもしれない」


実況「ダメです! コンバウン朝軍も統率が取れていません。コンバウン朝という国は海戦をしているのですが、指揮官は三人とも海戦慣れしていない難点がありました!」


ハルドゥーン「砲撃が始まった。うーむ、厳しい」


実況「コンバウン朝軍、好機を逸したか士気が低いです。この戦力差で士気まで低いとどうしようもありません」


シンビューシン「おのれ! 最後に一矢報いてくれようぞ!」


ハルドゥーン「おっ、シンビューシンが小勢で敵本隊を目指しにかかった! これはいいタイミングだ」


アマースト「問題ない。研究済みだ」


実況「ダメです! しっかり対策されていました! 格下側がサイコロで負けていては話になりません!」


アラウンパヤー「降伏~」


実況「コンバウン朝軍が白旗を掲げました。ハノーヴァー朝、圧勝でした」

×コンバウン朝 (8-10-15) VS ハノーヴァー朝 (2-12-16)○



第七試合

実況「会場にイタリア代表ヴィットーリオ・エマヌエーレ1世とブルガリア代表イヴァン・アセン2世が上がりました」


ヘロドトス「よし。それでは、いざ尋常に。最初はグー! ジャンケン、ポン!」


ブルガリア、チョキ。

イタリア、グー。


実況「イタリアの勝利です!」


イヴァン・アセン2世「ちくしょぉぉぉ!」


ヘロドトス「イヴァン・アセン2世は第二次ブルガリア帝国の全盛期だけれど、領土的には大一次ブルガリア帝国のシメオン1世の時の方が広いな」


司馬遷「作者はイヴァン・アセンの方が絶対強いと思っていたが、シメオン1世を出したら勝てたかもしれない。ジャンケンなだけに適当な結果論も言える」


ハルドゥーン「まあ、仕方ないんじゃない? 他の形式でもブルガリアが勝てるかというと…」

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