全世界史最強国決定戦

一回戦・試合結果

一日目・第1、2試合

第一試合

実況「開幕戦のアケメネス朝とゲルマン連合軍ですが、何人出すかという点で揉めています」

ハルドゥーン「ゲルマンは質より量のきらいがあるから、多人数に勝機を見出したい。一方のアケメネス朝は人数が少ないからなるべく少人数で済ませたい。両者の意見がかみ合っていないから、ここはサイコロだね」

実況「4-13でゲルマンの意見が通りました。両国三人ずつ登場です。ゲルマンはいち早くテオドリック、ガイセリック、アルミニウスの三人を出してきました」

ヘロドドス「テオドリックとガイセリックが何とかもちこたえて、アルミニウスが奇襲を決めればという形だな」

実況「アケメネス朝は、キュロス2世、カンビュセス2世、小キュロスの三人です」

ヘロドドス「ホームだし、できればキュロスかカンビュセス2世一人で済ませたい肚だったのだろうな」

実況「アケメネス朝ホームということで、乾燥した高原地帯です。騎兵にはもってこいの部隊です」

ヘロドトス「ふむ。アケメネス朝はマケドニア相手に20万とか60万揃えたという話があるだけあって、凄い数だな」

実況「本当です。一方のゲルマン人は2万程度。数では圧倒しています」

ハルドゥーン「でも、アケメネス朝軍、何か後ろがバタバタしていない？」

実況「本当ですね。おーっと！　アルミニウス隊です！　アルミニウス隊が後ろに紛れ込んでいて、開始前に奇襲を仕掛けました！　アケメネス朝軍いきなり大混乱です！」

キュロス2世「何をやっておるのだ、馬鹿者が…。むっ？」

ヘロドトス「後ろが混乱している間に前も叩いてしまえば、主導権を掴める。ゲルマン人がものすごい勢いで攻撃を開始したぞ」

キュロス2世「ひるむな！　大王の軍は、決して引くことはない！」

実況「しかし、前線にはキュロス2世がいます！　アケメネス朝の前衛は士気がものすごく高い！　ゲルマンの前方からの攻撃は弾かれそうです！　アケメネス朝はキュロス2世がもちこたえている間に後ろを何とかしたい！」

キュロス2世「息子よ！　後ろは任せた！」

カンビュセス2世「※◇§■Ω―！ （聞き取り不能）」

アルミニウス「な、何だ、こいつは！？」

司馬遷「カンビュセス2世がものすごい勢いでアルミニウス隊を叩いている！」

ヘロドトス「いや、敵も味方も関係なく目の前の奴を斬り伏せている！」

キュロス2世「何をやっているんだ！？」

実況「キュロス2世、カンビュセス2号機を制御しようとしていますが、ダメです！　全く反応していません！　槍伝いに侵食が進んでいます！　本陣とのシンクロ率は一桁を切っています！」

キュロス2世「このままでは…」

実況「全ての信号を拒絶しました！　完全に暴走しています！　ゲルマン軍もアケメネス朝軍も関係なく吹き飛ばしています！」

ヘロドトス「これが聖なる牛アピスを殺したり、スーダン攻め込もうとしたり、その他諸々の呪いの結果か…」

ハルドゥーン「そこまでしなければいけなかったのかは別にして、後ろのゲルマン軍はいなくなった」

実況「カンビュセス2号機、行動停止しました。周りには誰もいません」

キュロス2世「息子よ。おまえの犠牲は無駄にはせぬ。かかれぇ！」

実況「軍を半分くらい失いましたが、それでもアケメネス朝軍は兵力で圧倒しています。一方のゲルマン軍はアルミニウスが放心状態で、ガイセリックとテオドリックの二人ではどうにもなりません」

テオドリック・ガイセリック「せ、せめて伏兵が使いやすい森の中（ホーム）だったなら…」

ヘロドトス「そうだなぁ。アケメネス朝軍は森林戦に対応できる軍ではないからな」

ハルドゥーン「ギリシアやスーダンみたいにアンビリカルケーブル（補給線）が届かないところに攻め込んで大失敗したから、ゲルマン本拠地なんてとても届かなかっただろうしね」

実況「ゲルマン軍、善戦はしましたが、最終的にはアケメネス朝が物量作戦で押し切り勝利しました。ダレイオス1世も『やれやれ』と胸をなでおろしております」

○アケメネス朝 (2-17-17)　VS　ゲルマン(16-16-9)×

アケメネス朝、二回戦進出

第二試合

実況「第二試合、チャガタイ・ウルスはバルラス部のカラチャルを出してきました。伝承によるとティムールの先祖らしいです」

司馬遷「強いのか？」

実況「……」

ハルドゥーン「強そうではあるよね。チャガタイの補佐役筆頭みたいな人だし」

実況「一方、エジプト古王朝はラムセス2世です！　いきなりエースクラスを投入してきました！」

ヘロドトス「こちらは強いな。正直、クフ王はピラミッドこそデカいが、個人能力が分かる話が全くないからな」

実況「それでは、スタートです！」

ラムセス2世「うおおおお！」

実況「おーっと！　ラムセス2世、いきなりそばにあった戦車をひっくり返した。物凄い力です！」

カラチャル「き、距離さえとれば！」

ハルドゥーン「カラチャルは距離を取って弓で何とかしようという腹だな」

実況「しかし、ラムセス2世は自分で戦車を駆って接近してきますので、中々うまくいきません。馬を御しながら槍を振り回すとか訳が分かりませんが、ヒッタイトとの戦いでそんなことをしたというような話があります」

司馬遷「北朝鮮の総書記が、ゴルフでホールインワンを15回やったとか言っているようなものじゃないのか？」

ラムセス2世「どりゃ！」

実況「ラムセス2世、槍を投げつけました！　これが直撃！　ラムセス2世、快勝です！　やはり強いエピソードがあるファラオは強かった。あ、負けたカラチャルさんがチームリーダーのチャガタイさんに怒られています」

チャガタイ「何て情けないんだ！　お前は。厳罰に処するから覚悟しておけ！」

実況「理不尽なまでに怒られています。ラムセス2世が相手では気の毒ではありますが、チャガタイさんは法律を厳格に適用する人なので、減免はなさそうです」

×チャガタイ・ウルス (15) VS エジプト古王朝(17)○

エジプト古王朝、二回戦進出