八日目

第一試合

ムガル朝 vs 幕末・明治

対戦形式:個人戦・武術

ハルドゥーン「インド最強は多分ムガル朝だろう。近代化に失敗したのは事実だけれど、創立からしばらくの間の強さは特筆に値する」


司馬遷「東洋の外れにある日本が、一気に先進国へと登っていくのは幕末から明治への膨大なエネルギーだ。20世紀除外で外されるだろう人間もいるだろうが、このエネルギーを無視することはできない」


ヘロドトス「近代化に失敗した強国と、近代化できるきっかけを掴んだ中規模国。面白い取り合わせであるな」


実況「対戦形式は個人武術です。剣豪の多かった幕末から数を送り込めば、幕末・明治にも大いに勝機がありそうです!」



第二試合

江戸 vs ロマノフ朝

対戦形式:女王・文

司馬遷「日ノ本が泰平の時を迎え、江戸は世界でも屈指の都市となった。軍事力の発展という意味では問題があったかもしれないが、江戸時代の強さを軽視してはならない」


ハルドゥーン「しかし、相手はロシア帝国ロマノフ朝だ。近代化に遅れたとはいっても、世界最高クラスの物量があるし、個々人として天賦の才に恵まれた人間は多い」


実況「なまじ近代化し損ねたので目立つ人がとことん目立って、能力以上に評価されているという側面もあるかもしれませんが…。対戦形式は、女性の学術です! これは文人女性を多く擁しているロマノフ朝がかなり有利かも…うん?」


???「江戸幕府の皆さん、ご機嫌よう。初戦はこの私、エカチェリーナ・ダーシュコワが務めさせていただきますわ」


実況「何と! ロマノフ朝、対戦形式決定時点で予告先発をしてきました! エカチェリーナ・ダーシュコワ公爵夫人です。しかし、ロマノフ朝女性陣では二番手だと思うのですけれど、初戦から使って大丈夫なのでしょうか?」


ヘロドトス「個人能力では世界史トップ3に入ると言っても過言ではないし、次以降に取っておいた方がいいのでは…」


エカチェリーナ・ダーシュコワ「私が一人で勝ち進めば、人数を温存できますわ」


実況「これは! 江戸幕府が三人出して来ても一人で返り討ちにできるという必勝宣言です。このタイトル始まって以来初めて強ボス的言動をしています」


ハルドゥーン「とんでもない自信だ」


司馬遷「江戸幕府は誰が、この最強女王に挑むのだ!?」



第三試合

秦・楚 vs マムルーク朝

対戦形式:料理王

司馬遷「キングダムのおかげで秦・楚も大分有名になったな」


ハルドゥーン「あれのまんまだと思われると大変なことになるけどね」


ヘロドトス「対するはマムルーク朝。正直言うと戦力的には秦・楚より若干上ではないかと思うが、中々熱い対戦になった。見ろ、両国の武官共がメンチを切り合っているぞ」


李信「てめぇ、政に何かやってみろ。ただじゃおかねぇからな」


クトゥズ「何やとこのボケ? いてもうたろうか?」


実況「運命の対戦形式は…料理です! 中華料理対エジプト料理の対決になりました」


司馬遷「クトゥズと李信がずっこけておるな」



第四試合

チャクリー朝 vs 李氏朝鮮

対戦形式:女王・武

ヘロドドス「現在まで続くタイ・チャクリー朝が登場だ。プミポン国王で知られた20世紀のラーマ9世は出せないが、最近の国だから情報が豊富という強みがある」


司馬遷「対するは20世紀まで続いた李氏朝鮮ということで、こちらも情報は豊富だ」


ハルドゥーン「戦力的には互角に近いかな。タイは独立を続けられたから外交能力的には上だと思うけど、外交はあまり関係ないからねぇ」


実況「対戦形式は女性同士のバトルです。李氏朝鮮は抗日運動系の女性が多いのですが、これも20世紀なので登場不可。お互い窮屈な人選になりそうです」



第五試合

鎌倉 vs アルゼンチン

対戦形式:女王・文

司馬遷「鎌倉日本だが、源氏系はこちらに入る。平氏は平安だがな」


ハルドゥーン「巴御前など女性武系が強い印象がある」


ヘロドトス「一方のアルゼンチン、南米だから地味だけれど、20世紀初頭は世界経済第6位にいた時期もあるわけだし、19世紀くらいは割とうまくいっていたように思う」


実況「対戦形式は女性の文系になりました。女性文人は鎌倉より平安の方が強そうですが、果たして誰が出てくるでしょうか」


ヘロドトス「ブラジル、パラグアイに続いてアルゼンチンも…。南米各国が全部女性文系という偏った対戦になってしまったなぁ」


実況「20世紀ありならエビータさんがいますけれどね。エビータさんが文化系なのかという突っ込みもありそうですけれど」



第六試合

モノモタパ王国 vs ヴァチカン

対戦形式:料理王

ヘロドトス「アフリカ南部で長きに渡って繁栄してきたモノモタパ王国。作者的には南アフリカというとズールー族なのだが、さすがに人数が少なすぎるからな」


ハルドゥーン「とはいえ、モノモタパ王国も聞いたことあるレベルなのでどこまで揃うのかという話はあるが」


ヘロドトス「魑魅魍魎とした陰謀渦巻く世界、それがヴァチカン…と言ったらさすがに危険か? ともあれ、2000年間続いている脅威の世界が登場だ」


司馬遷「戦闘系を引いたらどうするんだろうな?」


ハルドゥーン「チェーザレ・ボルジアが教皇の息子として登場できるから大丈夫」


実況「何だかんだで傭兵も多そうですしね。ただ、対戦形式は料理です! 料理結構多い気がします」


ヘロドトス「南米が文系女性ばかり引いているが、アフリカもこれで四か国目か。割と偏っているかもしれないな」


ハルドゥーン「ヴァチカンは何を出すんだ? パンとワインのみだと悲しいなぁ」



第七戦

マヤ連合軍 vs ルーマニア

対戦形式:個人戦武術

ヘロドトス「中米の密林に存在していたマヤ文明。そういえばマヤ文明が語る世界消滅の日なんていうのが、ノストラダムスの大予言の次にあったなぁ」


ハルドゥーン「あったねぇ。こちらも武力系はかなり強そうだよね」


ヘロドトス「対するはルーマニアだ。ルーマニアという形で国が存在するようになったのは近年だから、トランシルヴァニアとワラキアとモルダビアの総称になるだろうな。一言で言ってしまえば、作者がヴラド・ツェペシュ出せればいいなぁということから入ることになった」


実況「身もふたもない言い方ですが、その願いはかなうかもしれません。対戦形式は個人戦武術です」


ハルドゥーン「ヴラド・ツェペシュって強かったのかな?」


ヘロドトス「強いだろう。ドラキュラだぞ」


実況「いや、それはフィクションですから…」



第八試合

サアド朝 vs ファーティマ朝

対戦形式:幸運王

実況「一回戦最後の試合は、モロッコのサアド朝とエジプトのファーティマ朝です」


ハルドゥーン「サアド朝というと、派手な戦いが多いね。三皇帝の戦いとか、サハラ越えてソンガイまで攻め込みましたとか。だから戦闘系は強そうだ」


ヘロドトス「一方のファーティマ朝も失踪したカリフとか話題には事欠かない。戦闘形式によってはかなり面白いものになるかもしれない」


実況「…が、対戦形式はジャンケンでした。最後がこれというのが”らしい”かもしれませんし、”ふざけている”となるかもしれません」

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