二日目・第3、4、6、8試合
第三試合
実況「動物王対決という一番難しい対決となりましたこの試合。ポーランド・リトアニア王国は馬です! ユサール騎兵が出てきました」
ヤン・ソビェスキ「行けー!」
実況「ソビェスキの指揮の下に1000騎のユサール騎兵が進んでいきます。壮観です!」
司馬遷「馬が中国よりでけぇ」
ヘロドトス「羽がかっけぇ」
ハルドゥーン「あんなのの正面には立ちたくないなぁ」
実況「一方のタウングー朝は虎です! ミャンマーの森林地帯には昔マレートラが沢山いたことで知られています」
司馬遷「おお、立派な虎だ。こんなのが沢山いる中を進軍していたんだから、昔のミャンマー兵は大変だったろうなぁ」
ヘロドトス「ただ、ミャンマーの森に虎がいたというだけで、タウングー朝を象徴する動物というわけではない。これは大きな減点材料だ」
実況「はい。一応探したのですけれど、そうしたものは見つかりませんでした。そうした中での判定となりますと…、やはりポーランド・リトアニア王国の勝利です」
司馬遷「仕方ない話だが、いるというだけではなぁ。インドなら象部隊とか主張できるが…」
ハルドゥーン「バインナウンは中国読みだと莽応龍らしいから、ドラゴンがいたらまだつながりがあったんだろうけれどねえ」
×タウングー朝 (10) VS ポーランド・リトアニア王国 (5)○
ポーランド・リトアニア王国が二回戦進出
第四試合
実況「グプタ朝からはドゥルバデヴィさんが出てきました」
ヘロドトス「どういう女性なのだ?」
実況「チャンドラグプタ2世の妻で、カマーラグプタ1世の母親です」
ハルドゥーン「お、おぅ…」
実況「文化活動をしている人の情報がありません! 以上!」
ヘロドトス「大変なことになってきた。チャールキヤ朝なんてもっと情報がなさそうだし、まさか試合不成立クラスの惨憺たる有様なのか?」
実況「チャールキヤ朝からはラニ・アッカデヴィさんが出てきました。後期チャールキヤの王女です。彼女は仏教もジャイナ教も保護し、文芸の発展に努めてきたことで知られています」
ヘロドトス「まともだ」
ハルドゥーン「これは決まりだ」
司馬遷「サイコロ振るまでもないんじゃないか?」
実況「一応振りましょう。1-11。グプタ朝、サイコロの目も悲惨なものでした」
アッカデヴィ「南インドの情報がないからって馬鹿にしないでちょうだいね」
×グプタ朝 (1) VS チャールキヤ朝 (11)○
チャールキヤ朝、二回戦進出
第六試合
実況「コンゴ王国からはアフォンソ1世が出てきました。16世紀、ポルトガルに留学して、キリスト教を学んできたという人です。その治世の間に奴隷貿易が増えてしまって、コンゴの社会を変えてしまったという、歴史の分岐点にいた王でもありました」
ヘロドトス「コンゴに限らず、アフリカは口頭による文化継承などが盛んだから、歴史のことが分かりにくい。欧州や東洋の文字で残す形の方が間違いないし、事実、アフォンソ1世を選択した。ただ、口頭による文化伝播が必ずしも素晴らしいかどうかは分からんな」
実況「そうですね。欧州で勉強したことが、現地で勉強したことに勝るのかどうかの評価は難しいところです」
ハルドゥーン「ウマイヤ朝からはイブン・フィナースだ。イスラーム系では初めて空を飛んだ人物として知られている」
ヘロドトス「またかっ飛んだのが出てきたな」
実況「…他にも学芸的なことはもちろん、詩作や音楽といった芸術的なこともやっていたそうです。学芸という点では、アフォンソ1世よりこちらの方が純正ですね」
司馬遷「そうだな。ウマイヤ朝側の方が有利だ」
イブン・フィナース「どうだ!」
ヘロドトス「おおっ、本当に飛んだ!」
イブン・フィナース「ハハハ! うわっ!」
実況「えっ!? 墜落しちゃいました。大丈夫ですか!?」
イブン・フィナース「……アイ、キャーント、フライ…」
ハルドゥーン「リタイアしてしまった」
実況「…途中でリタイアしてしまった以上、コンゴ王国の勝ちにするしかありません」
司馬遷「これは波乱だ。サイコロが結果をひっくり返した初のパターンになってしまったな」
実況「コンゴ王国が勝つと、作者は次の試合も人選に苦労しそうです…」
×ウマイヤ朝 (3) VS コンゴ王国 (18)○
コンゴ王国、二回戦進出
第八試合
実況「新羅はここを勝つしかないので、奇跡を目指して三人出陣です。予知なら任せて善徳女王、新羅といえばこの人金庾信、海戦向きですが四の五の言っていられないということで張保皐を出してきました。善徳女王が相手の戦術を完全に予知することができれば、あわやがあるかもしれません」
司馬遷「どうしようもないと人間、神頼みになってくるな」
実況「対する清は、ドルゴン、呉三桂、鄭芝龍の三人です。海戦向きの張保皐に対抗しての鄭芝龍でしょうか。戦場ですが、何故か朝鮮との国境である鴨緑江を指定してきました。諸々の理由で布陣図はありませんが」
ヘロドトス「ドルゴン以外の二人は忠誠心的にどうなのだろう? 裏切りというシステムは予定されてはいないが」
実況「さて、新羅本陣、善徳女王が占いの儀式をしています。女王は戦闘では役に立てないと思いますので、ここでどれだけ清軍の動きをどこまで読めるかが重要です」
善徳女王「ハッ! 清の呉三桂は、陳円円とイチャイチャしているであろう」
司馬遷「おおっ!?」
呉三桂「円円よ。今日の夕食も楽しいのう」
陳円円「はい。明日は新羅に勝っての戦勝祝いでもっと楽しくなりたいです」
司馬遷「確かにイチャイチャしているが…」
実況「せめてどこでイチャイチャしているかが分からないと、どうしようもないですね…」
ドルゴン「攻撃開始!」
ヘロドトス「結局、新羅はチャンスを生かせず、ドルゴン軍が攻めてきた」
実況「しかし、何故か呉三桂が後ろで待機しているので、部隊数では善徳女王のいない新羅軍と変わりありません」
ハルドゥーン「そうは言っても兵力数に違いがあるし…」
張保皐「敵海軍にアムノッカン(鴨緑江)を超えさせるな!」
実況「おおっ、張保皐の部隊が鄭芝龍隊を激しく攻撃しています! 鄭芝龍隊、やる気がないのか防戦一方です!」
鄭芝龍「俺達海賊だから、真剣に戦ってなんかいられないしー」
司馬遷「人数不足でもないのだし、もう少し忠誠心がある奴を使ってもいいんじゃないだろうか」
金庾信「よし、中央を何とか突破してやる!」
実況「新羅軍、金庾信部隊が全軍あげてドルゴン隊に向かっていきます!」
ドルゴン「ブムブタイよ! 私は負けん!」
実況「おーっと! ドルゴンは兄嫁の名前を叫んで防戦に当たっております!」
司馬遷「ドルゴンと兄嫁との関係については、ドラマにもなっているが、資料的には否定説が強いんだがな」
実況「しかし、金庾信も頑張ります。お互い中々崩せません。あっ、そんなことをしている内に呉三桂です! 呉三桂がここぞとばかりに隣の橋を渡って、善徳女王のいる本陣を目指しています! 美味しいところを取ることにかけては世界史随一です!」
金庾信「へ、陛下―!」
実況「やはり実力差は大きかった! 清朝、海軍がイマイチでしたが見事な勝利です!」
清 (12-2-18) VS 新羅 (11-8-14)
清、二回戦進出
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