六日目

第一試合

黎朝 vs マリ王国

対戦形式:攻城戦 (攻城側:黎朝)

司馬遷「ベトナムはチャンパを入れるかどうかも考えたのだが」


ハルドゥーン「1500年以上続いている国だから、入れた方が良かったような気もするね」


司馬遷「ただ、黎利の魔剣の逸話に作者がついつい惹かれてしまってな」


ヘロドトス「まあ、フランクを外したのと違って、取捨選択しているからいいのではないか? 一方マリ王国というと、マンサ・ムーサだ」


司馬遷「何だかんだで金がある奴は強い。と考えると、実は優勝候補なのかもしれん」


実況「採点なんて金でいかようにも変えられますものね」


司馬遷「そうそう、地獄の沙汰も判定も金次第…。ハッ!」


実況「…解説の交代を検討してもらいましょうか…」


司馬遷「待ってくれ! ちょっとした冗談に決まっているじゃないか。私にとって歴史とは男の象徴を犠牲にしてでも追い求めなければならないものなのだから」


実況「対戦形式は攻城戦です。攻城戦では金が大いにものを言いそうですが、反面、金だけあっても人間生きていけないということになる可能性もありますね」


第二試合

マウリヤ朝 vs デリー・スルタン朝

対戦形式:女王・武

ヘロドトス「10万人虐殺して、後悔して仏教に改宗した男、アショーカを擁するのがマウリヤ朝だ。インドで最初の大型王朝だな」


ハルドゥーン「その後は敬虔な仏教徒になったらしい。極端だよね」


司馬遷「一方、同じインドのデリー・スルタン朝の時代に、インドはイスラーム化が進んだ。デリーを都にした国五つの総称ではあるが、一つ一つでは太刀打ちできないからみんなまとめてワンチームで戦うことになった。それでも勝てるかどうかは分からないが」


実況「対戦形式は久しぶりの女王・武芸戦! これは、これは…」


一同「キター(゚∀゚)―!」


実況「これはもう、あの人が華麗に勝ち上がるのを観戦してくれということでしょう」



第三試合

エチオピア帝国 vs 高麗

対戦形式:料理王

ヘロドトス「アフリカでもっとも古い国というとエチオピアだ。アフリカで唯一、欧州の国に勝った点も強みではあるな」


司馬遷「朝鮮の高麗は…、あまりこれといったエピソードがない国ではあるな」


実況「ダイス神もそうした状況を考慮したのか、対戦形式は料理となりました。朝鮮料理対エチオピア料理という珍しい対決です」


ハルドゥーン「これは全くの五分と五分だね。焼肉食べたいなぁ」



第四試合

突厥 vs ノルマン人連合軍

対戦形式:個人戦・武術

司馬遷「遊牧民というとモンゴルのイメージが強いが、突厥も非常に強力な部族だった。唐だって最初は苦しめられたわけだからな」


ヘロドトス「ノルマン人というとノルマン・コンクエストが有名であるな。また、イタリア南部に王国を有していた時代もある。そうした面々の連合軍だ」


ハルドゥーン「どちらも武勇に秀でているだけに、個人戦武術は中々面白いね。期待したい」



第五試合

五代十国 vs ガージャール朝

対戦形式:個人戦学術

司馬遷「中国から参加している中では、晋・五胡十六国かここが一番弱い候補だろうな? 分裂しまくっているのだから当然といえば当然だが、オール中国クラスが一人しか思いつかない」


ハルドゥーン「なるほど」


司馬遷「相槌打ってないでガージャール朝の紹介をしろ」


ハルドゥーン「何をおっしゃるウサギさん。宦官仲間同士なのだし、ガージャール朝も司馬遷さんが紹介するべきだと思うよ」


司馬遷「なっ…! くっ、ガージャール朝創始者のアーガー・ムハンマドは確かに宦官だ。宦官が建国した国というのはここくらいではないかな?」


ヘロドトス「明日死刑にすると命じた奴隷に引き続き身の回りのことを任せていて暗殺されたというあたり、まともな思考回路の持ち主とは思えんのだがなぁ。まあ、まともじゃないから宦官でありながら国を作ったともいえるが」


実況「対戦相手は個人戦学術です。五代十国はいきなり切り札を出してくるでしょう。ガージャール朝は誰を出してくるでしょうか?」



第六試合

パガン朝 vs ネパール王国

対戦形式:攻城戦 (攻城側:ネパール王国)

司馬遷「ミャンマー最初の大型王国がパガン朝だ」


実況「実は東京・四谷と市ヶ谷の間くらいにゴールデンバガンというビルマ料理の店があります。行ったことがないのですが、パガンではなくバガンなのは何故だろうと思ったら、英語表記はpaganなのですが現地語の発音的にはpよりbに近いようです」


司馬遷「最近は対戦相手のネパール料理店も増えてきているな」


実況「インドと食文化が似ているようなので、カレー屋として出しやすいというのはあるのかもしれませんね。インド料理ではなく南インド料理店もちらほら出てきていますが、あちらは辛いというより酸っぱい料理が多いイメージです」


ハルドゥーン「インドや中国は広いから植物も取りやすい肉も全然違うだろうからね。同じ葡萄で作るワインだって地域ごとに結構差があるのだから」


実況「食事の話ばかりしていましたが、対戦形式はパガン朝籠城側での攻城戦です。どちらも情報が少ないので、結構五分五分で試合が出来そうなイメージがあります」



第七試合

ヒッタイト vs 李朝

対戦形式:女王・文

ヘロドトス「世界で初めて鉄製武器を使ったと言われているのがヒッタイトだ。正直言うと、紀元前1500年くらいの古代国家なのに、単独で出てくるということ自体相当凄いのだ」


ハルドゥーン「でも、ヒッタイトも古王国、中王国、新王国という具合で単一国家とは言いづらいんだけどね。それでも、これだけ古い国家がしっかり記録が残っているというのは素晴らしいことだね」


司馬遷「一方、ベトナムの李朝は地味な印象だ。こちらは12世紀くらいの国だが、正直把握人数だけで言えばヒッタイトの方が多い」


実況「対戦形式は文系女子です。どちらも女性という点では特筆すべき情報がない者同士、これも予想のつかない争いになりそうです」


ヘロドトス「調べたら誰もいませんでした、となったりしてな」



第八試合

吐蕃 vs 晋・五胡十六国

対戦形式:攻城戦 (攻城側:吐蕃)

ハルドゥーン「チベットだって強い時期があった。それが吐蕃の最盛期だ。吐蕃以降はモンゴルとの関わりがあった以外は徐々に勢力が衰えてしまっているのが実情だ」


司馬遷「三国を制した晋だが、すぐに八王の乱によって分裂してしまい、以降、隋が出てくるまで南北に別れて争うことになった。北の五胡十六国がチーム名前に入っているが、南北朝の面々も入っているぞ。それくらいでようやく一人前だろうからな」


ヘロドトス「個々人として面白い人物はいるのだが、総合的には微妙レベルになるのだろうな」


実況「対戦形式は攻城戦です。吐蕃はチベットの強さを見せつけることができるのでしょうか?」

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