第8話 北門の門番
ドサドサドサっと鈍い音がした。
「よしっ勝負ありだな」
ガギィーン。シュトトトト。
気づけば人が多いところに連れてこられていた。
村というよりは、鍛錬場だろうか。
あちらこちらで鍛錬している人たちがいた。
彼はその中をまっすぐ進み、建物の中を進み、1つの部屋の前で立ち止まった。
こんこんこん部屋をノックすると「失礼しまーす」と言って扉を開けた。
部屋の中には3人の姿があった。
窓際で外を眺めている、赤い髪を一つに束ねた女性。
左側にある席で、大量の書類に目を通すメガネをした中性的な人。
右側で筋トレしているガタイの良い男性。
赤い髪の女性が振り向いた。
「さて、汝。どうしてこの付近を歩いておった」
鋭い眼光に、たじろぐ。
「えーっと……城壁の門を見てみたくて」
「へぇー城門」
隣から声がした。
「君?この近くの村の人じゃないよね?ここが北の門の領地じゃなければ今頃殺されてるかもしれないよ」
書類の処理をしていた人物がいつの間にか話に混ざっていた。
「あー何も知らないんだね。君。この国のことは知ってるの?」
僕はニコくんから聞いた情報を伝えた。
「その人結構大雑把だね。四龍は本来一人いれば十分門を守れるわけだ。しかし北門は魔力がなくなり、前任者の力が使えなくなって、武力で1番強かった。焔(ほむら)様と交代した。しかし焔様は魔獣を倒すだけじゃ暇すぎて、村にいた人や城壁の中にいる人材を育成して、自分と互角もしくは自分より強い人を見つけて闘いたいってわけ」
「こら二玄」
筋肉の男が説明していた二玄という人の頭を軽く小突いた。
「間違ったことは言ってないだろ」
二玄は少し不機嫌な顔をした。
「はははまぁ良いじゃないか」
赤髪の女性の口調が変わった。
「私が北門の門番焔だ。君は……魔法が使えないんだろう?それなら私のところで鍛えていくか?」
「なんで魔法が使えないことを……?」
「ん?だってお前北国の……えーっとなんだったか……北の方にある国の人間だろ?」
「えっ!?」
「その髪色と、瞳の色。それはXXXの特徴だ」
一箇所だけ膜が張ったかのように聞き取れなかった。
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