第2話 村が襲われた夜
数日後 夜
「キャー」
「助けて」
「逃げろ」
人々の怒号と悲鳴で目を覚ました。
何!?何!?何!?
一瞬で異常事態だと察知し飛び起きた。家から出ようと思ったが、外側から圧力がかかっているのか扉を開けることができない。
仕方なく窓へと向かう。幸いこちらは簡単に開いた。
窓枠に足をかけて、はっと息をのむ。
村は普段の落ち着いた雰囲気とは違い、至る所から炎が上がり異様な空気をしていた。
えっ……何が起こっているの?
状況が把握できずにいると、どこからかロウが走ってきた。
「シロ無事か?」
「どう……何が……」
混乱してうまく言葉がまとまらない。
「取り敢えずここは危ないから、行こう」
そう言って彼は何も言わずに走り出した。
僕は状況を理解しないまま、彼の背中を追う。
ガシャーンと大きな音が近くから聞こえ思わず振り返る。
私の家を覆う大きな黒い塊が私の家をちょうど破壊していた。
えっ……何あれ……ロウが助けに来るの遅かったら……考えてゾッとする。
「…ろ………ぃろ……しろ!!」
ロウの声にハッとする。
ロウと目が合う。舌打ちをしたかと思うと、ガキィンと音が響いた。
先程僕の家を襲っていた黒い塊が僕達に気づき一瞬で距離を縮め襲いかかってきたようだ。
ロウは瞬時に判断し剣を抜いた。その事実の大きさに僕な後々気付くことになる。
ロウは剣で魔獣の爪を弾くと、低い姿勢で魔獣の後ろに回り込み一撃を喰らわす。
ゴォォオォォォオと魔獣の叫びが響くもロウは全く気にしない。
クルッと魔獣が後ろを振り向き、ロウ目がけて地面を思いっきり殴る。
「ロウッ!!!!!」
ひび割れた地面にロウの姿はなかった。
「轟け、蒼き咆哮」
瞬間ロウの剣が青く光り、大きく虎のような形になり、魔獣へと襲いかかった。
魔獣の肩から大量の紫の血が飛び散り、魔獣はドォォォンという大きな音をたて倒れた。
「いくぞ」
ロウが何事もなかったかのように走り出した。
動き出せない僕に気付くと「ここは危ないから話は後だ」と言ってまた走り始めた。
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