ここには、よくある神様に与えられるようなものはなかった。いや、一応これかな、と思えるものはあっても楽な道のりでもなかった。大自然の恐るべき生態系に迷い込んだ家族達。そして描写が鮮やか。例えると、とある羆を題材または白い牙という小説のような臨場感に柔らかい文体を混ぜて、心温まる日常描写と家族とのかけあいを足したような。時に切なくも美しい生き方の彼等の行く末を、これからも全力で幸せを祈りつつ読ませていただきます。