久しぶりの部活

 昨日倒れてしまった理由は貧血だと思い、鉄分を摂取できるチョコバーを食べていると制服姿の朝日が部屋に入ってきた。

「兄さん、何食べてるんですか?」

「ん?チョコバー。食べる?」

「はい、頂きますね。て言うかもう時間ですよ?」

「えっ?ホントじゃん!先行ってて!」

「わかりました兄さんを待ちながらチョコバー食べてますね。あっ、外で待ってますね」

 そう言って朝日は小動物みたいにチョコバーを食べながら部屋の外に出ていった。その間に着替えてすぐ、走って家を出た。


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 学校

 遅刻ギリギリだったけど本気で走って間に合った

「ぜぇぜぇ…」

「兄さんなんでそんなに疲れてるんですか?」

「なんでってそりゃぁ走ったからだよ!なんで朝日は疲れてないの!?」

 朝日は疲れる素振りすら見せずに1限目の授業の準備をしている。

「疲れてないのは普通に兄さんより体力あるからですね」

 朝日はそう言った後に「ほら、授業に遅れますよ?」と言われ時計を確認すると残り2分だった。

 今日は時間に余裕がないなと感じながら向かった。

 授業には受けてそして昼になった。

 昼になった途端クラスの男子が朝日と昼ごはんを食べる為に誘っていたが朝日は丁寧に「すいません今日は約束があるのですいません」と言っても諦めきれないやつは唯が説得脅して諦めさせた。

 そして、前に月と月の彼女さんと朝日達と食べた場所で一人で食べに行こうとしたけどそこに先客が居た。

「ん?先輩じゃないっすか。どうしてここにいるんすか?」

 時雨だった。

「ぼっち弁当か?一緒に食べよっか?」

「先輩に心配されると何か嫌っすね」

 えぇ〜?凄い失礼なこと言われた気がする。

 まぁ、座るか。そう思いながら時雨の隣に座った。

「…座っていいとは言ってないんすけど?」

「いやいや、そこに座れと言ってるぐらいのスペースがそこにあったんでね」

「そう言えば先輩、今日は部活に来てくださいっすよ?いつも先輩が部活忘れて帰ってるから顧問の静井先生がもう放置してるんすから」

「今日部活だったのか!?」

「今日というかほぼ毎日あるんすよ?だから私先輩に連絡しようとしたんすけど、連絡先を知らなかったから言えなかったんすよ。だから連絡先交換してくださいっす!」

 そう言えば時雨と連絡先交換してなかったな。と、思いながら連絡先を交換した。

「よしっ!これで先輩が部活忘れて帰ってもあるって言えるっすね!あっ、早く食べましょ!」

そう言い、昼食を食べて先に部屋を出た。

昼食後に少し授業があったが教科書にラノベを隠して読んでいたらチャイムになっていた。

その音を聞いて昼に後輩が部活来てくださいっすね!と、言ったのを思い出して一人で部室に向かった。

部室の前まで行った。そして部屋の前にある貼り紙を見ると──

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片霧へ、お前さっさと部活に来やがれ。

By静井

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この貼り紙が本当に静井先生の声が聞こえ──

「──やっと来たか片霧」

その声が聞こえた瞬間、身体が固まった。

「いやはや、まさか部活がある曜日すら忘れていたとはな」

ゆっくりと後ろを振り向くとそこには静井先生が居た。それもニコニコ笑っていた。

「せ、先生?ど、どうしてそんなにニコニコしてるんですか?」

僕がそう聞くと先生は

「ん?あぁ嬉しいからだが?」

「はい?」

「まぁ良い、とりあえず入れ」

「お前がこの部活に入ってから部室に何回来た?」

「11回?」

「それは昨年だろ」

その言葉を聞き、あっ、と思う。確かに今年1回も行ってないな。

「すいません」

「いやいや、謝らなくていい。この部活は私が設立したけど人が居なくて廃部する所を、当時、部活に迷ってたお前が入ってくれたから今もこの部活があるんだよ。」

と、先生の話が終わった後に扉が開いた。

「先生こんにちは──って、先輩来てたんすね!」

時雨が入ってきた。そして自然にうちの横に座ってきた。

「おい、どうして横座る」

「昼のお返しです」

そう言い舌をべーって出した後、二人で笑っていた。

そんな事をしていると先生が僕と時雨に1200円を渡してこう言った。

「今日は全く来なかった片霧が来た日だ。久しぶりにこの部室の本棚に新しい本を入れてこい!」

「先生さすが!新しい本を本棚に入れたかったんで──」

「片霧、お前ここにどんな本があるか知ってるのか?」

「いや?知りませんけど」

「知らんなら何故言ったし」

何故言ったかか…う〜ん

「本が欲しいからですね」

と、言うと先生はため息をつきこう言った。「まぁ良い。とりあえず行ってこい。買ってきた後で部活内容を改めて言うからな」

先生がそう言った後に「ほら行った行った」

そう言って僕と時雨を買い物に行かせた。


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私は相変わらずだなと思い、2人の姿を窓から見ている。

ああやって歩いてたな。だけど今のアイツはあの頃を覚えていないんだろうな。

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