学級委員長が乗り気な件


 ……そして目的の服屋に着いた。しかし、僕は見た瞬間思わす口に出す。

「これさ、ただの服屋じゃなくてレディースじゃね!?」

「そうですよ?兄さん見て分からないんですか?」

「分かるよ!?分かるからこう言ってるんでしょ!?」

 朝日はニヤニヤしてこっちを見てくる。

 クソっ、嵌められた!今一番考えなきゃいけないのは唯にあの事がバレな──

「唯さんメール交換をしましょ」

「いいよ!後、さん付けしなくて良いから唯って呼んで。」

「あっ、ついでに私もしていいかい?」

 と、考えてるうちに。メール交換を朝日と唯と姉さんがしていた。

 僕はそれを見た瞬間、朝日にメールを送った。例の女装の事は唯に言わないで。

 そう送って唯の方を見るとまたニコッとしてこちらを見てくる。そして、返信が帰ってきた。送りませんよ?

 ……その言葉を聞いてまさか!、と思って姉さんの方を見ると間に合わなかった。

「見てみて、これ楓なんだよ!可愛くない!?」

「えっ、どれですか?…まさかこの人が楓なんですか!?うそっ……」

 もうダメだ……お嫁に行けない……

「兄さん、そんなに落ち込まないでくださいよ。そんなにお嫁に行きたいなら私の所来ますか?」

「また心を読んだな!?あと、行かんわ!」

 そんなことをしていると唯がこっちに近付いてきた。

「ねぇ、これって本当に楓なの?」

 そう聞かれ自分はもうどうにでもなれ精神で唯に女装の事を伝えた

「そうなの?良いじゃない!私も手伝うわ!」

 唯は何故か笑って手伝うと言ってきた

「こんなに可愛くなるとは思ってなかったけど一回だけ私の服貸したことあるけどそれが似合ってたぐらいの認識だったのだけれど…」

「あぁ!可愛いだろ!私の楓は!…ごほん、済まない少し興奮してしまった」

 待ってくれ、色々待ってくれ、情報をまとめてくれ…頼む……。姉さんはどうしたんだ本当に…ってか今気づいたけど姉さんはなんであの写真を?

「なぁ、朝日さんや何故姉さんがうちの女装写真(勝手に撮られた)を持っているのかい?」

「えぇ、それはですね兄さん。私が事前に兄さんが女装するという情報を渡してみたら姉さんが「私にも!私にも!」と言ってきたので嬉々として写真を送りましたからですよ」

「何故!?何故嬉々として送った!?」

「だって可愛い兄さんを誰かに見せたかったんですもん!」

「──お客さんお買い物っすか?店前で喋るんじゃなくて店内で喋って欲しいっす。……ってか先輩じゃないっすか!どうしたんですかハーレム作って〜」

「分かった待ってろすぐ入るから」

 そう言って話しかけてきたのは店員姿の部活の後輩、時雨奏だった。ここで会いたくないランキング第2位にランクインしている程である。って言うか知り合いに誰も会いたくない…

 今日は運が無い日なのかも知れない。

「おい待てハーレムなど作ってない!、って言うか後輩、何故わかったし」

「そりゃぁ散々煽ってきた先輩の声を忘れるわけないっすよ。で、あなたたち誰っすか?」

 後輩の声に少し嫉妬があるように感じた。

「私は楓と同じクラスでありの五月雨唯だよ。あと、学級委員長もやってるわ」

「私は兄さんの妹とこっちの姉の妹、片霧朝日です!よろしく」

「私は朝日の姉と楓の姉である片霧悠陽だよ。よろしくね」

 と、一通り挨拶が終わると時雨がこっちを見てきた。

「そう言えば先輩なんで女性の服屋前に居たんすか?」

 そう聞かれドキッとしたが本来の目的を話した。

「買い物の付き合い」

「誰のっすか?」

「唯の」

「唯...、先輩?私の事名前で呼ん──」

「お前が煽るの辞めれば呼ぶぞ?」


 僕はここで煽るのを辞めさせれば美人になる

 ので、ここで辞めさせれば─

「う〜ん悩むっすね、先輩に名前で呼んで貰う代わりにもう煽れないのはやっぱりいやっすね」

 やっぱり無理だった。

「ねぇ時雨さん、ってあるかしら」

 姉さんが言ってはいけない事をまたもや言ってしまった…もうダメだ

 その言葉を聞いた時雨がこっちを見て唯と同じような顔でこちらを見てくる。

「へぇ〜?ふ〜ん?先輩そういう趣味なんすね」

 もう今日は本当にダメかも知れない…

 そんな事を考えてたらいきなり目眩がして、倒れた。

 意識を失う前に時雨が喋ってた事を覚えている


 ────────────────────

 起きると白い天井があった。これはよく小説で見ている表現だったような…

「大丈夫っすか先輩!」

 時雨が顔を出てきた。

「ここって病院か?」

「はいっす!私はさっき起きたんですけど他の3人はまだ寝てるっす」

 僕はそう言われ横を見ると3人が寝ていた。

「なぁ後輩、何日経った?」

「えっと〜待っててください」

 そう言って時雨はスマホを見て時間を確認した。

「えっと何日も経ってはないんすけど、3時間ぐらい経ってるっすね」

 全然立ってなかったわ恥ずかしい……

「まぁ、とりあえず一旦仕事に戻るっすね。もう夕方なんで早く帰ってくださいね」

 時雨はそう言って病室から出ていった。


 僕はとりあえず3人を起こして時間が時間だから唯と別れて家に帰った。

そして、今日倒れた事を父さんに伝えた。

父さんはそうか… と良い今日はもう遅いから寝なさいと言ってきた。

僕はそうすると言い、2階の自分の部屋に戻りベットに倒れた体制のまま寝てしまった

 ────────────────────

 先輩は昔から何かがあると意識を失ってしまう体質であるのは知ってる。

 それがどんな原因かを知っているからこそ私は先輩に伝えないといけないことがある…





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