休み明けの学校

女装してしまった後日、久しぶりの学校だから朝早くに出掛けようと準備をしていると

「兄さん起きてますか〜?学校行きますよ〜?置いてきますよ〜?」

「分かったから!扉を叩くのやめて壊れちゃう」

扉をコンコンではなくドンドンだからいつ壊れるか分からん…

「失礼な!私ほどか弱い女の子は居ませんよ?まぁ、そんな事よりさっさと朝食食べて行きましょ!」

「あ、うん、食べてくるは。先に学校行ってきて良いよ」

そう言って僕は階段降りて朝食のパンを食べた。そして、家の玄関を開けた

「先行ってて良いって言ったんだけど?」

「いえいえ、学校が分からないので案内して下さい」

「だったら先にそう言ってくれれば…」

「言おうとしたんですけど先に1階に降りたから言えませんでした」

「あっ、ごめん。じゃあ行くか」

そう言って僕は玄関を開けていつもの通学路を歩いていると同じ制服の生徒が見えてくる。

そして、小説でよく見る周りの男子からの視線が痛いのだ。

「これがいわゆる視線が痛いと言うやつか…」

「兄さんなんか言いました?」

「いや、何も言ってないよ」

そんな事を言ってるうちに学校に着いた。

さっきから男子からの視線が殺気に変わってるような…

「あっ、私は1回職員室行ってくるので先に教室で待っててください」

「ん?あぁ、分かった」

朝日が離れて行くのを見届けて前を向くと見覚えのある顔が僅か30cmぐらいの距離にあった。

「ねぇ楓?あの女の子は誰?」

「それより毎回思ってるんだけど顔近くね?」

「えっ?キャッ!本当だごめんね…」

そういって顔を赤くしてるのは、五月雨 唯。いわゆる幼なじみと言うやつだ。唯は僕に話しかける時に毎回顔を近づけて喋りかけて来る。一応学級委員長である。

「って、だからあの女の子は誰?」

「あ〜転校生と義妹」

「と?もう1人いるの?」

「いや居ないよ?だから転校生がうちの義妹なのよ」

「い!?妹ー!?あんた妹居なかったじゃない!どういう事よ!」

「父さんが再婚した。そして、再婚相手側に今の義妹と義姉が居る」

「再婚!?いつ!それに義姉!?ど、どどど!?」

そう言いながら唯は倒れてゆく。倒れた唯を引っ張りながら机に座らせて自分の席に戻った。その間、相変わらず男子の視線は痛かった。

「おーいホームルーム始めんぞ。それと今日転校してきた子の紹介をするわね。だから遊んでないでさっさと座りなさい」

担任の顧問の静井先生が来た。

静井先生は女の先生でノリが良いから他学年からも人気である。そして今、静井先生が言った言葉にクラスのみんながザワザワした。


どんな転校生かが気になるようだ。そのザワザワしている声で唯がやっと起きた。そしてさっきまで倒れてたのが嘘のように綺麗に座っている。

「よし、みんな 紹介するわね。入ってきて良いわよ」

そうして、入ってきたのは予想どうり義妹、朝日だった。その朝日を見て男子はザワザワしてたけど一部の男子が思いっきりこちらに殺意を向けてきた。


「皆さま初めまして片霧朝日と言います。これからよろしくお願いします。」

「おう、みんな仲良くしてくれよな。それとこの可愛い転校生は片霧の妹だ」

そう先生か言った瞬間僕はクラスのみんなから視線が向けられるのを察知して机の中に仕込んでいた小説タワーで視線をブロックした。

「おいおい何度言えば分かるんだ片霧ー!机の中には小説じゃなくて教科書とか単語帳を入れるんだよ!」

「視線が向けられるを予測して休み前に準備をしていたから入りませんでした〜!」

「はぁ...........まぁいい。とりあえずあの小説の壁を築いている兄の横でも座っていな。

まぁ今日のクラスルームはこれで終わりだ。またな!」

そう言って先生が颯爽と去っていった。

先生が教室から出ていったあと他の生徒が朝日に質問攻めされていく。

「好きな物ってなに?」

「気になってる人は?」

「片霧の事好──」

「はいストーップ!朝日ちゃんに質問攻めしちゃダメでしょ!」

そう学級委員長が言った途端みんな はーいって言って離れていった。

と、そんな光景を見ていると腕を引っ張られた。

「おい楓!逃げるぞ!お前も今日は昼まで逃げるんだ!」

「どういう事だ!?月、説明をして──」

「とりあえず逃げるぞ!部隊非リアがこっちに殺意を向けてはしってくるぞ!」

「クッソ!」

僕は幼なじみでリア充の月と一緒に全力疾走をした。その後、部隊達も追ってきた。


────────────────────


「ぜぇぜぇ…逃げきれたぁ」

「……今更なんだがなんで俺は追いかけられたんだ?」

「お前の義妹が可愛くて羨ましい、許さん!だってよ。」

結局僕と月は昼まで追いかけ続けられていた。

その時部屋の外から足音が聞こえた。それから声が聞こえた。

「お〜い、つっく〜ん?どこ〜?ご飯食べちゃうよ〜?」

「兄さん〜どこにいるんですか〜?せっかくご飯作ったのに…」

朝日と月の彼女、瑠璃さんだ。

僕達はその声を聞き

「「空き部屋の中居るよ(ぞ!)!」」

その言葉が聞こえたようで二人が入ってきた。

「ここ居たんですか…居たなら言ってくださいよ。」

「やっと見つけた〜そうだ!一緒にご飯食べましょ!教室に戻ったら捕まっちゃうもんね〜」

「ナイスアイデア!」

そんな事言いながらご飯を食べているうちに唯も部屋に入ってきて一緒にご飯を食べた。

そして、教室に戻ると僕達を追っていた部隊が全滅していた。それ以外の隊員は震え上がっていた。

何故なら僕達を追っかけている時に静井先生とぶつかりそうになった時に「邪魔っ!」と聞きブチ切れて一瞬のうちに全滅させていたのである。

そんなこんなあったが僕と朝日は一緒に家に帰り。夜食を食べ。早めに部屋に戻った。

そして、学校にまで置かせてもらっている積み本を減らすため読んでいるが…

「百合っていいよな…」

そう思いながら眠りについた。

積み本残り…56冊



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