詩 飴玉は石じゃない

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 飴玉は石じゃない


 固いけど石じゃない


 丈夫だけど石じゃない


 綺麗だけど石じゃない


 飴玉は石じゃない


 だから宝石とかでもない


 決して石じゃないんだから


 ポシェットの中に入れないで


 ポケットの中にも入れないで


 宝物箱の中にも入れないで

 

 暑いとこにいくと とけちゃうから


 暑くなると とけちゃうから


 とけると掃除が面倒だから


 とけると食べられなくなっちゃうから


 とけると虫が寄ってくるから


「だから私は、何度も言うわ」


――飴玉は石じゃない




「ストーリー」

 シェルターにお菓子が持ち込まれたわ。

 今日は飴玉がいっぱい。

 外の人達が滅びちゃったから、誰も食べる人がいないってのは可哀そうだし。

 私達がきちんと全部食べてあげなくちゃね。

 え?嬉しそう?

 べつ、べつに飴玉が好きだからそう言ってるとかじゃないのよ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩 飴玉は石じゃない 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ