幕間2
レポート①F文明人の信仰/作成中
あら。これ、陛下に頼まれていたお仕事じゃない。まったくもう。
…………何をおごってもらおうか、なー♪
「OK、
∧ ∧
(≧ヮ≦●)ノ~はい、お呼びでしょうかハイパティア様!
「
∧ ∧
Σ(。>д<。)ゞ~了解しました!
∧ ∧
(っ'ヮ'c)ノ~こちらです~
数時間後。
【概要】
B、C、D群種族……F文明人たちの文化について何年にも渡る調査を通した結果、幸いなことに非常に多くの事柄を我々の言語に投影することができました。
ここに改めてその内容をなるべく平易な表現でご報告したいと思います。
一度に多くのものをご報告しますと、体力の回復でお忙しい陛下のことですから、複数回に分けるべきと不甲斐ない我が妹サイファに代わってハイパティアは愚考いたします。
そこで今回は「信仰」にテーマとしました。
【はじめに】
もう説明の必要はないと存じますが……F文明人たちは四法民典第Ⅰ巻により3つの分類、すなわちB群種族、C群種族、D群種族に
何故かと申しますと、C群種族の大半は各々の感覚器によって
なお、チトセ(何か所属を)の
D群種族については絶対数が少なさ過ぎて、もしくはパラティヌスのように新たに分類されたものなど、「信仰」としてのサンプル確保が事実上不可能であると結論されたためです。
【Ⅰ章】
さて、F文明人はその種族分類に関係なくその信仰は
違うのは彼らの神とは自身の先祖そのものである点です。
現に彼らの言う昇上(のぼうがみ)とは「死んでいる神(先祖)」を指し、降上(こうりがみ)とは「今生きている神(先祖)」のことです。
次章にて各種族の
【Ⅱ章】
・新大陸ヨローアスイア編
国名:ッガリーア・ォトガタ樹瀞連王国
種族:
信神:ェャシャラマグニュ(EyCharlemagne)連王。二つ名に『ロラーンの
活躍:輪刻刻800、にて連王国内で勃発した『ザグゼンの大断裂とその
国名:連なる峰脈の麓に建造されしᚨᚱᛚᛈ ᛋ(アルプス)
種族:
信神:雷の部族、『多々鎚』のルアバ(綴り不明)
活躍:ᚨᚱᛚᛈ ᛋの建国者として知られている。その際、連王国との交渉では一切の武力衝突なく双方の合意に達することができたため、名君と評される。男性。
国名:巨石連島ブリデーン(又はグレィトブリデーン及びミニィダブリーン合石群)
種族:
信神:『融躰四王/七侯集帝』ヴェゼックス/アルブレッド(Vezsex/Ælvreed)
活躍:輪刻刻817。『
国名:マグナ・ファミリア・サルマィニア
種族:
信神:ドス・ドブ(Dhef・Drabe)
活躍:(恐らく異常発達によるもので)体躯4メト(メートル)を誇る大型の
備考:
国名:イベロ(地域名をそのまま名乗っていた模様)
種族:
信神:むはいのとうぞくおう(Rey ladrón invicto。個人名なし。襲名制?)
活躍:ここに詳細を記入。
国名:新大陸巨大内海地域(通称ヴニーズ共流国)
種族:
信神:セレナリア=オオス=ナス=ホルタース(綴り不明、商業文明として異質なことに彼らは文字を持たない)
活躍:建国当初から滅亡の日までずっと同じ
国名:源奪団
種族:
信神:ヨムスボルグの氷亀塊
活躍:ここに詳細を記入。
国名:ブラフミン朝ドラヴィダ秘国
種族:
信神:『律背反雄』ブラフートマン(brahーtman)
活躍:ここに詳細を記入。
備考:
国名:異草の地と遊住民
種族:
信神:『蛮諸王』サカイ(Sakai)
活躍:ここに詳細を記入。
備考:
国名:峨々岩原ノ巣;ーイースートー
種族:
信神:『全母』仔生み産みーハルタミー(ーHaltamiー)
活躍:ここに詳細を記入。
国名:ネグリート相利共政権
種族:
信神:『双殻片鱗片甲』ロィ≒ツァルー
活躍:ネグリートにおいて初めて甲き殻を従属させたという功績を持つ、優秀な
備考:彼らは巨大蟲を戦争兵器として利用したという。鋭甲鎚(破城鎚)、蜈城塔(攻城塔)、爆屁砲(カタパルト)など。
国名:陽国
種族:
信神:『仁宣治』洪熙太祖
活躍:撃射筒(ガン)という武器を発明し、それまでの戦争に革命を起こした人物として知られている。他にも纏撃射筒(ショットガン)、撃射巨筒(カノン)、小撃射筒(ピストル)、距撃射筒(スナイパーライフル)、束撃射筒(ガトリング)、撃射車(タンク)などがある。
国名:幟曙国
種族:
信神:『戴閣』徳ク田秀デ長ガ
活躍:撃射筒を陽国以外で初めて実戦に投入し、筑ク紫ノ島の平定を成功させ、更に南下。『聖域の角、ダカロク』を植民化した。また、ネグリートやポリ・アンギアと衝突を繰り返した。
備考:撃射筒(ガン)はポリ・アンギアのウェイファインディングを通じてイベロに到達。新世界に伝わった。
国名:聖域幾何協定ポリ・アンギア
種族:空魂魚(マナ・ロッド)、世跳旅人(フェイ)、波呑海月(シーイート)など
信神:ウ・マ・ア(U・M・A)
活躍:ここに詳細を記入。
備考:空中文明。彼らは島を「錨」と形容する。
国名:忌じられた最果て
種族:モノ極の落とし子(NorS)、潰れ場の民(ホライズン)、塩柱の梁幕(ティグルー)、孤立しない波(ドッペル・ソリトン)、影に内に潜み(ウェイブ・ガイスト)、あばれ文字(パズル)、反射の向こう側(RORRIM)など。
信神:Λ→A→Å
活躍:調査中。
祖古の大地(ヴォイニッチ)、呪病の汚染地(コープス・モス)、禁域島(ルルイエ)、色彩狂イ蕩天脈地(カラー・オーガン・エリア)
・旧大陸アーメリゴ編
湖畔竜帝国、フェラール・ビストサウルス居留平原、アイス・デミフェラール居留凍原、神地守護戦士団居留池 、海奪拠点(バカニアドラゴ)、
・黒色陸塊アシュウ編
煙砂人工池遺跡(ミラージュ・オブジェ)、硝子園パンデモニウム、骨骸墓場(アライブ・セメトリー)、疫病の源(シックネス・ランド)、飢えたる四足八脚の群れ(ネフレン=カ・ジャッカルチヤ・ヘッド)、キャバンの歓楽民(エゴ・プランダー)、罪の郷(アルゼヘイマ・ヴィレッジ)
【Ⅲ章】
ここから先は著名な降上(こうりがみ)についての記述ですが、幸いにも紹介するのはただ一人となります。
というのも、何を隠そう我らの
彼女は主に、人似鳥祖竜(アンセス・サウルス)、混竜種(キメラドラコ)をはじめとする種族……俗に言う「爬虫類系亜人」の全てから信仰の対象となっています。
基本的には2か月ごとに敬意訪問や捧げもの、舞などを奉納し
【Ⅳ章】
ここまで各種族ごとの昇上(のぼうがみ)、降上(こうりがみ)を紹介しました(もちろんこれ以外にも無数に存在します)。
さて、これらの
この章ではその共通部分を紹介いたします。
注意点として、
その内容がどんなに「ばかばかしくとも」全て実際に起きたことが記述されているとお考え下さい。
曰く。
――――暗黒と狂気の石が輝くからだをエテルの流れに乗り、その空管を搔き分け、我らはこの星に来り、巨大樹が降り立つ。宛星は・フーと。樹には二種の星人ありて片はエル・フー、もうはドワ・フーと云い、エル・フーは永く生き、雌のみ。ドワ・フーは須臾と生き、雄のみ。これが理であり、而してある時エル・フーに雄が、ドワ・フーに雌が誕する。それは瞬く間に広がり、番族を引き裂き、永劫に祟れり。祟りは絶りは断り。依って戦は避けられぬ。K-Pgの押し波はこうして始まれり。一天空に凶狂の兆し近づき、遠のき、また近づき。もしより疾くその兆し解れば、巨大樹が降り立つこと、決してなき。戦は星を全ての場を渡り歩き、故に衰微し眠る鱗どもは眠りより目覚めて更に
(大きなため息)
「何よ、もう。
【注釈】
A群種族……
B群種族……A群によく似た形態をしているものが該当する。例えば、
C群種族……A群を基準としてその形態が大幅に異なるものが該当する。例えば、
D群種族……極めて構成人数が少ないという特徴のもの、平たく言うと絶滅危惧種がここに分類される。
「で、次はD群……
「んあ、パティア姉ェちゃんじゃん。駄姉の部屋で何してるのさ」
「ダーちゃん」
ハイパティアが振り返るとそこには妹がいた。自分よりあらゆる面で優れた肉体を持つほう、つまり――ダリウスだ。
妹の格好を見て姉は今日何度目かになる大きなため息つく。しっとりと濡れた艶やかな長い桃色の髪、びっくりするぐらいに突き出ている凄まじい存在感のむね、それとは反対に同性から見ても愕然とするほど整ったこしのくびれ、僅かに上を向く引き締まったしり、魅惑蠱惑誘惑の三拍子を持つふとももとおみあし。
どうして姉妹でこんなに差が出るんだ、とまたもため息。
「いつもいっているでしょう、文明人として最低限のマナーを守りなさいと」
妹は風呂上がりの全裸であった。これが詳細にその肢体を描写できた理由である。いつもその体を包み込んでいる軍服たちはさぞ不平を鳴らしているだろうとハイパティアは思った。
「だいだい今日も例によって副官のスクラチェッくんと一緒なんでしょ、その格好で恥ずかしくないの?」
「別に。だって――KiKiKi,ダリウスの姉、姉様は全く、そう全くの毛無でございますから、
「えぇ……」
ダリウスは公私をきっちり分けるタイプだ。故に私的な場ではこちらが卒倒するほどルーズになったりもする。彼女に恋焦がれる多くの男性たちは幸いにもこのことを知らない。そして永遠に知る機会はないだろう――ダリウスは同性愛者であるから。
「んで、パティア姉ェちゃん何し
一体どこから取り出したのか、バルック・エキメッキ(トルコのB級グルメ、いわゆるサバサンド。基本的に塩とレモンのみで味付けをする)をぱくつきながらダリウスは画面を覗き込んだ。
「
「――ゴクッ、そんで
「ふふ」
この姉妹、妹らも中々だが姉もまた、そうである。
「うーし、じゃあ公平に駄姉の味方してやるかぁ。あいつの居場所、何となくわかるし」
「そうなの?」
「ああ。丁度報告することがあって
全裸はこうしていなくなり、静けさが戻ってきた。
と思ったのだが、最後に玄関辺りで焦った声が聞こえる。
「Kiuu~,ダリウス様、ダリウスの姉、姉様!!
(本日最後になって欲しいため息)
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